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労働者の目で社会を!〜韓国サンケン労組・キムウニョンさんが講演

    尾澤邦子

 国際反戦デーの10月21日、東京の文京区民センターで「韓国サンケン労組のその後と韓国の今」という講演会が行われた。台風が近づく雨の中、また総選挙前夜にもかかわらず150名が参加して熱心に聞き入った。韓国から韓国サンケン労組指導委員のキムウニョンさん、新執行部で30代のオヘジン分会長が来日した。キムウニョンさんは「労働者の目で社会を!−韓日労働者の国際連帯」と題して講演を行った。

 韓国サンケン労組は、昨年10月、埼玉県新座市にあるサンケン電気本社に対し、解雇撤回・原職復帰を要求して来日し、229日間の遠征闘争を行い、勝利和解し、職場に戻った。ウニョンさんは「勝利のためにはひたすら団結することが必要です。しかしそれ以上に重要なのは指導する者たちの信頼と団結力です。真のリーダーは絶望の中から希望をつかみ民衆に示していくことが必要です。韓国サンケン労組は、小さな組織ではあるが、勝利をつかむことができることを示しました」と話した。

 職場復帰後韓国サンケンには、新しい社長が赴任してきている。労組から多くの要求を突きつけているが、会おうとしない。仕事は受注も多く順調でみな生産に励んでいる。労組は若い世代で執行部を構成し、地域での連帯活動なども行っている。

 昨年のキャンドル抗争によりムンジェイン政権が誕生した。ウニョンさんは、大統領が光州民衆抗争やセウォル号の遺族を激励したり、真相究明を約束したことなどについて評価していた。また労働が尊重される社会の宣言、労組結成を阻む不当労働行為を行う雇用者への厳しい処罰、公共部門非正規職の正社員化、最低賃金の引き上げなどの政策についても評価していた。しかしサード(高高度ミサイル防衛システム)の追加配備により、その支持率が低下していることも報告した。

 「日本には米軍基地がいくつありますか?」いきなり会場に質問が飛んだ。アメリカは世界に800の米軍基地を配置しているが、最も多いのはドイツで170、次が日本で113、韓国には83あるとのこと。「駐韓米軍の存在は、朝鮮半島と東アジアの平和を守るどころか、逆に戦争の危機を生み出しています。また中国とロシアに軍事的刺激を与え続けています」とウニョンさんは話した。また北朝鮮がミサイル実験を行っていることについて「南の韓国では何も変化はありません。平穏に暮らしています。なのに、なぜ日本では大騒ぎしているのか不思議です」と疑問を投げかけた。

 また「数千発の核兵器を保有しているアメリカが、北が核兵器を持つことに対して、それを理由にして戦争を起こそうとするのは、まさに戦争屋というのではないでしょうか。全世界のすべての核兵器が廃絶されるべきです。日本において真の民主主義を確立すること、それは米軍基地をなくしていく闘いから始めなければならないでしょう。朝鮮半島、また東アジアにおける戦争の脅威を取り除くためにも、韓国と日本の労働者民衆の連帯が必要です。共に連帯してアジアにおける平和を実現していきましょう。平和を生み出す現場でまた会いましょう」などと話した。

 力強く熱い、また説得力ある話に会場から大きな拍手が巻き起こった。参加者からは「とても力をもらった」「雨だけど無理して来てよかった」などの感想があった。


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