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必ず高裁で逆転を!〜9.13「高校無償化」裁判東京判決集会報告

   尾澤邦子

 「勝つことしか考えていなかった」登壇しただれもの思いだった。よもやの不当判決。「高校無償化」裁判東京判決集会は、13日午後6時30分から日本教育会館大ホールで行われた。開場前からぞくぞくと人が詰めかけ、会場はあふれんばかりだった。高校生、大学生などの若い在日の人々と、緊張した面持ちの日本人の年配者が目立った。

 弁護団が登壇すると大きなねぎらいの拍手が鳴り響いた。イ・チュニ弁護士は、「あまりにひどい判決に、逆に奮い立たされている。必ずや高裁で逆転する」と話しながら声を詰まらせた。会場からひときわ大きな拍手が起こった。続けて「2010年の4月に高校無償化法が成立した。自民党政権になり下村文部科学大臣は最初の仕事として、高校無償化から朝鮮学校を排除した。適用根拠の規定を外してしまった。その理由として、拉致問題の進展が見られないと言っていた。政治的・外交的理由により外したことは明らか。しかし、それで子供たちの権利を守る無償化法のことを決めていいのかというのが、この裁判の最大の焦点だった。それは明らかに違法なこと。無償化法は教育の機会均等だ。すべての子供たちの学びを支援するもの。教育とは全く無関係な拉致問題によって判断されることは許されない。しかし今日の判決で田中裁判長は我々の主張をほぼ無視した。国の主張を丸呑みして、違法ではないと、文部科学大臣の裁量の範囲内だという判決を下した」と話した。

 東京朝鮮高級学校3年の生徒は、「判決を聞き、あまりの衝撃で何が起こったのかわからなかった。外に出て悔しくて涙があふれた。朝家を出る前、母が、どんな判決でも泣くな、いくらでも闘ってやるくらいの覚悟で臨めと言った。でも涙が止まらなかった。先生が「この子たちのこんな顔を見るのはつらい」とおっしゃり、私はもう泣くのはよそう、前を向こうと思った。そして、今度は私たちが後輩たちのために闘い、ウリハッキョを守ろうと決意を固めた。権利を勝ち取るまで共に闘い続けよう」と決意を語った。

 オモニ会からも次々と怒りの発言があった。「日本に正義はあるのか。日本の植民地支配から解放され、まっさきに取り返したのが朝鮮語であり自分の名前だった。教育の現場に政治を持ち込まないで」「私たちは当然の権利を主張しているだけ」「この国は1910年の日韓併合から今まで何も変わってない。でも子供たちの未来のため闘わずして座っているわけにはいかない」「子供たちの希望であった裁判が、今日また子供たちを踏みにじり、強く傷つけてしまった」「学びたいと主張することのどこがいけないのか」「無償化の完全勝利目指してこれからもがんばろう」「オモニたちはあきらめない」と話した。そして「子供たちの学ぶ権利を取り上げるな」と全員でコールした。

 韓国から「ウリハッキョと子供たちを守る市民の会」が来日し、「いったいこれが裁判なのか」と不当判決に抗議した。そして「民族教育の権利のため、共に生きていくため、東アジアの平和のため共に頑張ろう」とあいさつした。最後は大学生たちのリードで「声よ集まれ、歌となれ」を合唱した。参加者は1100人だった。


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