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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(1/14) : オリンピック教育は「戦場に教え子を送る」教育の具体化だ
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●根津公子の都教委傍聴記(2016.1.14)

オリンピック教育は「戦場に教え子を送る」教育の具体化だ

 懲戒処分以外の議題は、(1)「東京のオリンピック・パラリンピック教育を考える有識者会議」最終提言とそれに沿って策定した(2)「東京オリンピック・パラリンピック」実施方針について (3)教育体育的活動における安全対策検討委員会の設置について。いずれも報告だった。

(1)の最終提言は5つの資質の育成を4つの取り組みで進めるというもの。
 5つの資質の育成とは、ア.ボランティアマインド イ.障害者理解 ウ.スポーツ志向 エ.日本人としての誇り オ.豊かな国際感覚。
 4つの取り組みとは、a.地域清掃、地域行事等の活動をする〈東京ユースボランティア〉 b.特別支援学校と地域の学校との交流で障害者理解を進める〈スマイルプロジェクト〉 c.オリンピアン等との交流を通してスポーツの素晴らしさを体感し、国際理解を促進する〈夢・未来プロジェクト〉 d.国際交流活動を通じて〈世界ともだちプロジェクト〉。
 年間35時間程度、2016年度から実施。学校が実施することによって、「子供たちが原動力となり、家庭・地域を巻き込む」のだという。

 オリンピック教育が掲げる、「子どもを通じて家庭・地域を巻き込む」、「ボランティア活動」への参加(強制)、「日本人としての誇り」、これらは挙国一致の戦時下国民総動員体制づくりではないか。70〜80年前と同じではないか。「教え子を戦場に送る」教育の具体化だ。こうしたことは、人々に気づかれないうちに、静かに進行するのだ。黙っていてはいけない、声をあげなくては。なのに、教育委員の誰一人、それを感じ取った様子はなかった。 今、教職員組合の組織率は低いけれど、各教組にはこの問題を取り上げ動いてほしいと思う。

 (2)実施方針は区市町村教委、各学校等に1月下旬を目途に周知し、学習読本、映像教材を配布。4月から公立のすべての幼稚園から高校、特別支援学校で実施する、との報告だった。

 (1)(2)とも、担当者の報告・説明は資料を棒読みするようなしどろもどろ。また、各教育委員の発言も、一言は発言の実績を残さねばという程度の、ビジョンがあるとは思えないものであった。少なくとも私にはそう聞こえた。一人、遠藤教育委員が「地域社会への参加について私立学校、学校選択制を採っている小中学校の場合、どうしていくか。これを機会に学校選択制を(廃止する方向で)見直していく必要があるのではないか」と持論を展開した。同教育委員は通学路問題等が議題になった折り、「学校選択制を止めるべき」と常に主張していて、この点だけは同教育委員が確信する意見として納得できた。

(3)教育体育的活動における安全対策検討委員会の設置について
 昨年、巨大ピラミッドの組体操で骨折事故が起きたことを受け、安全指導や対策に向けて検討委員会を設置。3月までに3回の委員会を開き、検討結果を都教委に報告。それを受けて、都教委は安全対策を徹底する(4月から)との報告だった。
 「安全の中に子どもを置くことで、危険予測能力が奪われるのではないか。危険予測能力を育てることを検討委員会の先生方に考えてほしい」(山口教育委員)との意見が出された。そう考えるのであれば、一言の発言ではなく、柔道の専門家として、案を出す積極さがほしいと思った。


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