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圧巻だった元自衛官の発言〜「戦争させない」オール埼玉総行動に1万人

                堀切さとみ
動画(10分37秒)

 真夏日となった5月最後の日曜日(5/31)。北浦和公園(さいたま市浦和区)で、集団的自衛権行使容認の撤回を求める「オール埼玉総行動」が行われた。朝9時すぎから地元のジャズバンドの演奏に迎えられ、大勢の市民が続々と集まってくる。横浜で3万人、沖縄で3万5千人が集まって声をあげたように、埼玉でも戦争反対の意思を示そう! 1万2千部用意されたプログラムはあっという間になくなり、暑さ以上の熱意がみなぎる総行動となった。

 「日本を戦争する国にしてはならない。子どもや孫に銃をとらせてはいけない。70年守り続けてきた平和国家という大切なブランドを捨て去ってはならない」「安倍総理は、自衛隊の危険は?と聞いても答えないが、海外に派遣されて自殺した自衛隊は54名。アメリカでは200万人の帰還兵のうち50万人がPTSDになっている。これが戦争なんだ」。主催者代表の小出重義さんの訴えで集会が始まった。

 元自衛官の泥憲和さん(写真)の話は圧巻だった。「自衛隊だったとき、私は皆さんのような人たちを敵だと思っていた。ソ連や中国にそそのかされて平和主義を叫んでいるかわいそうな人たちだと。私が北海道の部隊を希望したのは、ソ連と闘う最前線だったから。その後『防衛白書』を書いた官僚が、退官後に『ソ連脅威論は嘘だった。防衛白書の行間にそう書いてある』と発言。自分はまんまと騙されたのだと思った」

 「ナチスドイツのヘルマン・ゲーリングが言った。『もちろん普通の国民は戦争なんて望まないんだよ。でも国民を戦争に参加させるのは簡単なんだ。“我々は攻撃されてる”って言えばいいんだ』と。安倍さんたちはなぜ戦争に導こうとするのか。彼らにとって戦争は悲劇ではない。新しい需要を生み出してくれる。死んだり傷ついたりするのは他人。我々と安倍さんらは立場が違うんだ。そのこ とに気づかせないように、ヘイトデモなど排外主義をあおり、敵意を作り出している。われわれが騙されたと気付いたとき、彼らは言うだろう。『騙されたお前たちの自己責任だ』と。」

 そして「私たちの子どもたちのために、そして、見も知らぬ国で自衛隊によって命を奪われたり傷つけられたりする、見知らぬ誰かの未来のために、我々はこの憲法の下に集まらなければならない」と訴えた。

 自由の森学園高校の山森要さん(写真)は、学内で集団的自衛権の署名を集めてきた。「戦争に行かされるのは国民だ。殺したくないし殺されたくないと皆思っている。18歳で選挙権を持てるようになったとき、自分の意見を持って投票できる人が増えるようにしたい」

 集会の最後に、参加者はプラカードを掲げてコール。広い公園が「戦争させない」「9条こわすな」の文字であふれた。その後、参加者は「浦和駅」「与野駅」「南与野駅」の三つの駅に向かってパ レードし、さいたま市民にアピールした。


Created by staff01. Last modified on 2015-06-02 22:55:35 Copyright: Default

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