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LNJ Logo 牧子嘉丸のショートワールド:「某新聞社最高幹部会」マル秘議事録を独自に入手するの巻
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    第13回 2014年10月3日

「某新聞社最高幹部会」マル秘議事録を独自に入手するの巻


       *漫画「もっと切りたい」(壱花花)

●会長 諸君。ご存知のように今やわが社には千載一遇のチャンスが訪れておる。この好機逃さでおくが、ブンヤなりだ。あの憎っくき旭をおもいきりぶったたいて、わが読切りをバンバン売るんじゃよ。

●宣伝部長 はい。それで旭批判のチラシを読切りの購読者全戸に届けております。

●会長 旭批判のチラシを読切りの読者に配ってどうするんだ。間違ったふりをして旭の購読者の家にポスチングすんじゃ。販売店にそう言っとけ。

●社長 それが、会長。あんまりえげつない商法だといって、批判が出てるんですが。

●会長 何を言っとる。新聞なんて、そんなもんじゃ。インテリが作ってヤクザが売る。これが当たり前なんだ。昔から世間では「旭ニセ紳士、日毎ペテン師、読切りヤクザ」と言うとるだろ。ホントにうまいこと言うもんだな。

●社長 会長、そんなことに感心してどうするんですか。とにかく、旭は今や四面楚歌、孤立無援。「まさに連帯を求めて孤立を怖れず、力尽くさずして倒れることを拒否する」てな状態です。

●会長 君は元東大全共闘かね。それにしても、どうも紙面の旭攻撃が弱すぎる。もっとインパクトのあるドギツイ見出しがほしいね。「売国奴のDNA鑑定結果出る!」とか「国賊のスタッブ細胞発見!」とか、「反日の巨人、進撃す!」とか。いや、巨人はまずいか。

●編集局長 でもさすがに、そんなゴロツキ雑誌みたいなことは書けませんよ。やはり、従軍慰安婦問題や古田調書の報道について、旭の姿勢を糺していくというのが……。

●会長 そんなことどうでもいいんだよ。間違いなんてはどこにでもあるんだ。ただ大事なことは、自分には大甘で、他人には重箱の隅をつつくように執拗で酷薄じゃなきゃいかんのだ。相手が一番苦しいときに、徹底攻撃を加える。これがジャーナリズムの精神だよ。魯迅も言っているだろ「水に落ちた犬を打て」って。ぼくはこうみえたって、昔は左翼だよ。共産党の不磨君なんかといっしょにやってたんだから。ぼくだって、まともなときはあったんだ。いつのまにこうなったんだろね。

●取締役 まあまあ、会長。とにかく旭が部数を減らしているのは事実ですから。

●会長 それでわが社はどれぐらい部数を伸ばしているのかね。

●取締役 わが社も急激に部数を減らしております。

●会長 何だ、そりゃ。

●社長 今の人は新聞を読まないんですよ。スマホばっかりいじっていて。

●会長 とにかくだね、わが社の方針に変わりはない。具体的には原発再稼働推進、集団的自衛権行使での派兵の容認、消費税20%、慰安婦なんてどこにもありだよ。

●編集局長 それでも国民の間には戦争への危機感とか、御嶽山爆発による原発への不安なんかがあって、なかなか世論が……。

●会長 無礼を言うな。何が世論だ、たかが国民のくせに。大体、戦争で日本人が死のうが、火山で原発が爆発しようが、そんなのオレに関係ない。オレは最後の権力者なんだ。読切りの始皇帝とよばれているんだ。とにかく、権力さえ握り続けていればそれでいいんだ。あとは野となれ山となれだよ。我が亡きあとに洪水よ来たれだ。安米君だってそうだよ。何にも考えてないんだから、おたがいに。

●取締役 いや、会長のエネルギーには本当に敬服します。いったい、その健康の秘密は何ですか。

●会長 憎まれっ子世にはばかる、だ。これが秘訣だよ。世間の連中は、早く消えて欲しいと思っとるだろうがね。

●一同 いやあ、私たちだってそう思ってますよ。はい、心から。


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