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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(1/9)〜「はだしのゲン」に関する請願にまともな論議なく「回答」を決定
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●根津公子の都教委傍聴記 第12回(2014.1.9)

「はだしのゲン」に関する請願にまともな論議なく「回答」を決定

「はだしのゲン」の「教育現場からの撤去」を求める請願が議案になっていたことから、今日の傍聴希望者は、定員20名のところに26人、6人が傍聴できなかった。私も外れだったが、「傍聴記を書くんだろう」とFさんがご自分の当たり券を譲ってくださった(感謝)。

木村委員長は今日も冒頭、「議事進行を妨害した場合は退場を命じる。法的措置をとる」と言い、さらに、「前回、退場の際に大声を上げたことがあった。これも妨害行為である」と付け加えた。傍聴者を排除する議事運営はますますエスカレートする。

議題は、上記した「請願に対する回答について」の議案と2件の報告((神25年度いじめの実態及び対応状況の把握のための調査結果について 東京都の児童・生徒の体力の状況について)、非公開議案が懲戒処分案件であった。乙武委員は欠席。

今朝(1/9)の新聞報道にある、「はだしのゲン」に関する「請願に対する回答について」。「教育現場からの撤去」を求める請願が3件(いずれも練馬区内の団体)、「自由閲覧の維持」を求める請願が9件(2団体と7個人)出されており、その回答を決定する議案だった。両請願とも「応じることはできません」との回答を決定した。「撤去」を求める請願が採択されなくて、よかったのではあるが――。

会議の流れは、指導部が書面で回答書を提案。それを受けて、竹花委員は「都議会での議論はどうだったのか」「区町村段階、他道府県の状況はどうか」「選定基準をもとに検討したのか。問題はないと判定したのか」と質問し、応答(注1)の後、「図書館には幅広いいろいろな本があっていい。制限しなくていい」と発言。内館委員は、「この文章(回答書)では何を言いたいかわからない」。

内館発言に対し、木村委員長が「校長の権限と責任で決める。都教委が指導助言し、ともに考えていくという(この案)のでいいのではないか」と発言。これで委員たちの間では合意されたということなのか、採決も確認もされないままに、この議案は提案通りに決定された。山口委員の発言はなかった。

「回答」は、・「学校図書館においては、児童・生徒に幅広い知識と教養を身に付けさせるべく、様々な図書館資料が置かれることが必要である。」・「校長は…校務について権限と責任を有しており、図書館資料の選定事務についても同様である。東京都教育委員会は、今後とも区市町村教育委員会とともに、学校図書館の在り方を踏まえつつ、校長による図書館資料の選定が適切に行われるよう取り組んでいく。」とした。

そこまでは了解できるのだが、その先が問題だ。・「『はだしのゲン』は…私的な見解を、作者独自の表現により、漫画…作品にしたものであり、客観性やバランスのとれた記述が求められる教科用図書とは異なるものである」・「暴力表現など、その一部に教育上の配慮が必要な表現がある。」とした。

さらには、次のように言う。「あわせて、東京都教育委員会は、引き続き、教育基本法や学習指導要領にのっとり、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する態度や、国旗・国歌の意義等について、児童・生徒を正しい理解に導くよう、都立学校や区市町村教育委員会に対して指導・助言を行って」行くと。

今後、この部分を肥大化させないように注視していかねばと思う。 11月に、練馬区教育委員会は「撤去」を求める陳情などを、全員一致で不採択とした際、委員一人ひとりが発言をしたと聞く。これが教育委員としての職責であろう。都教委の委員たちは、ここに学んでほしいものだ。

*注1:11月22日の文教委員会で古賀議員から、「『はだしのゲン』には、天皇批判や国旗国歌批判があるが、どうなのか」と質問があったとのこと。また、練馬区以外に、港区、足立区、大田区、西東京市に「撤去」を求める請願が出されているとのこと。

次に、報告事項△砲弔い董

「基礎体力向上」は都教委が重点にしてきた事業である(第一次推進計画:平成22〜24年度 第二次推進計画:平成25〜27年度)。その東京の子どもたちの体力・運動能力等の調査結果が、全国調査から報告された。調査対象は小学5年生と中学2年生。それによると、ア.小5は5年間で男女とも全国水準まで向上した。しかし、イ.中2は男女とも低水準。特に男子は47位(全国最下位)。ウ.ボール投げが低下した。とのこと。

報告を受け、第一声は竹花委員。「計画を推進し、毎年調査結果をまとめて冊子を作り、労力をかけてこの状態。これでは、指導部長、チームを撤退せねばならんだろう」と軽く皮肉った。福井や秋田は、学力・体力ともに高い結果をあげていることが話題になる。「運動能力の上位者を貼り出し、競争させたらいい」(山口)、「学力上位者を貼り出すのは問題があるかもしれないが、体力・運動能力なら問題ない。東京オリンピックもあるし、がんばってもらおう」(木村)との発言に、ほかの委員も頷き、これが委員の総意という印象を受けた。

教育委員の諸氏には、競争によって苦手意識が増幅されることに考えが及ばないのだろうか。このことは、教育委員の質にかかわる問題だ。

閉会宣言がされた後、竹花委員が「予定された議題以外で」と断って、「都立小中高一貫校についての7日付新聞報道(朝日、毎日、東京 注2)について、経過説明をしてほしい」と発言した。

それに対し指導部長は経過を説明したうえで、「12月に報道から質問があった。言っていないことを報道された。都教委の立場は変わっていない」。続けて竹花委員、「(報道機関に)謝ってもらいたい。訂正記事を出してもらいたい」と。この時点では、報道関係者席は空席となっていた。

以前にも報道に文句を言いたいがために、竹花委員は定例会の議事終了後に同様の発言をしたことがある。今回のことの真相は私たちにはわかり得ないが、応答を聞いていると、一つのシナリオができていたような感じを受けた。

*注2:東京新聞は、「都の小中高一貫校 白紙」「教委『構想、新都知事が判断』」の見出しで、「猪瀬前都知事の肝いりで任期中の開校を目指してきたが、都教委幹部は『辞めた以上、庁内であらためて構想を検討の上、新知事の判断を仰ぎたい』と述べたと報じた。

退室時に傍聴者の一人が、(Fさんの「授業をしていたのに」)裁判で都教委が敗訴したこと、その控訴をやめたことについて、定例会で報告しないのか、都合の悪いことは報告しないのかと、声を上げた。傍聴者の多くが同感するところだった。しかし、木村委員長は冒頭の自身の発言を実行に移し、「退場」と告げ、その人の特定を傍聴者監視役の職員に指示した。都教委に批判を持つ傍聴者を憎む木村委員長の行為は、エスカレートするばかりだ。


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