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国労バッジ裁判、「10日間出勤停止は不当労働行為ではない」と不当判決

  11月7日、退職まで国労バッジをはずさなかった辻井義春さん(故人)へのJRによる不当労働行為をめぐる裁判の東京地裁判決が出された。(東京地裁民事第11部 白石哲裁判長)

結果は、これまでの出された神奈川県労働委員会命令、中央労働委員会命令をすべてくつがえした不当判決であった。

白石裁判長は、判決主文を読み上げたあと判決文の趣旨として以下のように述べた。

  1. 10日間の出勤停止は、不当労働行為にはあたらない。
  2. 辻井さんに対する「バッジをはずさないと再雇用はない」という当時の管理職の発言も不当労働行為ではない。これらの理屈は、「バッジ着用は就業規則違反、すなわち処分の対象」というJR側の 言い分をすべて肯定したものである。そして、この考え方からすればJRの労務管理規則に反対するものは、すべて処分ひいては解雇の対象にさえなりうるということになるのだ。

 この裁判は、2010年8月に交通事故で亡くなった辻井義春さん(元JR京浜東北線本郷台駅勤務)が、JR退職まで国労バッジを付け続けたことで受けた処分(最高で10日間出勤停止)が不当労働行為にあたり処分の取消を求めた神奈川県労働委員会命令(2010年1月)、中央労働委員会命令(2011年2月)に対しJR東日本が不服を申し立て、東京地裁に提訴したものである。辻井義春さんの闘いは、妻のまゆみさんが引継ぎ継続されてきた。

 妻のまゆみさんは、判決後以下のように語った。

「今日の判決で『不当労働行為は認められない』ということを聞いて、ここまで来たら絶対に負けるわけにはいかないと思いました。主人が最後に言った言葉は『俺は最高裁までいってがんばるんだ』でした。わたしはその言葉を無にしたくありません。私も最高裁まで闘います。」

 裁判傍聴者からは「労働委員会が労働者の味方で、裁判所は資本の味方になってしまっている」という発言も出された。

 この裁判は労働委員会制度のあり方を問う裁判でもある。まゆみさんの決意を無駄にしてはいけないと改めて感じた。(湯本雅典)

*本裁判では、神奈川県労委に先行して勝利がかちとられた東京都労委命令(2008年3月)と同中労委命令(2010年11月)の分(原告、辻井さん他8名)についてもすべてJRの言い分を是とした不当判決がくだされた。

まゆみさんの言葉(音声ファイル)


Created by staff01. Last modified on 2012-11-07 17:10:02 Copyright: Default

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