安田(ゆ)です。雨が降りそうだったのでどうしようかなあと思いつつ、結局、雨合羽を持って官邸前に行ってきました。地下鉄の出口を出てみると、ソフトながら、前回より厳重な警備。誘導に従って歩いていると、何となくデジャ・ビュ感が…。花火大会みたいな大規模イベントの誘導と同じ方式ですね。雨のためか、警備のためか、列に並んでいる人々のテンションは前回よりも全体的に低め。前回は、みんな表情も明るくて、シュプレヒコールの声にも張りがあったけど、今回は黙々と並んでる、という感じだったので、なおさら花火大会感が強かったのかもしれません。列の中で、少しずつ前に進んで行ったのですが、みんなが傘をさしていたこともあって、すごく動きにくい。多くのスタッフが出て誘導していて、今回は車線に溢れ出ることもないのかなと思っていた時、7時半頃、南門を過ぎた地下鉄の出口あたりでどっと人が車道に出て、そのまま前回のような車道占拠の状態になってしまいました。しかし、今度はそんなことも予想していたのか、警官が車道に阻止線を張って前進を阻止して、何となくいやな感じになっていたのですが、さすが日本の市民、阻止を強引に突破しようなんてことはせず、警官の壁の前で楽しげにシュプレヒコール。もっとも、警官の壁は車道だけで、前に出ようと思えば横の歩道から進めたんですけどね。とにかく一度車道に出てしまうと、みんなテンションも上がって、いい感じになりました。ただ、警官が壁を作って車道の前進を阻止したのは、すごく危険だと思いました。実際、状況がわからない後ろの方から押されて、このまま後ろが押してきたら将棋倒しになったりしかねない状況でした。たぶん、雨が降っていて傘を差している人が多かったので、ぎゅうぎゅうと押してくるようなことにならなかったんだと思います。もし傘を差していなければ本当に危ないことになりかねなかった。また、阻止されたため興奮した若い参加者が警官に突っかかったり、ということもありました。人間って、阻止されると突破したくなるんですかね。一度、車道に出てしまうと、もう車道を進むのが当然、それを阻止するのは不当、という感じになってしまうようです。こういった状況は、むちゃくちゃ危険に見えました。雰囲気が盛り上がると、どんな動きをするのか予測がつかず、それを警官が実力で抑えこもうとすると、大混乱になりかねない。雨と「市民的良識」のおかげで大混乱は避けられたと思いますが、もうあの状態になったら、変に警官は手を出さず、主催者側の整理に委ねた方がいいと思う。また、主催者側も、単に「並んでくれ」「空間をあけてくれ」「車道に出ないでくれ」というだけでなく、圧力を減らす工夫や、一度車道にあふれてしまったら、それを適切に誘導するようなことを考えてほしい。みんな、前へ、前へと進もうとするので、あるところでどうしても車線にあふれてしまって、コントロールできなくなってしまう。たとえば国会議事堂が見える南門前のあたりは、結構いろいろ抗議行動もあって人が集まっているのですが、官邸前交差点以外にも抗議行動を組織するポイントを作って、人の塊を分散させるような工夫をしてもいい。後ろの方では、官邸前で何がどうなってるのかわからないから、前に行きたくなるわけですが、それこそ前の方のスピーチを後ろの方でも聞こえるように中継するとか、そんな工夫も必要だと思います。そうすれば、前の方で人の圧力が過度に高まるようなこともなくなるでしょう。あと、結局、車道にあふれてしまった時は、その場で座り込みを呼びかけるべきだと思います。立ったままで、前へ、前へという状態になると、みんな興奮して余計な摩擦も起きるし阻止を突破しようとする人も出てくる。押し返そうとしてもどうせ押し返せません。座り込みをすることで、みんな落ち着きますし、阻止を突破しようとしてもみ合いになることもなくなります。誘導のスタッフが、小さな座り込みの塊を作るよう呼びかけてミニ集会のファシリテーターに変身して、ミニ抗議集会みたいなものを組織してもいい。一度、座り込んでしまうと、ちょっと解散までの時間が長引くかもしれませんが、それでも混乱して怪我人が出たり、警官とトラブルになるよりよほどマシです。いくつかの塊になって座り込みをすれば、それぞれの塊ごとにメッセージを伝えられるでしょうし、コントロールもしやすい。...といったことを考えながら、電車に乗って帰ってきましたが、まあ結構楽しかったです。今回は、一番前に行かなかったので、あの奇妙な解散スピーチも聞かずにすみましたし。それで、帰る電車の中で、「組合の旗」のことを考えてました。組合に限らないのですが、組織の「旗」っていうのは、構造のない無数の人々の集まりに、構造を与えたり、一種のメッセージ伝達の機能があるんですね。「旗」がないことで目印がなくなり、人々がどっとアンコントローラブルな状態で動いてしまう。もちろん「旗」は時として冒険的な行動のメッセージを発することもあるわけですが。「旗」についてはいろんな議論がありますが、一生懸命労働運動に取り組んでいる労働組合にとって、「旗」は特別な意味を持っています。労働組合にとって「旗」はどんな意味があるのか、というテーマは、レイバーネットの例会のネタにしても面白いんじゃないかと思いますが。