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黒鉄好@福島です。

「総務省と労基署が2拠点に立ち入り調査 大揺れ日本郵便で年賀状遅配の危機」というニュースサイトの記事を見つけました。(ダイヤモンドオンライン掲載)

9月末に行われた郵政非正規職員の大量首切りで、またも現場が大混乱している、というニュースです。

経営陣の無能が招いたゆうパック大遅配騒動のツケを労働者に転嫁し、そのツケがまた現場に回る・・・いつまでこんなことが繰り返されるのでしょうか。

以下、転載します。

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http://diamond.jp/articles/-/15555(ダイヤモンドオンライン)より

総務省と労基署が2拠点に立ち入り調査
大揺れ日本郵便で年賀状遅配の危機

 経営判断のミスで大赤字になったので、ベテランアルバイトを首にしたら仕事が回らず、その場しのぎで正社員にサービス残業と超過残業を強いることになり、あまりのひどさに当局の立ち入り調査を受けててんやわんやー。

 これは零細町工場の話ではない。正社員だけで10万人以上を擁する巨大企業、日本郵便の話である。言うまでもなく、郵政民営化で発足した日本郵政グループの郵便事業会社である。

 さる12月上旬から日本郵便では前代未聞の異常事態が続いている。関東の有力支店(旧・普通局)である越谷支店(埼玉県)と船橋支店(千葉県)が、労働基準監督署、監督省庁である総務省、さらには自社の監察部門から立ち入り調査を受けるという。

 労基署と総務省の調査の主たる目的は職員の超過勤務とサービス残業で、同じく監察部門は大量の郵便物を配らずに廃棄したという不祥事に対してのものだ。

 詳しくは後述するが、越谷支店と船橋支店では現場職員のサービス残業と、労使協定で定めた月間残業時間「三六協定」の規定残業時間を超える残業が横行しており、それでも配りきれない郵便物を廃棄していた疑いが出たため、監察部門までが動き出したのだ。

 こうした一連の調査を招くきっかけとなったのが、赤字転落後の人減らしである。週刊ダイヤモンド既報の通り、日本郵便は、設立からの2年で約1000億円の累損を出した日本通運との共同設立会社JPEXを実質的に救済合併するという、信じがたい経営判断により大赤字を出す苦境にある。

 そこで、赤字縮小策として白羽の矢を立てたのが人件費削減だ。とりわけ、手のつけやすい非正規雇用社員の雇い止めは即効策として重宝された。2011年4月以降、65歳以上の非正規雇用職員は契約更新せずとの方針で、全国で1万人以上の首を切った。

 例えば、船橋支店では、約400人いる非正規雇用者の2割、80人の首が切られた。非正規雇用といっても短期契約ではなく、日本郵便では10年、20年と契約更新を続けてきたベテラン職員が少なくない。そうしたベテランを一気に首にしたのだから、現場が大混乱に陥るのは火を見るより明らかだった。

 船橋局でも、越谷局でも、非正規職員の首切り後、「企業のダイレクトメールなど、料金後納で消印(日付)の無い郵便物の配送は『計画配送』と称して、後回しにしている。郵便物が全く配られないエリア『欠区』も発生しており、郵便事業はガタガタだ」と職員が悲鳴を上げる事態に陥った。

 当然、その場しのぎの非正規雇用職員削減のしわ寄せは正社員に行く。現場職員はこう嘆く。

「夜8時を過ぎても郵便物を配っていることもあるし、昼食や休憩を取る時間さえ無い。これはサービス残業になるし、仮に残業をつけたら今度は協定時間オーバーになるから、何ともしようがない」。

 日本郵便では、2ヵ月ごとに三六協定を結んでいる。例えば、船橋支店では、10、11月の2ヵ月で上限81時間(1日の上限は4時間)の協定だったが、これを上回る者が続出し、労基署が調査に乗り出す事態となったのだ。

 さらに、越谷支店では、残業記録(超勤命令簿)の“裏帳簿”を作成し、三六協定違反となる超過残業分は他の月に振り替えるという組織的隠蔽まで行っていた。

 こうした異常事態はついに国会議員の“介入”さえ招くようになる。12月上旬に社民党の又市征治参議院議員が質問趣意書で、先の2支店の名前を挙げた上で、高齢の非正規雇用社員の雇い止めと要員不足の実態を質したのだ。

 種明かしをすれば、越谷と船橋の両支店には、郵便職員の9割以上の組織率を誇るJP労組とは別に、社民党系の小規模労組が存在する。この労組の情報を受けて、議員が動いたと見られる。

 元々、労基署から目をつけられていたのに加え、質問趣意書が突きつけられたこともあり、両支店には政府(総務省)、また越谷支店にはこれと前後して労基署までが調査に押しかける事態となった。加えて船橋支店には、日本郵便本体からの調査が入った。

 そもそも日本郵便にはタウンメールと呼ばれる、所管区域内の全戸にDMを配布するサービスがある。ところが、船橋支店では、大手保険会社から請け負った7万通のDMのうち8000通を配りきれず、廃棄してしまったのだ。

 船橋支店は本社に対して「全戸数よりもDMの数が多くて余った」と説明している模様だが、現場職員は「人手が足りなくて配りきれなかっただけ。十数人も調査に来ていたが、現場に聞けばすぐわかることだ」と苦笑する。

 前述した「計画配送」すら計画通り行えないほど、現場は混乱しているというわけである。越谷支店の職員も「人手不足で幹部職員がゆうパックの配達にかり出されている状況なのに、このまま年賀状の集配に突入したら、大変なことになる。裏帳簿はもう使えないだろうし、三六協定を守れば、人手不足にさらに拍車がかかる」と心配顔だ。日本郵便は一連の事態について、「回答は控えさせていただく」と一切の事実確認を拒否している。

 非正規雇用社員の雇い止めで混乱に陥っているのは船橋、越谷両支店だけとはとうてい考えられない。果たして、こんな混乱の中で、年賀状は元旦に無事に届くのだろうか。人手不足と準備不足で大混乱に陥った10年7月の遅配騒ぎも、喉元過ぎれば熱さ忘れると言うことなのだろうか。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 小出康成)

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なお、郵政事業崩壊の実態に関しては、2011年2月に郵政労働者ユニオン機関誌「伝送便」に寄稿した拙稿も併せてご覧ください。

「郵政事業崩壊の実態」
http://www.geocities.jp/aichi200410/yuseihoukai.html

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黒鉄 好 aichi200410@yahoo.co.jp

首都圏なかまユニオンサイト
http://www3.ocn.ne.jp/~nakama06/

安全問題研究会サイト
http://www.geocities.jp/aichi200410/

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