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「私たちは被害者だ!」12・3双葉地方総決起大会

十二月三日、いわき市明星大学で「原子力被害の完全賠償を求める、双葉地方総決起大会」が行われた。福島原発から二十キロ圏内にある「警戒区域」。そこに暮らしてきた八町村(※)の住民は、 3・11の事故直後、とつぜん避難勧告を出され、全国に散らばって慣れない土地での避難生活を余儀なくされている。

世界最大の原発事故、その現場が見える場所で生活してきた七万人の人々。事故から九ヶ月たとうとする今、ようやく「被害の完全賠償なくして、復興も再生もありえない」と声をあげた。1400人の避難者たちが集まり、福島県知事、東電社長、事故収束大臣らが列席する中での大会を見守った。

(※・・・広野町、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、川内村、葛尾村)

「同じ苦しみを味わってもらいたい」

まず、井戸川双葉町町長が、主催者あいさつをした。

「レベル7という原発事故がおき、我々は世界一の被害者になった。そのわれわれが、全国に散り散りバラバラにさせられているとは、まことにおかしな話だ。原発立地を許可し、ロボットのように貢献してきた我々が、バツを受けるようなみじめな思いで生活をしなければならないことは、納得できるものではない。東電の重役、原子力産業で莫大な利益を上げてきた人は、双葉郡に住所を移し、われわれと同じく避難生活をしていただきたい。どんなに苦しいかを共有してこそ、我々に謝罪していることになる」

さらに、役場機能を埼玉県加須市に移し、旧騎西高校で集団避難生活をしている双葉町の現状を、「強制収容所に入れられているようなものだ。ただ食べ物とねぐらを与えられているだけで、これでは家畜同然」と表現した。

「今回の事故は法律を超えている。想定外のスピードで住民の救済をしてほしい。これ以上待たされたら、暴動が起きかねない」
そして、九月に東電が行おうとした「賠償説明会」に触れ「加害者が作った請求書様式で賠償されるなんて、とんでもないことだ。原発補償の全国の前例として、絶対残してはいけない。被害者の我々が自分の意志で請求しなければ、今後法律もいらなくなってしまう」「私は不満に思っている。同じように思う人はぜひ拍手を」と言うと、会場は満場の拍手に包まれた。

そのあと、商工業関係者、農業団体、漁業関係者、女性団体らが現状を訴えた。保護者代表の佐藤ひろみさんは(写真上)
「再開に踏み切った学校もあるが、放射能から子どもを守りたいという思いで、戻ることができない。こどもたちは知らない土地で、受け入れてくれた学校に通い、これ以上世間から置き去りにされないように、歯を食いしばっている。いつまでこんな目にあわせるつもりなのか。福島の再生に一番必要なのは子どもたちだ。彼らが健やかに成長できるために、彼らが受けた精神的苦痛と、これから先受けるであろう影響について、国・東電は責任をとってもらいたい」と訴え、会場から大きな拍手がわいた。

要求書を受け取り、東電西澤社長「親身な賠償に取り組む」

「双葉地方の再生なくして、福島の再生なし」と、佐藤福島県知事

「経済を度外視して『除染』をします」と、細野災害復興大臣

最後に日弁連の新里弁護士から、「未曾有の大事故で、裁判をやっているヒマはない。クウェート侵攻のときに国連が戦争賠償を担った経験を参考に、裁判外で簡易迅速に完全賠償する仕組みを考えている。九月に、東電が請求用紙を送りつけてきたとき『東電の対応は不適切』と言って、賠償説明会を拒否した双葉町長に励まされて、被害者の目線で紛争解決しなければという思いを新たにした」という発言がなされた。

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会場に集まった住民の声

「避難してる俺ら、何も悪いことしていない。国と東電は責任を認めてる。だったら加害者・被害者の立場をわきまえて対応してほしい。われわれがもっと言っていかないと、加害者と被害者の距離が遠くなっていく」

「頑張るのは国と東電でしょ。この悔しさ、当事者でなければわかりませんよ。宮城、岩手は原発ないから、復興できるメドがある。でも私たちは、前がどっちなんだかわかんないの」

「避難先でも『お金もらって・・』って、私たち加害者のように見られてる。くやしくて『畜生!』って叫ぶときがある」

もう少し、具体的な賠償の話をするのかと思っていた・・という人がいる一方で、日頃、情報もなく話す相手もいない仮設生活をしている人にとっては「これだけ大勢の人たちが、同じ思いをしているというのがわかって、少し希望がもてた」という大会でもあったようだ。(レポート=堀切さとみ)

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*以下、3本の動画をユーチューブにアップしました。(堀切)

 嶌覿未鉾鯑颪靴秦侏嫩の人々」(8分13秒)
  福島原発事故から九ヶ月。原発と共に暮らしてきた双葉町は、役場機能を埼玉県加須市 に移し、町民の一部が廃校になった高校で避難生活をしています。故郷から引き剥がさ れても、前を向こうとする人々の姿を映した八分間ビデオ。 十二月三日、いわき明星大学で行われた「双葉地方総決起大会」のオープニングで上映 されました。

◆孱隠押Γ 完全賠償を求める双葉地方総決起大会」(11分17秒)
  福島原発事故の「警戒区域」にあたる双葉地方・八町村が、国と東電に賠償を要求する 、初めての大会を開いた。大会の様子と、参加した住民の声。

「12・3 双葉町・井戸川克隆町長のあいさつ」(12分23秒)

十二月三日。いわき明星大学で行われた「完全賠償を求める総決起大会」での主催者あ いさつ。「歴史は正しく残したい」という双葉町・井戸川克隆町長の言葉は、双葉地方 七万人の避難者の思いを代弁するものだった。


Created by staff01. Last modified on 2011-12-09 11:32:51 Copyright: Default

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