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名古屋トヨタ本社前(9月19日)
↑ 名古屋トヨタ本社前で(9月19日)

トヨタ本社前(9月20日)
↑ トヨタ本社前(9月20日)

エド委員長(左)とウィニー副委員長(右)、トヨタ本社前(9月20日)
↑ エド委員長(左)とウィニー副委員長(右)、トヨタ本社前(9月20日)

東京連帯集会(9月22日)
↑ 東京連帯集会(9月22日)

 フィリピントヨタ労組(TMPCWA)のエド委員長とウェニー副委員長が来日して9月19日から名古屋、豊田市、神奈川、そして東京と第5回反トヨタ世界キャンペーンをくりひろげた。3月にILOがフィリピン政府に早期解決を勧告し、フィリピン雇用省が調停に始めたその時に、トヨタは8月2日ウェニー副委員長を含む4名の組合員を解雇した。キャンペーン最終日の22日、東京飯田橋のトヨタ東京本社前にTMPCWAを支援する会のメンバーら約70名が集まり、トヨタに抗議の申し入れを行った。この後近くのSK会館で連帯集会が開かれ、エド委員長は「トヨタの人権無視を労働者の国際連帯で跳ね返そう」と宣言した。

トヨタ本社で植生が強制的にビラを回収
 夜の連帯集会で冒頭、支援する会の小嶋武志事務局長がキャンペーンの詳細を次のように語った。トヨタ本社前のビラまきでは、労働者が門前で受け取ったビラを職制が「私物の社内持ち込み禁止」と言って、鞄を開けさせて強制回収するという人権無視の蛮行を行い、いかに労働者の反抗を恐れているかを如実に示した。同時にトヨタ労働者の生気のない姿に同情と憐れみを感じた。代表団との交渉では、去年までの「フィリピン現地のことは現地で解決する」という口実で逃げていたが、今年は何も回答せず、ただ「上司に伝える」という形式的な態度で誠意のかけらもなかった。

 昨年のILO高位調査団の現地調査の結果、ILO結社の自由委員会が全会(日本代表を含む)一致でフィリピン政府への勧告を決定した。その内容は、1)フィリピン政府がイニシアティブをとって解決に当たる。2)会社の不当労働行為の禁止。3)労働組合への弾圧を止める。4)労働法の改正、の4点である。その勧告にアロヨ政権も従わざるを得なかった。そして、OECDや日本政府も承認していた。

トヨタに解決の意思がないことが明確に
 われわれは「やっと先に光が見えた」と思ったが、その考えは甘かった。ILOが開催中の6月に、トヨタは組合との現場での交渉中に生産ラインが止まったことを口実に9名の組合員に1カ月自宅待機処分を出し、その後8月2日に4名を解雇した。トヨタに解決の意思がないことが明確になった。
 今回の来日中に日本政府代表(NPC)と面談したが、「トヨタを説得したが、聞く耳を持たなかった」と答えている。
 続いて、フィリピントヨタ労組(TMPCWA)が工場内外で撮影したビデオを上映し、エド委員長が解説した。7月の自宅待機に抗議して昼休み食堂で労働者に組合員が訴えているシーンと、4名が解雇された後の8月6日、工場門前で騒音を発する抗議行動のビデオである。これらのビデオは同労組ホームページに掲載予定。

フィリピンの国際キャンペーンは9月27日〜10月1日
 続いて質疑が行われた。Q:ILO現地調査はどんな様子だったのか?A:われわれの組合にも招待されて会談したが、「解決のためにあらゆることをやる。雇用省にも働きかける」と語った。雇用省は当初、再就職あっせんを勧めたが、われわれは全員復職を要求した。その直後に9人の自宅待機命令が出されたが、雇用省はトヨタに「解雇をするな」という指導を行ったが、トヨタはそれを無視して4名を解雇した。
 フィリピンでの国際キャンペーンは9月27日から10月1日にかけて、工場のあるサンタローザ地区とマニラに日本大使館、トヨタのショールームに対して予定している。

 その後「トヨタの闇」の著者である林克明が講演し、トヨタの現場でいかに人権無視の労働者支配が行われているかを告発し、世界的なリコール(欠陥車)の発生が必然であると断罪した。
 ジョニー・Hさんが「希望の歌」の替え歌、スィング調「インターナショナル」など3曲を皆と唱和しながら披露した。
 まとめにいすゞ自動車分会の風呂橋修委員長がフィリピントヨタ労組の問題は日本の自動車労働者の問題でもあり、最後の勝利まで共に闘う」と宣言した。

「国際連帯で搾取をはねのけたい」エド委員長
 最後にエド委員長とウェニー副委員長が「この1週間の連帯行動に感謝し、国際連帯で搾取をはねのけたい」と語った。そして、全員がタガログ語で「ウリン マンガガーワ(労働者階級の)、フッボン マガパラーヤ(力で解放を)!」のシュプレヒコールを行った。

   報告:T.M 写真:市川力政、T・M

<フィリピントヨタ労組代表の主なスケジュール>

●9月19日(日)
・午後2時〜 JR名古屋駅前ミッドランドスクエア(トヨタビル)周辺にて80名で情宣行動 詳報(阪野智夫氏のブログ トヨタ・名古屋オフィス前)
・午後6時半〜連帯交流集会 (豊田産業文化センター 大会議室) 
●9月20日(月・祝日)
・午前7時〜 トヨタ愛知本社周辺ビラ入れ
・午前9時〜 トヨタ愛知本社前集会と申入れ
●9月21日(火)
・午後6時〜「元気の出る集会」出演(かながわ県民センター)
 レーバーネットTV中継
●9月22日(水)
・午後3時半〜 トヨタ東京本社へ申入れ(水道橋)
・夜  連帯集会(SK会館)


トヨタの暴挙、フィリピントヨタ労組へ新たな解雇攻撃!

 8月2日、フィリピントヨタ社はフィリピントヨタ労組ウェニー副委員長を含む4名に対し懲戒解雇、2名に30日間の停職を命じるという暴挙に出ました。
 これは去る6月5日にTMPCWA組合員の配転問題を巡る職場での苦情処理グループの行動に対し、会社は組合の共同謀議疑惑とのでっち上げを行い、関係者9名に予防的出勤停止処分を発令しました。そして、処分の期限である30日間を超えて更に1週間の延長を命じ、処分明けの8月2日より9名が職場復帰(昼勤1名、夜勤8名)したところ、4名に解雇処分、2名に30日間の停職処分という暴挙に出たのです。
 アキノ政権に変わり、ILO勧告に従い労働雇用省も解決交渉に乗り出している最中の解雇処分です。フィリピントヨタ社は何という呆れた会社なのでしょうか。先に皆さんにお願いいたしました、2010年(第5回)反トヨタ世界キャンペーンの「抗議と要請」書にこの新たな解雇と停職処分撤回要請を加えますので差替えをよろしくお願いいたします。⇒ http://www.green.dti.ne.jp/protest_toyota/yosei/2010kougibun1.pdf

皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。
参考に会社の解雇通知書を下記に添付します。

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フィリピントヨタ労組を支援する会
〒237-0063  神奈川県横須賀市追浜東町3-63-901
TEL / FAX: 046-866-4930
ホームページ:http://www.green.dti.ne.jp/protest_toyota/ e-mail:protest-toyota(at)list.jca.apc.org
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フィリピントヨタ労働組合(TMPCWA)の声明

皆さんへ
2010年8月5日

 熱い連帯の挨拶をおくります!
 我々の組合のリーダーと活動的なメンバーに対しのトヨタの新たな不当解雇へのTMPCWAからの以下の声明を見ていただきたい。我々の闘争を支援して下さるためにあなた友人たち、ネットワークそして組織と個人にこのメールを回覧することをお願いしたいと思います。我々はトヨタに対するもう一つの国際的な抗議行動の準備をしています
。  関連した事件に関する詳しい情報については、我々のウェブサイトでの http://www.tmpcwa.org. をご覧ください。私は 今後もあなたに続報をお知らせるつもりです。どうもありがとうございます。
 団結の内に!

フィリピントヨタ労働組合(TMPCWA)委員長 エド クベロ

 

トヨタは、人権侵害者、反労働者のNo.1だ。

 2010年8月2日は、フィリピントヨタが創立され、フィリピン労働者の搾取が開始されてからちょうど22年を迎える前日だった。この日、トヨタはまたしてもトヨタ労働者の生活を根絶することを実行した。解雇に遭ったのは、ウェネチト・ユーゲル(工場内での労組副委員長)、アリエル・ララップ(執行委員)、ロナルド・べレンとダンテ・パンティノ、彼ら全員はフィリピントヨタ労働組合(TMPCWA)の活動的なリーダーとメンバーたちであり、その解雇はまったく合法性を欠く。
 生産ラインのサボタージュを計画・実行したとして、2010年7月5日から30間の「予防的な出勤停止」が9名に言い渡されたが、その中で彼ら4名が解雇されたのだ。トヨタは30日間の出勤停止を更に1週間延長した時点で、9名に対するでっち上げの懲戒理由を開示した。当該は、上述の不当解雇にあった4名にリッキービンドル、レイヤン・マダオン、ロデリック・ビダル、ジルベルト・クルザド、アルベルト・タナエルを加えた9名である。

 2010年6月5日、同僚組合員の強制的な配置転換の件で、TMPCWAの苦情処理委員3名が、作業ラインに接近した。それは、この組合員の直接の上司と交渉するためだった。苦情委員会がこの上司と静かに、穏やかに交渉していたとき、テオダト・エチャノ(上席グループ・チーフ)は、独断で理由なくデニス・カルピオ(もう一人のグループ・チーフ)に生産ラインを停止させるために非常用のボタンを押すように指示した。テオダト・エチャノは、当時その生産ライン全体の責任者であった。
 ラインが理由もなく止まったため、労働者は苦情処理員会がエチャノと交渉していた近辺に集まった。ラインが非常停止した時には、その場所に集合するという状況は20年来続いており、まったく通常のことであった。にも関わらず、その場の近辺にTMPCWA組合員の姿が見かけられたということを理由に、組合員の事前における共謀が存在したことと、意図をもって生産ラインを停止させたという容疑を被せられた。
 その結果、TMPCWAの一般組合員と役員9名が「予防的な出勤停止」の状態に置かれた。トヨタは、解雇は会社ハンドブックあるいは就業規則に基づくと宣言をしている。会社は、このでっち上げの謀略により人員の生命と生産を脅かされたといって予防的な出勤停止を実施したと言っている。さらにトヨタは、4名の解雇が決定するに至るまでに、公平かつ中立的な手続きを踏んだと傲慢にも主張する。
 しかしながら、TMPCWAにとっては、これは全く偽善的な声明である。全てにおいて、トヨタは労働者階級の真の権利のために闘う労働者たちに、公平さと正義をもって応じた事はない。
 第1に、9人の労働者たちに実行された予防的な出勤停止は、事件の1ヵ月以上後に実施された。これは、明らかに不当である。なぜならば、予防的な出勤停止は、危害の増大を防止するために最も必要とされる事態においてのみ適応されるはずだからだ。人身や生産に対する危害が存在するとすれば尚更である。会社の主張に反して、労働者はいかなる脅威も物理的危害も加えていない。
 第2に、適正手続書は出勤停止が発効する当日に労働者に配布された。それは1週間の就労が終わろうとする金曜日のことで、出勤停止に関する説明も合理的な根拠も示されなかった。9名に対しては出勤停止の決定に至る適正手続きの詳細は知らされなかった。最も本質的なことは、予防的な出勤停止の決定に至るまでに適正手続きは踏まれていなかったことだ。訴えられた労働者は、出勤停止の根拠を充分に理解する機会を与えられなかった。その上更に、1カ月遅れて言い渡された予防的な出勤停止が、その1ヵ月の期間を終了すると、もう1週間延長された。その際にトヨタは1週間の延長期間を、通常の出勤日数とみなしてと同一の賃金を支払うと発表したが、これは出勤停止中の労働者の復職を遅らせるためだけの処置である。会社は、この処置が進行中の事情調査が完了していないためであると発言した。
 会社の規則を破ったのが当該の労働者たちであるかのように見せかけるトヨタの姑息な努力をもってしても、このような虚偽な声明で現場労働者の信頼を勝ち取ることはできない。
 トヨタのCRR(就業規則)により、会社の利益を生み出す労働者たちを守るために会社自身がその就業規則を実行しなかった違反については、会社が責任をとることは明らかだ。しかし、以上のような事実は、トヨタが無意味な規約と法規をもっているということだけではなく、抑圧的で反労働者的なことから、この会社が非人間的で、不公正であることを示している。
 TMPCWAの苦情チームが組立てラインで交渉をもつことに対して、正当性と合法性をトヨタはまったく認めなかった。苦情チームはあくまで同僚を助けようとしたのであり、ましてや自分らの生活基盤がかかっている会社組織全体を脅かすことなど意図していないこともトヨタは決して認めようとしていない。
 一方的な立場をとっていないというのならば、トヨタはの他のリーダーまたは代表が調査の期間中に、9人の労働者たちのそばに立ち会うことを許さなければならなかった。これは、両方の再度から十分にヒアリングされ、熟慮されることが出来る唯一の方法であった。
 双方が意見を述べ、それを考慮するには他に方法はない。このような方法を採れば、9名の労働者は十分に申し立てをおこない、自身を弁護する機会を持ちえたであろう。これはまた、調査と聴取が公平で客観的な適正手続きとなる唯一の方法であった。残念なことに、だが決して驚くに値しないが、今回の全過程を通じて経営者が単独で事実の調査を行っている。最終的な判断が下されたその場は、彼らだけで構成していた。
 トヨタは、TMPCWAの指導者や組合員の予防的な出勤停止処分の際には、すぐに対応し、断罪を行った。しかし、これとは対照的に、4名の職制が会社での立場を濫用し、会社や同僚に対する背反行為を行った件は、放置したままである。彼らは、残業時間内に、工場から外出して、高級レストランで食事を楽しんでいた。  彼らが、会社のCRR(就業規則)に明らかに違反した行為が発覚したものの、彼らが解雇されなかった理由は明らかである。クリサント・エレモス、フランシス・ガルシア、マリオ・カンロボとセサリオ・アベリン、四人とも管理職組合のリーダーたちである彼らは、トヨタ経営側のいわば持ち駒であり、常にその影響下にあるからだ。
 実際のところ、TMPCWAのリーダーとメンバーに対して下された一方的で偏見をもった評決とは対照的に、職制の違反行為には重い処置などあり得ないのだ。TMPCWAのリーダーとメンバーへたちの予防的な出勤停止と解雇は、会社に忠実な職制たち、テオダト・エチャノ、デニス・カルピオ、ロドルフォ・サンティレス、オールドー・パンチョ、ジョセフ・ソブレベガ、オールデン・サピツ、アーウィン・ビドヤとラクエル・ロペス等が協力して行ったトヨタの不公正な陰謀のうちの一つである。その陰謀とは、トヨタ労働者の真の利益の実現を志す新たな世代の指導者を抹殺することだった。
 4人のTMPCWA役員及び組合員の不当解雇は、10年前当時の役員全員を含む233名に対する不当解雇に類似している。労働者たちへのトヨタの評決は、18分間の規則違反の結果、その日予定されていた生産目標台数のうち2台が未完成だったという非難にある。しかしながら、不当解雇を言い渡された4名の家族の辛苦は、その生涯におよぶ。
 トヨタは、あらゆる戦術と手段を尽くしてTMPCWAの役員や組合員に対する攻撃をしかけてくる。その目的は、労働者が本来の組合運動を行う権利を潰すことである。直接関わりのない家族にまで被害を波及させることで、その妨げを取り除こうというのである。これらの事実にもかかわらず、TMPCWAのリーダーとメンバーの不法な解雇に関する労働者たちのトヨタへの非難は、十分でない。とりわけ、トヨタ労働者は、全力を尽くしてトヨタの反労働者的な行為や方策、恒常的な労働者弾圧というあり方に対して声を挙げるべきだ。

 4人のTMPCWAの役員及び組合員の不当解雇によって、真の組合運動を求める労働者階級の闘いが終結したのではない。2001年における233名の不当解雇と同じく、トヨタ労働者の生活に対する虐殺行為は、組合と全労働者階級にかけての賃金、仕事、正義及び真の労働組合を求める闘いを前進させる。トヨタ労働者の権利と生活が踏みにじられれば、その分だけ労働者階級の闘争が進み、それが最終的には独占資本家の搾取と支配を終わらせるだろう。

 トヨタに不当に解雇された労働者たちのために正義を!
 ウェネチト・ユーゲル、アリエル・ララップ、ダンテ・パンティノとロナルド・べレンのために正義を!
 TMPCWAのリーダーとメンバーの不当な解雇とのために正義を!
 トヨタの抑圧的な政策のすべての犠牲者のために正義を!

フィリピントヨタ労組 (TMPCWA) ホームページ http://www.tmpcwa.org/index_html


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