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骨抜き改正労働者派遣法の立法化を阻止するための1日行動

4月9日、「偽装請負を内部告発する非正規ネット」は、『骨抜き改正労働者派遣法』の立法化を阻止するための1日行動を実施しました。自民党を除く各政党が陳情を受け付けました。その時の報告です。(吉岡力)

・国民新党

自見庄三郎参議院議員事務所が受け付けるが、用事が入っており、文書を提出しただけ。(秘書対応)

・みんなの党

川田龍平参議院議員事務所が受け付け(秘書対応) 松下プラズマの事件のことはよく知っている。貧困問題については何とかしないといけないと思っている等の発言あり。

・公明党

厚生労働担当の渡辺孝男参議院議員が陳情受け付け。公明党に関しては陳情を受け付ける前から終始丁寧な対応。一通り話を聞いてくれました。

・社民党

服部良一衆議院議員が陳情受け付け。社民党に関しては陳情行動の前日の日にようやく陳情を受け付けるという対応の悪さ。大事な問題なのだから、もっとしっかりして欲しい。陳情では今回の改正労働者派遣法の法案要綱は完全に公約違反ではないかと厳しく追及。情けないことに服部議員も福島党首と同じく「事前面接解禁削除」を何とかしましたという言い訳に終 始し、あろうことか「妥協の産物」という問題発言もあり。そんないい加減なやり方で立法化を強引に進めるなと言いたい。社民党だけは絶対に許せない思いになりました。(写真下)

・共産党

仁比聡平参議院議員と高橋千鶴子衆議院議員が陳情を受け付け。 さすがに労働者派遣の問題に一番取り組んでいる政党だけにあって、共産党も皆さんと共に闘う決意と一番誠実な対応。ただし、吉岡からは日弁連や共産党も意見書として触れていない改正案を現政権に突きつけるべきと強く要請。(詳しくは吉岡の陳情事項を参照してください) *写真下

・民主党

松浦大悟参議院議員の尽力で何とか陳情行動が実現しました。今野東副幹事長から「個人的な意見だが、労働者派遣法は廃止すべきだと思っている」という発言を導き出せたのは、大きな成果だと思っています。ただ、今回は規制強化の流れ(名ばかり規制強化で実際は改悪)になって一歩前進という事で勘弁してくれないでしょう かと言いましたので、そうはなりませんよと強く言っておきました。 (写真下)

<参加者>

吉岡(松下PDP偽装請負事件、職安法44条違反とみなし雇用制度の本来のあり方について)、阿久津(キヤノン偽装請負事件、みなし雇用制度について)、釜倉(日産自動車派遣切り事件)、五戸(いすゞ自動車偽装請負事件、派遣切りによる生活の崩壊と自殺者が出ていることについて)、稲森(ヤンマー違法派遣事件、ヤンマーによる組合 潰しと雇用保険未加入の違法業者について)、廣瀬(日赤病院職種偽装事件、専門26業務問題の見送り問題とセクハラ・パワハラ被害などについて)、内藤(アルバイト派遣パート関西神戸事務所、神戸刑務所偽装請負事件と川崎造船偽装請負事件、団交応諾義務の義務付けの必要性と告示37号の疑義応答集問題について)、伊藤みど り(働く女性の全国センター、労政審のメンバーに対する批判と日弁連の意見書、派遣業界による強引な署名活動に対する批判などについて)、三浦(労災病院過労死事件、労災病院の派遣切り問題について)、働く女性の全国センターから2名

以下、吉岡の陳情事項です。

陳 情 書

 去る3月19日に政府が閣議決定した労働者派遣法の改正案が今国会で成立する見通しとなっておりますが、その中身は果たして「改正」と言えるものでしょうか。事実上、労働者にとっては「改悪」である事前面接の解禁を削除したということで国民の目をごまかしていないでしょうか。抜け道だらけの実効性のない 「名ばかり改正案」を立法化しようとしておりますが、連立与党3党が選挙前に公約で掲げていた内容とは程遠い公約違反の内容であるという点からも、労働者派遣法という悪法により苦しめられている当事者として強く抗議します。

 私たちが陳情のお願いをしているこの間にも、製造現場で事務系職場で、今も至るところで、いわゆる「派遣切り」や期間工・請負労働者に対する解雇・中途解雇が相次いでいます。歴史的と言われる景気悪化などに便乗した有期雇用・非正規労働者への問答無用の<生首切り>が、未だまかり通っている現状に対して 、今回の「改正案」は本当に応えていると言える内容のものか、労働者派遣法で被害に遭っている当事者の声を実際に聞いていただきたいと思っております。

それでは具体的に今回の改正案がいかに実効性のない「骨抜き改正」であるかということをごく一部ですが紹介させていただきます。

★目玉だった「登録型派遣・製造業派遣の禁止」に大きな抜け穴

仕事のある時だけ派遣会社と雇用契約を結ぶ「登録型派遣」、大量の人員を雇い入れる「製造業派遣」は原則禁止となっています。 しかし、いま「業務偽装」の温床として問題となっている「専門26業務」は、これまで通り登録型派遣でよいと例外とされ、製造業派遣も契約期間は3ヶ月更新などの短期契約であっても、1年を超える雇用見込みがあれば、派遣は認められるという例外が案には入れられているのは大問題です。

しかし、1年を越える見込みがあったが、景気が悪くなり、「見込みが変わった」とすれば、解雇が認められるという内容となってしまっています。これでは抜け道法案と言われても仕方がないと思います。「専門26業務」が時代に合わなくなっているのではないかという問題についても、全く見直されておらず、「業 務偽装」の問題が大きな社会問題となっている状況の中で、本当に違法状態で劣悪な労働条件で働かされている労働者を保護する観点で議論を尽くしたのか疑わざるを得ません。

★もう一つの目玉、「みなし雇用」にも抜け穴が(全く使えない改正案)

偽装請負や業務偽装、それらにともなう期間制限違反など、違法派遣があった場合に、派遣先の企業が派遣労働者に直接雇用を申し込んだとみなす、いわゆる「みなし雇用」制度がはじめて案に盛り込まれています。しかし、逆に現行法の「直接雇用の申し込み義務」が削除されたこともあり、事実上の改悪と言える酷い 内容と言わざるを得ません。

その一つは、派遣先でのみなし雇用の内容は、「派遣元と同一」とされていることです。

これでは、3ヶ月契約の派遣労働者の方が、「これは違法派遣だ」と訴え、認められたとしても、派遣先で契約社員などの直接雇用で3ヶ月間だけ雇えば、あとは雇い止めにされても文句を言えないという内容になっています。これでは、「解雇が嫌なら違法でも我慢して働いた方が長く働ける」となり、違法派遣は野放 しになりかねません。これで今回の改正が労働者保護の観点で改正したと言えるのでしょうか。

みなし雇用で違法行為をしている派遣先の雇用責任を問うならば、「期間の定めのない雇用」とすべきであり、違法行為をしている派遣先企業に対する罰則規定も盛り込むべきです。

二つ目は、「みなし雇用」が成立する要件として、違法派遣であることを派遣先が知っていたり、仮に知らなかったとしても、知らなかったことについて過失がなければ、「みなし雇用」は成立しないとしていることは大きな問題です。

言い換えれば、「知らなかった」と派遣先が言ってしまえばそれでおしまいとなりかねません。

そもそも、派遣労働者が自分が違法に働かされていることを派遣先が知っているかどうかをどう証明したらよいのでしょうか。このような非常識な法案を作成した方は説明していただきたい。行政が調査をしたとしても、派遣先が「知らなかった」と言えば責任を逃れるようなこんな内容は削除すべきです。

以上、今回の改正案の問題点についてごく一部ですが紹介させていただきましたが、問題点はまだまだ枚挙にいとまがない程あります。

 そこで現行の労働者派遣法に苦しめられている当事者の声を聞いていただきたく、全国で「偽装請負」「違法派遣」を正すために告発の声を上げた者として、また違法状態で就労させられている労働者らを代表し、本日陳情させていただきたいと思っております。私たちの陳情に応えてくださるよう、よろしくお願いいたします。

                  記

現行法の労働者派遣法は、昨年12月18日の松下PDP偽装請負事件最高裁判決で証明されたが、労働者保護を謳った法律である職業安定法44条と労働基準法6条を骨抜きにし、形骸化するために設けられた法律であり、なおかつ違法行為をした就業先企業の違法行為を免罪する悪法であり、派遣労働者保護法には成り得ません。そもそも、労働者派遣事業は職業安定法44条で禁止されている労働者供給事業の例外として認められた事業であり、労働者派遣法すら守れないケースの場合は、それは労働者派遣事業には成り得ず、職業安定法44条で禁止されている労働者供給事業であると判断すべきです。偽装請負や労働者派遣法すら守れないケースの場合、全て職業安定法44条違反として供給先及び供給元双方を厳格に処分すると法律に明記すること。

「みなし雇用制度」は違法行為を根絶するという観点からも偽装請負や労働者派遣法すら守れないケースの場合は、厳格に「就労し始めた当初から供給先企業に就労していたとみなす」とすべきである。

法案要綱に「派遣労働者の賃金等の待遇の確保を図るため、派遣元は、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者との均衡を考慮するものとする旨の規定を設けることが適当である」と答申された内容がそのまま盛り込まれているが、本来「均等待遇」を義務付けるべきであり、派遣労働者だからといって差別的扱いをしても良いなどということを法案要綱に盛り込んでいるのは、国際的にみても非常識である。(EUでも韓国でも「均等待遇」を義務付けている)国際的常識という観点からも派遣労働者にも「均等待遇」を義務付けること。


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