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LNJ Logo 【事故調問題追及第2弾】次々明らかになる旧事故調とJRの癒着
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黒鉄好@安全問題研究会です。

旧事故調によるJR西日本への調査報告書漏洩問題追及第2弾です。

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日本中を揺るがすスキャンダルとなった旧事故調による尼崎事故調査報告書の漏洩問題だが、JR西日本と事故調との驚くべき癒着が次々明るみに出始めた。

公務員に対する贈収賄事件では、通常、賄賂を渡そうとする業者側よりも受け取る公務員側がより罪が重いとされる。誘惑を断ち切るのも職務のうちというわけだ。

その論理で行くと、今回の漏洩問題も、事故調側により重い責任があるということになる。だが、メディア報道を見ているとJR西日本側にバッシングが集中しているように見える。その現象だけを見れば気の毒ではあるが、やはり当ブログとしてはJR西日本に同情する気にはなれない。こうしたバッシング集中の背景には、107人の死という重い現実があるのだから。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090929-00000005-maip-soci より

事故調漏えい JR西前社長、中間報告書素案も入手(毎日新聞)

 JR福知山線脱線事故の最終調査報告書案が事前に漏えいしていた問題で、JR西日本の山崎正夫社長(当時)が航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の山口浩一委員(当時)から、事実調査報告書案も入手していたことが、JR西への取材で分かった。06年12月の公表直前に提供を受けたとみられ、最終報告書案入手の約半年前にあたる。事実調査報告書は一連の調査の中間報告で、乗客106人が死亡した事故の全容や企業責任に言及していた。

 JR西によると、山崎前社長は事実調査報告書案を入手後、事故調との窓口となる同社の事故対策審議室に渡し、社内で共有していたという。同社は直後の07年2月、事故調が開いた意見聴取会に臨むが、その事前準備に活用したとみられる。報告書案の修正要求はしなかったという。

 事実調査報告書は、運転ミスの無線連絡に気を取られた運転士のブレーキ操作が遅れ、脱線した可能性を示唆。余裕のないダイヤ設定や安全投資の遅れなど、JR西の安全軽視の姿勢にも触れていた。事故調はこの事実調査報告書を基にさらに調査を進め、07年6月に最終調査報告書を公表した。

 山崎前社長によると、一連の問題を巡っては06年夏〜秋ごろ、山崎前社長側から旧知の山口元委員に面会を打診。以降、東京の飲食店などで、3、4回、昼食や夕食を共にした。二つの報告書案はこの際に入手したとみられる。【鳴海崇】
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JR西日本は、2007年2月の事故調説明会の前にも中間報告書の案を極秘入手していた。それを意見聴取会対策に利用していたというのだから恐れ入る。愛する人を殺された遺族たちは、事前に報告書の内容も知らされないまま「丸腰」の闘いを強いられたというのに、事故調はJR西日本にだけこっそり武器を持たせていたのだ。なんという卑劣さだろうか。これではまるで「事故調=JR西日本連合軍」による遺族への空爆ではないか。

もっとも、事前に報告書の素案の内容を知っていたにしては、この意見聴取会でのJR西日本の言明はお粗末だった。なにせ、鉄道輸送の安全確保のため「日勤教育は必要」という弁明を繰り返し、事故調担当官が不快感を表明するほどの自己弁護一本やりの内容だったからだ。言っては悪いが、所詮この程度の経営陣だったということだろう。

いずれにしても、これで公正中立をもって旨とすべき事故調(現・運輸安全委員会)の権威は完全に失墜した。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090929-00000044-yom-soci より

ATS資料、県警にも提出せず…JR西「意図的でない」(読売新聞)

 JR福知山線脱線事故で、JR西日本が航空・鉄道事故調査委員会に自動列車停止装置(ATS)に関する社内会議資料の一部を提出しなかった問題で、同社は兵庫県警にも同じ部分を提出していなかったことがわかった。

 JR西は、「県警からは、事故調に出したのと同じ資料の任意提出を求められた。意図的に隠したのではない」と説明している。

 JR西によると、提出していなかったのは、1996年に起きたJR函館線の脱線事故の後に開かれた同社鉄道本部内の会議用資料9枚のうち最後の2枚。この中には、ATSを設置していれば防げた事例として、函館線の事故が記載されていたとされる。

 山崎正夫・前社長(66)は当時、鉄道本部長だった。

 JR福知山線脱線事故の捜査では、現場の状況が似ていた函館線の事故を受け、JR西幹部らがカーブの危険性やATS設置の必要性を認識していたかが焦点の一つだった。
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当ブログの前のエントリを見てみればいい。「速照ATS不備が事故の原因」とする記述を変えさせようとしたJR西日本が、自動列車停止装置(ATS)に関する社内会議資料だけを「意図的にではなく」(=つまり「偶然」)提出し忘れたなんて、そんな説明、誰が信じるか。言い訳としてもあまりに下手すぎる。こんな見え透いた三文芝居、アマチュア芸人でもやらないだろう。

これで、「速度照査型ATSの不備」こそ尼崎事故の真の原因であることをJR西日本幹部らがまったく正確に認識していた可能性が、さらに強まった。現在、山崎正夫・JR西日本社長は業務上過失致死傷罪で起訴され刑事被告人の身だが、この隠蔽工作が山崎前社長にとって不利に働くことは決定的である。なぜならば、尼崎〜塚口間のカーブが半径300メートルに付け替えられた際の鉄道本部長だった山崎前社長が、責任者として速照ATSの設置を社内決定しなかった不作為が業務上過失致死傷罪に問われているからである。

公正中立であるべき事故調を歪め、公表前の報告書案を不正入手したことも重大だが、隠蔽工作となればさらに悪質である。ただ、山崎前社長がみずからの個人的利益だけを目的としていたとは思えない。やはりこれは会社組織を守るために違いない。

いつまでもいつまでも、小手先の保身しか考えられないJR西日本幹部に忠告しておく。諸君が守らなければならないのは自分の社内の地位でもなければ、血にまみれた利益でもない。真に守るべきものは乗客の安全と信頼である。それが果たされない限り、JR西日本に対する社会からの厳しい批判が止むことはない。

さて、本日はここまで。次回は、望ましい事故調組織のあり方、とりわけ運輸安全委員会委員の人選のあり方について述べることにする。

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黒鉄 好 aichi200410@yahoo.co.jp

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