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LNJ Logo たんぽぽ舎:灰色の国の事務局長、どうする日本の核武装準備
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たんぽぽ舎です。【TMM:No815】
                                            転送歓迎です
たんぽぽ舎も協力している「核開発に反対する会」のご案内です。

 核開発に反対する会の事務局です。IAEAの事務局長に天野之弥(ゆきや)
氏が選ばれました。オバマ米大統領のプラハでの「核兵器のない世界を目指す」
発言もあり、天野氏に注目が集まっています。当会代表の槌田敦が「核開発に反
対する会」ニュース最新号(No.25)で、天野氏を鋭く追及しています。タイム
リーな論文です。当メールでご覧になって下さい。
 日本核武装阻止をめざして、25号を迎えた「核開発に反対する会」ニュース
は、こういった時機に即した論文・記事等を掲載しています。今回の記事を読み、
ニュースを継続して読んで見たいという方は、当メール末尾に、ニュース購読案
内をのせましたので、それも併せて是非ご覧になって下さい。
                                
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    ■   灰 色 の 国 の 事 務 局 長     ■
    ■                         ■
    ■ ど う す る 日 本 の 核 武 装 準 備 ■
    ■                         ■
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                   槌田 敦(核開発に反対する会代表)

 「核の番人」というIAEA(国際原子力機関)事務局長に、天野之弥日本政府
代表が当選した。35カ国の理事国の2/3の賛成は得られなかったが、日本政府の
要請で1カ国が棄権してようやく当選したという。これには援助を取引材料にし
たといういわく付きである。
 天野氏は、「唯一の被爆国・日本から来た人間として核兵器の拡散を防ぐため
に全力を注ぎたい」と語っているという。しかし、その唯一の被爆国は、核兵器
の材料である軍用プルトニウム(以下プルトという)をすでに36キログラムも所有
し、今後も生産を続ける方針である。

    約30発分の核爆弾製造可能な超兵器級プルトを保持する日本

 この軍用プルトは、茨城県大洗にある高速炉常陽が生産したものが19キログラ
ム、また、高速炉もんじゅが生産したものが17キログラムである。その製品の質
を決める濃縮度は常陽で99.2%、もんじゅで99.8%である。核兵器は94%の濃縮
度があれば作れるから、これは超兵器級プルトであって、これで約30発の核爆弾
が製造可能である。
 この所有の事実は、文科省が社民党福島瑞穂参議院議員の質問に文書で答えた
ものであるから、日本政府は秘密にしている訳ではないが、この事実が国民に公
表されたことはない。日本のマスコミは自主規制して、これを隠している。そし
て、反核グループもこの事実を語ることを避けている。日本ではこの問題は何故
か触れることのできないタブーであって、多くの日本人は金縛り状態になってい
る。不思議の国、日本である。
 このような核兵器材料を持つことは、アメリカの黙認を得てなされている。そ
れだけでなく、この軍用プルトを使用済みブランケット燃料から抽出することに
ついては、アメリカの援助も受けている。
 たとえば、この軍用プルトを再処理するための遠心抽出器がアメリカのエネル
ギー省から日本の動燃に提供された。軍用プルトは臨界事故を起こし易いので、
普通の再処理では危険なのである。
 この事実はグリーンピースが調査したものであるが、動燃の幹部職員も認めて
おり、しかも「技術を提供されたのではなく、動燃も協力して開発した」と語っ
た。この幹部職員は、このことの意味をよく理解していないようだが、軍用技術
をアメリカから提供されるよりもアメリカに軍用技術を提供することの方がもっ
と問題が大きいのである。
 現在、文科省は、動燃がアメリカから軍用技術の提供を受けたことをやっきに
なって否定している。しかし、すでに明らかになっている事実を否定することは、
核兵器開発についての日本のうさん臭さを内外に示すことになる。
 文科省のうさん臭さは、この軍用プルトを通常プルトと混ぜて濃縮度を下げ、
軍用にはできないプルトにする方針と言っている。これは以前から政府の方針と
して語られてきたことで、未だに実行に移していない。何とか逃げ切る方針と見
える。

    日本と同様に核兵器の生産が自由になったインド

 イギリスのサンデイタイムズ紙(1994.1.30)は「日本は濃縮プルトニウムを組
み込むだけで完成する原爆を所有している可能性がある」という報告書がイギリ
ス内閣に提出されたと報じたことがある。この時日本政府はこの報道に慌て、関
係者を集めて緊急秘密会議を開催した。
 また、最近では、東京で開催された日中外相会談(09年6月)で、楊外相は中曽
根外相に日本の核武装の懸念を述べたという。これまで閣僚レベルの要人がこの
ような懸念を述べたことはなかったというから、事態は急展開していることを示
している。
 では何故アメリカは、日本に核兵器の技術を提供するのか。それはアメリカ政
府の「核不拡散」という発言とは裏腹にアメリカは日本に核武装させたいのであ
る。その理由はアジアで核戦争が起こったとき、アメリカの代わりに日本に核兵
器を使用させたいのである。そうすれば、アメリカは核攻撃されないでも済むか
らである。
 アメリカ政府の承認のもとに、IAEAエルバラダイ現事務局長は、日本の原
子力にIAEA査察を大幅削減する優遇措置を講じた。その中に、運転が再開で
きれば軍用プルトを毎年62キログラムも生産できる高速炉もんじゅも含まれてい
る。もんじゅが完成すれば、10年で中国の核のレベルに到達できることになる。
 インドは、アメリカが日本をこのように特別扱いしていることを利用して、日
本並の優遇措置を要求し、アメリカとの間でこれを勝ち取った。つまり、インド
は通常原発については査察を受け入れるが、軍用原子炉についてはIAEAの査
察を受けないことになったのである。
 アメリカの意図は、核を持つ中国をやはり核を持つ日本とインドではさむこと
である。そのため、インドは日本と同様に核兵器の生産を自由にできることにな
ったと考えられる。

    天野氏は日本の核兵器を生産不能にする作業から開始せよ

 日本は、核兵器を所有するためのお手本になる灰色の国である。少なくとも日
本と同じ程度の核開発を準備する権利を多くの国々は主張するであろう。こうい
う状況では、灰色の国出身の「核の番人」に何ができるというのか。
 もしも、天野氏が、就任挨拶で述べた「核拡散防止を目指す」というのであれ
ば、まず日本に対して、軍用プルトを生産する高速炉常陽ともんじゅを廃止し、
またこれまでに作った軍用プルトに通常プルトを混ぜて、核兵器を生産できなく
する作業から始めなければならない。
 果たしてそのようにするのだろうか。もしも、しないというのであれば、「核
の番人」というのは「偽物」ということになる。

●関連新聞記事
IAEA:天野氏「核拡散防止に全力」
【ウィーン中尾卓司】国際原子力機関(IAEA)の次期事務局長選で当選を決
めた天野之弥(ゆきや)ウィーン国際機関代表部大使(62)は2日、ウィーン
のIAEA本部で「唯一の被爆国・日本から来た人間として核兵器の拡散を防ぐ
ために全力を注ぎたい」と表情を引き締めた。一方で「本当にうれしい。多くの
方に感謝の気持ちを伝えたい」と、大方の予想を裏切った"薄氷の勝利"に喜びを
あらわにした。
 天野氏は核廃絶を目指すオバマ米政権の方針を支持しており「核の番人」とし
て「核なき世界」をいかに実現するのか、期待が高まっている。
 外務省で長く核不拡散分野を担当した天野氏は選挙で「広島、長崎を経験した
日本から来た」と、唯一の被爆国・日本の立場を強調。オバマ米大統領が4月、
プラハで「核兵器のない世界を目指す」と表明した後、天野氏は「日本政府が地
道に核廃絶を訴えてきたことは間違いなかった」と語った。(後略)
[毎日新聞 2009年7月3日 1時30分]

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