本文の先頭へ
LNJ Logo カエル君はいらない〜地元の悲鳴をJR東本社にぶつける
Home 検索
 


 JRウオッチ(JRに安全と人権を!市民会議・代表 佐高信)は3月に行った吾妻線の「無人券売機・カエル君」の実態調査に基づいて、株主総会を間近に控えた6月20日午前11時、JR東日本本社への「申し入れ行動」を行いました。以下はその報告です。

 要請を行ったのは事務局の松原明さんを先頭に、吾妻線の調査ツアーに参加した川島さん、佐久間さん、そして千葉から参加した山ノ井さんなど計6人。午前10時半に本社前に集合して、簡単に打ち合わせをして、いざJR本社に突入。とは言っても事前に約束してあったので、受付に行くとすでに3〜4人が待っていて「お待ちしてました」とくると、こちらも「案外良い人たちかも」と思わされました。が、実はやっぱりそんなに甘い人たちではないことが後でわかります。

 会議室に案内されるとすでに椅子が人数分用意され、まずは名刺交換から。JRの方は5人で、本社の鉄道事業本部営業部の企画グループリーダー(課長職)の小川治彦さん、要員グループリーダー(課長職)の野澤浩一さん、お客様サービス部サービス戦略グループ(課長職)の坂本未来子さんらで、いずれも40歳前後とお見受けしました。(写真=向こう側がJR会社側)

 一時間の短い時間でしたが、こちらからは、吾妻線の「カエル君導入」で悲鳴を上げている地元住民の声を伝えました。この日参加できなかった万座鹿沢口駅前の喫茶店主である高橋さんの要望書(手紙)を、直接手渡し、この声に具体的に応えてほしいと要望しました。要望の具体的な内容は、弱者いじめで不便な「カエル君」をやめて窓口を復活すること。5月連休あけから廃止されてしまった「案内係」をもどすことなどです。以下は、主なやりとりです。

――――――――――――――――――――――

●JRウォッチ : 実際にカエル君を使ってみた。手続きが煩雑で使いづらい。お年寄り、目の悪い人、外国人などは対応できないことを体験した。一人がとまどっているとズラッと列ができてしまう。本来ならばJRが実態調査をすべきなのに、それを我々がやったということだ。真剣に聞いてほしい。我々の調査によれば、ほとんどの人が不便で困っているという回答だった。 カエル君の導入にあたって地元の意見を聞いたり、了解をとってからやったのか?

●JR東日本 : カエル君の導入にあたっては地元の自治体や学校の関係者に説明して意見は聞いている。 一定の理解は得られていると思っている。一般の人に聞いてはいない。

●JRウォッチ : いまの説明では、地元のえらい人に話をしただけで、一般の利用者の声は聞いていないではないか。実際に我々のようにアンケート調査をしたらどうか。そして、サービス低下で困っている弱者の声を聞くべきではないか。

●JR東日本 : それは特に考えてはいないが、利用者の声は、カエル君のオペレーターや駅の社員を通じて把握している。けっこう快適に使っているとの声もある。不便という声が多いとは思っていない。

●JRウォッチ : 我々が実際に現地で調べたら不便だとの声が圧倒的だ。ぜひ現場に足を運んでほしい。また、カエル君設置の後には駅が無人化になるのではないかとの不安が地元にはある。

●JR東日本 : 駅の係員をどう配置するか、あるいは無人化するのかは今後も実態に合わせて、限られた人員の運用をどうするかを考慮してやって行きたい。従ってカエル君設置がそのまま無人化につながるものではない。

●JRウォッチ: ここに万座鹿沢口駅前で喫茶店を営む高橋さんの要望書があるが、カエル君の案内係がいなくなって、駅がパニックになるという切実な問題を抱えている。なんとかしてほしい。

●JR東日本 : 駅に駅員がいるから、その人は、駅員に直接言ってくれればいいのではないですか。

●JRウォッチ :高橋さんは、さんざん、駅長や駅員に言っている。それではまったく対応できていないから、こうした形で本社に要望しているのではないか。

●JRウォッチ : 今の時点での「カエル君」の設置駅の数は?

●JR東日本 : 56駅。当初は「案内係」を置いたが現在はほとんど置いていない。 案内係がいるのは現在2駅だけで、導入してまだ日が浅いところだけ。時とともにお客様も慣れてくるので問題ないと思う。

●JRウォッチ : トラブルがあったときはどうするのか。

●JR東日本 :「わからないときは 駅員に尋ねてほしい」旨の掲示がしてあり、駅員が対応することになっている。

●JRウォッチ : ということは「カエル君」で困ったら、駅員にどんどん聞いていいということか。

●JR東日本 : そうです。

●JRウォッチ : ほんと? じゃずっと駅員に「カエル君」のそばにいてほしい。それから「わからないときは駅員に尋ねてほしい」という掲示をものすごく目立つようにしてほしい。

●JRウォッチ : カエル君設置の基準は?

●JR東日本 : 特にないが、利用者の少ないところなどが対象になる。

●JRウォッチ : 利用者が少ないところが不便になるとよけいに利用が減るのではないか。悪循環になる。

●JRウォッチ : 今後の「カエル君」導入計画はあるのか。

●JR東日本 : いまのところない。

●JRウォッチ : さまざま苦情や問い合わせをしようとしても駅の電話番号が公開されていないが、なぜか。公開してほしい。

●JR東日本 : 2005年から、電話公開はやめた。駅に電話が集中すると少ない人員でやり繰りしているため、駅員が対応できないからだ。中央にテレホンセンター(3つのダイアル番号がある)を設置したので、そこですべて管理している。そこから、インターネットなどで各駅の状況を把握して対応できる。また、その他の問い合わせは、お客様相談室で受けている。インターネットでも受けられる。相談室だけで対応できない場合は、ほかの部署とも相談して対処する。

●JRウォッチ : エレベーター、エスカレーターについてはどうか。地方でもやってほしい。

●JR東日本 : できるだけ設置をする方向で考えている。問題は優先度や駅の構造などを総合して計画をたてて行きたい。将来的には全駅にと考えている。地方についても、地方の活性化も考慮してできだけやって行きたい。地方を軽視をしてはいない。

●JRウォッチ : 千葉では、カエル君導入は、目立たない程度の告知で、しかも導入の直前にしただけで実施された。内房線では、事後に知らせたところも多い。こういう利用者無視のやり方はおかしい。

●JR東日本 : 個別のことの中には至らないこともあったかもしれない。地元の理 解を得る努力はしているが、何かあれば教えてほしい。千葉の件でも、JR東日本は 地方の活性化に力を入れてさまざまなイベントもやっている。

●JRウォッチ : 千葉ではいくつかの自治体で「カエル君」反対の意見書を採択しているが聞いていないか? そうした声を尊重すべきだと思わないか。

●JR東日本 : それはよく知らない。決議があれば、参考にはするが、必ずしもその通りにするとはいえない。

●JRウォッチ : 利用者の声を尊重する、地方の活性化に力を入れるというなら、なぜ地方自治体の議会決議を無視するのか。これだけはっきり地方の意思が示されたら、それに応えるべきだろう。

●JR東日本 : 地方議会の決議があったからと言って、私企業である以上その通りにしなければならないと言うものではないと思っている。

●JRウォッチ : JRは公共交通機関であるという意識はあるか。

●JR東日本 : (返答無し)

●JRウォッチ : JR東日本は今年最高利益を出している。公共交通として利用者に還元すべき。サービスの低下などとんでもない。とにかく一つひとつの問題を具体的に解決したい。万座鹿沢口では夏の観光シーズンに観光客が殺到したときに、カエル君でパニックになることを恐れている。まず、この問題で当事者との話し合いの場をつくってほしい。

●JR東日本 : きょうのお話に関しては、現地駅長や支社にも事情を聞いて相談し対処したい。関連資料などは後日郵送する。

――――――――――――――――――――――

 やりとりはおおよそ以上です。はっきり確認できたことは、(1)今後は「カエル君」は導入しない(2)JR東日本の組織内部の連携がかみあっていない(3)地方自治体のコンセンサスを得ないで物事を進めようとしている、ことでした。はじめての申し入れでしたが、大きな成果でした。

 株主総会が近いせいか、うわべはソフトな対応ですが、肝心なところでは傲慢な態度がチラチラ。それにしても駅の電話番号を公表しなくなったのは、駅に電話をしてもみんな忙しくて電話にでないので「山のような苦情が来るから」とはなんと率直なお答えでしょう。行き過ぎた人減らしの結果だと白状するとは、あなた偉くなれませんよ。(記録担当 清野)


Created by staff01. Last modified on 2007-06-22 19:30:21 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について