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支援する会会員の酒井徹さんのブログ情報です。長文ですが重要な情報
ですので、ご紹介いたします。                 Oidon

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トヨタ系協同組合、「研修生」らの実習先確保を約束
http://imadegawa.exblog.jp/5508709/

―ベトナム当局の対応に疑問の声も―

■柳沢厚労相、「できるだけ当初の実習を」
 トヨタ下請企業のベトナム人「研修生」「実習生」の支援に乗り出した愛労連は、30日、豊田技術交流事業協同組合の青山学弁護士(元名古屋弁護士会会長)と交渉、この中で青山弁護士は実習先確保を約束、研修生たちが出国する際に払った保証金についても全額返還を言明した。

 この交渉には事業協同組合の高橋事務局長も同席し、「現在あらたな受け入れ先をほぼ確保している」と表明したという。

 また31日の参院厚生労働委員会でもこの問題が取り上げられ、柳沢厚生労働大臣は、「受け入れ団体の責任で実習が継続できるようあらたな受け入れ先をさがしていると承知している」、「不正行為を認定を受けたとき、できるだけ当初の実習ができることが望ましい」と答弁した。

 事業協同組合側が「研修生」「実習生」らを最低賃金以下で働かせたことに端を発する「研修」・「実習」打ち切り問題は、世論の大きな後押しを受け、解決に向けて前進をはじめた。
http://rodo110.cocolog-nifty.com/viet_nam/2007/05/post_2441.html

■愛労連は「悪の組織」、全統一は「マフィア」!?
 今回の件でもっとも不可解な出来事は、「研修」・「実習」先の確保を求めて愛労連に結集したベトナム人「研修生」「実習生」らに対するベトナム大使館の対応だ。

 ベトナム人「研修生」「実習生」の強制帰国問題が浮上するに及び、ついに日本第二の労働組合中央組織・全労連の地方組織、愛労連が本腰を入れて本問題に取り組みだした。
 愛労連は瞬く間に40人もの「研修生」「実習生」から委任状を取り付け、最終的には64名の「研修生」「実習生」を組織した。(豊田技術交流事業協同組合には約100人の「研修生」「実習生」がいると言われていたが、64名はその過半数に相当する。「やっぱりナショナルセンターが本腰を入れると違うなぁ」と、非常に感心したものだ)。

 ところがこうした動きをつぶしにかかったのが、何と日本に在住するベトナム人の権利を擁護するべき職務を負うベトナム大使館であったというのである。

「ベトナム大使館豊田入り」の情報をつかんだ愛労連側は当初、事態の政治的解決に結びつく動きとしてこれに期待を示していた。ところが、豊田入りした「大使館員・ジャン」氏は「愛労連は悪い組織である。ここに委任したり、加担したものはベトナムの法律で処罰される」などと「研修生」「実習生」らを脅してまわり、彼女らが愛労連に出した委任
状を取り消す書面にサインを強要したのだという。
http://rodo110.cocolog-nifty.com/viet_nam/2007/05/post_9c79.html

 また、ベトナム側の送り出し機関が30日に「研修生」らに配った文章の中でも、「スレッコは研修生に対する処罰をしないことを再確認します。みなさんは安心して事業協同組合と大使館の労働管理班の指示に従ってください。みなさんの正しい考えと行動に期待します。浅い考えと一時的な利益のために契約違反しないようにしてください。」など、
脅しとも取れる内容が書かれている。多額の保証金を背負っている実態を踏まえれば、大使館の労働管理班の指示=「悪の組織」愛労連を抜けろ!―に従わなければ、処罰が待っているぞ……としか聞こえない内容である。

 そういえば、この問題で、最初に事業協同組合傘下企業における悪質なセクハラ・パワハラ・差別的言動の実態を告発したTMCの「実習生」6人は全労協・全統一労働組合に加盟しているが、ベトナムに残る彼女らのご家族にも、「お宅の娘さんは『マフィアのような労働組合』に入ってしまった。娘さんの将来のためにも抜けさせてほしい」というよう
な圧力が当局によってかけられていると先日の集会で報告されている。ベトナム政府は日本の労働組合に対し、何か恨みでもあるのだろうか。

 仮にも労働者のための国家を自称するベトナムが、他国の労働運動を誹謗中傷し、挙句の果てには不当労働行為そのものに手を染めるとは、全くもって言語道断である。このような行為は、労働者の側に立とうと志すものにとって、最も恥ずべきものであるはずだ。フィリピントヨタ問題でも、グローバル資本と現地当局との癒着が指摘されているが、この問題は執政党のイデオロギーの左右を問わないということなのだろうか。

 あまりこういうことは言いたくないが、そもそもベトナム大使館は、彼女たちのために一体何をしたというのか。TMCの6人の「実習生」たちが、会社経営者に寮に無断で侵入され、布団の中にまでもぐりこんでこられたとき、そしてその息子に「チクビちゃん」なるあだ名を付けられ、性器や肛門の隠語を言わせて面白がるといった低劣極まりないセク
ハラ行為を受けているとき、そして彼女らがそれに抗議するや「即刻ベトナムに帰れ」と罵倒され、本国には多額の「保証金」を人質としてとられながらも勇気を持ってその実態を告発したとき、ベトナム大使館は一体何をやったというのか。

 愛労連はブログの中で、次のように書いている。

 《いま、事業協同組合と愛労連で、研修生の不安を解消するための話し合いと努力が行われているときに、これをぶち壊しにするものです。またこれが事実であれば重大な国際問題になりかねません。日本国内ではこのような脅迫、不法は許されません。ましてや政府関係者が行ったとなれば大問題です。愛労連や今回アピールを呼びかけたみなさんはベ
トナム戦争の時も、その後の水害や枯葉剤の問題でも献身的に運動を行ってきた人たちばかりです。「コーヒー一杯」、「バケツ一杯の水を」と何十万の人たちにベトナム支援カンパをよびかけてきた友人です。これを「悪の組織」と言ったなど、信じがたい気持ちで一杯です。》

 「大使館員・ジャン」氏が愛労連を誹謗中傷し、日本において脅迫をもって労働運動の切り崩しを図っていたまさにその29日、ベトナムの政権党・ベトナム共産党の国会議員が、愛労連の上部団体・全労連とも関係の深い日本共産党を訪問、「アジアと世界の平和のための協力を進めるという二十一世紀の新しい両党関係の意義を確認」したという。

「自主独立の野党外交」、大いに結構である。しかし、「自主独立」を言う以上、いかに友好党といえども言うべきことは言うべきであろう。

 ベトナム人「研修生」らのために立ち上がった愛労連が、当のベトナム当局から「悪の組織」呼ばわりされたのだ。僕はこうした、ベトナム当局による日本労働運動に対する誹謗中傷、脅迫を用いた脱退強要というれっきとした不当労働行為に断固抗議する。

 ベトナム大使館は直ちに厳正な調査を行ない、関係者に対する処分を行なうべきだ。そして、労働組合への参加が労働者の当然の権利であること、それは決して処罰や処分の対象にはなりえないのだということを改めて確認してほしい。

Created by staff01. Last modified on 2007-06-01 11:17:44 Copyright: Default

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