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LNJ Logo またまた内閣府!〜世論調査「陸自イラク派遣、7割評価」のまやかし
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松原明です。

以下の記事は、「市民記者」として「オーマイニュース」に投稿したものです。本日「ニュースのたね」に掲載されました。とにかく、内閣府は「やらせ」と「誘導」をして「世論操作」をしていることは明白だと思います。こんな役所はいらない!

―ココカラ―

●陸自イラク派遣、7割評価〜内閣府調査のごまかし

「教育改革タウンミーティング」のやらせ質問で話題になっている内閣府が、先週、自衛隊のイラク派遣に関する世論調査結果を発表した。11月2日のマスコミ各紙によれば、「高く評価する」と「多少評価する」があわせて71・5%で、イラク派遣評価が7割をこえた、とされた。私が、まず思ったのは「数字がずいぶん高いな」ということだった。答えは質問の内容で大きく変わることがある。そこで、どんな質問だったのかを確かめようと思い、6日夕方、内閣府の担当者に電話をした。

   *    *    *

・記者「質問はどういう内容だったのですか?」   ・内閣府担当者「(文章を読み上げ)あなたは陸上自衛隊のイラク人道復興支援活動について、どの程度評価しますか? 以下の5つからお選びください。高く評価する・多少評価する・あまり評価しない・評価しない・わからない」

・記者「わかりました。で、どういう方法で対象を選んだのですか?」

・内閣府「住民基本台帳から無作為に3000人を抽出しました」

・記者「電話で聞いたのですか?」

・内閣府「いいえ。委託した調査会社の調査員が、ダイレクトにお宅にうかがい聞きました。個別面接聴取法です」

・記者「そうですか」

     *    *    *

以上が電話のやりとりである。質問内容は「人道復興支援活動」という言い方で、自衛隊には好意的表現だが、それはいいとしよう。問題は、匿名調査ではなく個人が特定できる調査方法にある。この時の回答率は60%で、40%の人が何らかの理由で回答を拒否している。半分近くが拒否したことになる。自宅に政府に委託された調査員が来て、政治的問題をいろいろ聞かれて、答えたいと思うだろうか。また、正直に意見をいうことができるだろうか。プレッシャーを与える調査方法である。こうした形で生まれたのが「陸自イラク派遣、7割評価」の数字なのだ。これは、ごまかしの世論調査ではないか、と私は思った。

私は以前、フジテレビの無作為・電話世論調査を受けたことがある。自民党総裁選がたけなわの時、フジテレビからいきなり電話がかかってきた。2〜3分で終わるというので、協力することにした。質問は「あなたは、自民党総裁に安倍・麻生・谷垣の3人のうち、だれがふさわしいと思いますか?」というもの。答えにくい質問だった。「答えにくい質問ですね。だれも支持していないから」と答えた。この時、自分の身元に関して聞かれたのは、年代(年齢ではない)と職業(おおざっぱなもの)だけだった。もし、実名・住所を聞かれたら「勝手に電話をかけてきて、失礼だ」と電話を切っただろう。このフジテレビのやり方が、政治的問題での「世論調査」のふつうのやり方だと思う。

それに比べ、内閣府のやり方はひどい。マスコミは検証なしにこの結果を流したが、「7割イラク派遣支持」が一人歩きして、今後の政治動向に影響を与えかねない。実際、「内閣府は『当初は国論を二分したが、結果的に多くの国民に理解を得られた』としている」(asahi.comの報道)。内閣府よ、世論誘導のごまかしの調査方法はただちにやめていただきたい。

(11月6日記・8日「オーマイニュース・ニュースのたね」に掲載)


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