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帝国主義グローバリゼーションと戦争に反対する!

 〜世界社会フォーラム2002 アジア参加者による声明〜 2002年2月2日


 9月11日以来、滑稽な「テロとの戦争」にアジアの多数の地域が焦点とされた展 開に、私たち、アジアの社会運動の代表たちは大きく狼狽させられた。世界での最貧 国アフガニスタンへの戦争を遂行することによって、アメリカはイスラエル・シオニ ズム体制に対し、パレスチナ占領下民衆へのテロによる新しい支配を引き起こす許可 を与えてきた。アフガニスタンとパキスタンでのアメリカの軍事力は、フィリピン南 部への最近の介入を伴う東南アジア全体に今や拡大してきた。アメリカの一方的ABM 条約からの脱退とそのミサイル防衛計画は、アメリカ軍国主義がその醜悪な頭をもた げ始めたという暗い現実を付け加えた。日本はこれに配慮し、自国の再軍事化をはか ることでアメリカと同調しつつ、経済支配の再宣言のためにアジア地域へ危険を冒し て出てきている。9月11日は、国際資本の暴政の再正当化を前面に出すことに利用 されているし、アメリカとその同盟国の軍事侵攻は、資本主義経済や新自由主義的方 法論の拡張のための、ただの煙幕にすぎない。

 石油軍産複合体が世界経済を操っている、これがアメリカのアフガニスタン侵略で 証明された。それは、中央アジアの陸に囲まれたカスピ海地域に埋蔵する石油・ガス の追跡にあった。一方では、アメリカからの大きな融資を受ける国際金融機関 (IFIs)は、構造調整やその他「貧困撲滅」戦略を通して、不平等・不公正を永続さ せている。これら国際金融機関は、軍事化(地域的過激主義を含む)と戦争の激増に ついて共犯者であり、それ故、失業、日用品価格の高騰、一般的社会経済的損失をも たらす政策を蔓延させることで低開発化した共犯者である。

 インドとパキスタンの間の危険な冷淡さが、今日アジアにおいて最も冷たい紛争の ひとつである。パキスタンによるテロとの連携の「不選択」は、国家に支えられた過 激主義との年月の終焉であり、IMFからより多く資金を受けたいという強い衝動と なった。パキスタンとインドの支配体制は、時代を超えて偏狭な行為や軍国主義を促 進してきたし、現在のパキスタン軍事独裁体制とインドの右翼的宗教政府は、アメリ カの「民主主義」によって支えられる地域抑圧体制の戦線にまさに付き従っている。

 フィリピンはいま、アメリカの「十字軍」の新しい焦点である。フィリピン憲法 は、国土に外国軍の駐留を禁止している。しかし、再び、いつから国家主権がグロー バル支配権という他の意味になったのか?フィリピンは、上述したパキスタン同様、 政治的支援と旧き良き様式に縛られた援助へのお礼として、アメリカとの歴史的子分 関係を発展させたいと望んでいるだけである。

 世界が黙って見ている間に、最も破廉恥な国家主権への侵害がパレスチナで起こさ れ続けている。イスラエル軍は、日々の基礎である国際法のいかなる考えも受け入れ ず、男性女性・子どもを大量に虐殺し、パレスチナ人の土地を植民化する重武装の開 拓者のために道を掃き清めている。さらに、政治的重要人物を狙った暗殺が、パレス チナ民衆の一体性をずたずたに切り裂くようなz無力感・絶望感を高める原因となっ ている。「テロリズムとの戦争」は、パレスチナの民衆に負わされている大規模な国 家レベルのテロを体裁よくごまかすもので、それにより、イスラエルとアメリカは、 この地域の経済的財産への戦略的重要な支配を続けることができるのである。

 国際的資本家の進出における個々の国家の共謀は、アジアにおける多くの支配体制 の−しかも多くはアメリカに支えられている−非民主的エリート主義的本質を表して いる。長い間自由と独立のシンボルであった、新しく独立する東チモールでさえ、今 や西側の支配という苦い薬を無理矢理飲まされようとしている。東チモールでは、政 治的独立が経済的主権の喪失を伴わされている。それは、世界銀行やIMFがどの時期 に東チモール経済を世界システムに統合すべきか指図することによる。アメリカが背 後にいる過渡期体制の下、6ヶ月経過するときに、アフガニスタンも同様の運命に直 面している。

 アチェの状態もまた、自由への旗手という名で呼ばれることで好都合なことにうま くごまかされている一つとなった。アチェ人とインドネシア中央政府の間のアチェ紛 争は、天然資源を巡るものである。1976年北部アチェでの天然ガスの発見以来、 アメリカに本拠を置くモービル石油が天然ガス分野での大規模な開発を主導してき た。この多国籍企業の利益を保護するために、インドネシナ政府は1989年、軍隊 を送り込み、アチェを「軍事作戦地帯」(DOM)と布告した。大いなる人権侵害が悲 惨な結果をもたらした。

 韓国では、新自由主義的方法論のモデルとして長い間受け入れられてきたが、労働 者階級は空前無比の抑圧に直面している。700を超える労働組合員が基本的権利を 要求したことから拘置所に拘留されているが、大陸の大部分の国とよく似ている状況 である。一方では、アメリカ軍の構想は、慎重につくられた平和も脅かしており、北 朝鮮と南の韓国の間の再統一過程の代わりに、この地を紛争地の一つに押し戻そうと している。

 女性と子どもが、どんな種類の紛争でも最初の犠牲者となる。アフガニスタンにお いて、女性は戦争遂行のために使われてきたし、非道なタリバン体制の犠牲者とし て、また解放の必要性が表現されてきたが、解放は今や、代わりに国際資本主義の奴 隷にさせるだろう。アジアの多くの場所で、女性は新自由主義的グロバリゼーション の豊かなる精神の名の下に、輸出促進地区での安価な労働力として売り込まれてきた し、インフォーマル経済では、保護されない移住労働者や外国軍・観光客・ビジネス マンに奉仕する売春婦として売り込まれてきた。

 私たちは権力の露骨な悪用の終焉を要求する。その費用は、過去未来においてアジ アの幾百万の民衆の生命と暮らし、自由、尊厳、そして主権となるものだ。アジアの 民衆運動、および世界至る所の活気に満ちた抵抗闘争は、労働・資源・開発への権利 に対する支配を取り戻す闘争を象徴する。そして、この権利は民主的価値観・過程が 求められる国家的枠組みの中で計画されるべきだ。(Adivasis?)農民、漁民、スラ ム住民、インフォーマル部門労働者は−アメリカとその同盟者によって体現される、 ゆがんだ安全保障の枠組みに対し−すべてが挑戦するために団結すべきである。私た ちの運動は、支配者に対する人間の安全保障を求め、国際資本によるあらゆる指図を 拒否する。この運動の核心はまさに、非暴力と恥知らずな消費主義への拒否に拠って たち、私たちは世界社会フォーラムにおいて、その最終分析で、勝利が民衆の意志で あることを確信させられた。


・アジアにおけるアメリカ軍国主義体制の終焉を私たちは要求する!

・すべての基本的人権・共同体の権利は保護されるべきで、アジアの社会運動の意 志決定にIMF・世界 銀行が従うよう認めることを私たちは要求する!

・イラク民衆への経済制裁の解除および、アメリカとその同盟者によるイラクへの 野蛮な政策の撤回を 私たちは要求する!

・パレスチナにおけるイスラエルの占領の終結を私たちは要求する!

・アメリカ軍のフィリピン、アフガニスタン、韓国、パキスタン、および、この地 域の他の国々からの撤退を 私たちは要求する!

・アメリカと多国籍資本による、ビルマの軍事独裁制への支援の停止を私た ちは要求する!

・インド・パキスタン両国の核武装めぐる軍事緊張の凍結を私たちは要求する!

・アジアを縦横に越えて労働する権利の保護を私たちは要求する!

・児童労働の廃止と、働いている子どもへの教育保証と同時に報酬を私たちは要求 する!

・アメリカは国際法に従い、繰り返される人権侵害とアジアの国々の主権侵害につ いての釈明すべきと 私たちは要求する!


  最後に、来る2002年6月、日韓で開催されるワールドカップ期間中に、新自由 主義とその軍国主義体制が実施しようとする計画に反対する直接行動に、再びアジア 各国において参加するよう知らせたい。世界社会フォーラムの決議文において告知さ れる国際的行動日に参加するよう強く勧める。


翻訳:清水政夫(FLU)

英語版


Created byStaff. Created on 2002-03-17 23:37:49 / Last modified on 2005-09-05 02:58:47 Copyright: Default

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