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名古屋コラム

郵政首切り25年・名古屋哲一の月刊エッセイ

 ボク以上の「青年労働者」

 ボクの心の中にはまだどこかに「青年労働者」的な自己認識が残っているが、ボクよりも5歳も年上なのにボク以上に「青年労働者」的な思いを大きく携え続けている人もいる。少なくても、「年老いた若者」よりは若い。

 この3月末で、郵政公社を60歳定年退職する二人、長崎中央局集配課の中島義雄さんと東京貯金事務センターの横山喜一さん。二人は、4・28反処分のこの26年間、免職者であるボク以上に熱心に4・28闘争へ思いを馳せ、免職者以上に免職者のことを心配し続けた。まるで、4・28処分が出されたのは自分の責任だと考えているように・・・全逓(現JPU)本部のお歴々には二人の「爪の垢を煎じて飲」んで頂きたい。このような感じ考え方、運動への向き合い方、これは「古い活動家タイプ」のものだが、実は現在必要とされている「最も新しい最先端」のスタイルだろう。何も4・28闘争だけのことでなく、諸活動全般に関しての「新しいスタイル」だが、とはいえ、皆がこの「新しいスタイル」に染まってくれると4・28免職者としてはこんな楽なことはない。

 二人は日本郵政公社の再任用試験を受けた。60歳停年で年金支給は65歳、希望する者は誰でも再任用される趣旨での制度のはずが、二人とも「見事に」というか「当然にも」というか落とされた。全逓(現JPU)のゴマすり活動家たちは合格しているのに。26年前の反マル生越年闘争は、こういう差別をヤメロと全逓が全国で闘ったのだが、マル生差別は位相を異にして続いている。中島さんは「郵政ユニオン」と昨年名称変更する前の「郵政全労協」議長の任にも就いたし、横山さんはこの結成の参謀役と副議長の任にも就いた。当局はこの痛みを決して忘れない。

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 義理人情を何よりも大事と考えてしまったり、筋を通すことを自分の生き様としてしまったりの奇特な人々が、ビデオ「郵政クビ切り物語」には登場していなくても、4・28支援者の中には大勢いる。二人はこの「奇特ボランティア愛好会」の代表格なのだった。

 世代的には二人は、ベトナム反戦など1960年代末の「世界中の若者の反乱」を苦労して切り開いてきた世代で、5学年下のボクは既に用意されていた「反乱の舞台」に乗っけてもらった世代だった。「権利の全逓」と呼ばれていた当時から既に、全逓官僚=民同支配の組合から真の労働者のための労組への変革を目指して、全国的な反対派結集や全国政治など難しい事を先頭で色々とやってきたのが二人の世代で、この影響のもと安心してワイワイガヤガヤやってこれたのがボクらの世代だった。

 ただ二つの世代にわたる両者とも、先輩や仲間の裏切りをたくさん体験しながらも、その時々の決定的な選択でいつも同じ選択をしてきた。それで強烈な信頼感というかぶっとい絆というか、そんなものがいつの間にかできてしまったことは、ボクの人生のなかでも最高部類の幸福だ。二人とも、客観的には指導部のくせに、エバッタような所がチラともない。この人柄に騙されて道を外した人は数多い。

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 中島さんの「未来(郵政ユニオン九州機関紙)」に連載された、自分の生い立ちを含めた講演は胸を撃つ。70年代初頭の長崎中央局刑事弾圧での不当逮捕、この時運悪くクビになっていたなら全く出会いはなかったかもと思うと何か不思議だ。また、全逓本部からボクらがクビ切りされた後の論文や昨年東京高裁勝利判決後の論文など、中身的にも嬉しく勉強になるのだが、それらを通じて最果ての地(?)=九州から全国へ4・28を叫び続けてくれた。何かにつけ長崎は免職者を呼び励まし、上京し励まし、毎月「未来」へ投稿させてくれ等々、感謝感激雨あられと言う以外にない。

 横山さん筆「伝送便3月号」掲載の郵貯民営化論文は、日常普段の姿からは想像を絶っして「アッ、この人はインテリだったんだー」と改めて気付かされる。ニセ時短導入の時には、乳飲み子を抱いた女性組合員多数と共に全逓本部へ「直訴」するなど、敵が嫌がることを好んでやり続けた。ボクの76年入局以来の付き合いで、おしゃれとは縁遠いなど趣向が不思議な程一致したりした。同じ東京の地で、三里塚全逓交流会や免職者の再配置「拒否」や十月会議(労組連帯会議)専従就任や4・28ネット結成や、そして国鉄闘争・全労協関係等々、いつもモノスゴーク身近な所に彼は居た。同じく感謝感激雨あられ、だ。

名古屋哲一(郵政4・28免職者)

*タイトルはレイバーネット編集部


Created byStaff. Created on 2005-09-04 20:41:11 / Last modified on 2005-09-29 06:44:53 Copyright: Default

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