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小林たかしの談話室・第17回 | ||||||
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第17回・荒れた東電の株主総会――ひと株運動の効果●さ お り◎オッチャン、先月末に東京電力の株主総会があって、402人の小口株主が、脱原発を求める提案をしたのに否決されちゃったのは知ってるわね。東京都は第5位の大株主で、この提案に反対したって。東電から毎年25億円も配当をもらっていれば、脱原発に賛成できっこないわ。 ★オッチャン◇うん、9300人も集まって、反原発集会みたいな雰囲気もあったようだね。質問に立ったある株主は、壇上にいならぶ役員に「あなたたち、原子炉に入って死んでください」っていったそうじゃないか。おもしろいイベントだったみたいだね。 ●さ お り◎おもしろがってるだけじゃダメよ。会社はつぶれないとみてる役員たちは、ずうずしい官僚答弁に終始したそうよ。でもね、こんなに多くの株主が熱心に質問した総会は前代未聞なんだって。「脱原発・東電株主運動」のメンバーは、「1人ひとりの株主が会社の責任を追及したのは初めて。今後の活動に弾みがついた」って喜んでたという話よ。 ★オッチャン◇そうした「ひと株運動」的な活動は貴重だと思うし、東電の株で儲けたり損したりした人が脱原発の行動をするのはいいと思うよ。でも、そもそも株主ってなんなのだろうね? ●さ お り◎どういうこと? ★オッチャン◇新聞に、東電の株の下落で損をした高齢の男性が、《東電は個人投資家を抹殺するな》という投書を寄せたんだ。すると中年の主婦が《個人投資家は、原発の安全を信じて投資したのだから責任はある》と批判を書いた。東電の大株主は生命保険会社や東京都だ。日本は「法人資本主義」といわれているくらいに法人が株を買い占めている。だから個人投資家の割合はすくないけれど、株式会社のたてまえとしては私的所有者である株主が東電の経営を左右することができる。でも、じっさいに経営を左右するのは、東電の土地や建物や生産手段などの資本だ。なぜなら資本は利潤を生みだすからね。その利潤をより多く生みだすには、生産の効率化をはかってコストを下げる必要がある。東電にとって株主への配当もコストのひとつだ。あたりまえだけど、利潤の減少は株価の下落をまねき、株主は損をする。 ●さ お り◎企業にとって利潤は死活問題なのね? ★オッチャン◇そう、企業は利潤を上げなければ存続できない。だから、老朽化した原発を使いつづけるか新設するかは、低コストで利潤が上がるほうを選ぶ。企業は意思をもっているんだ。その典型的なものが1970年の企業の政治献金を合法化した最高裁判決じゃないかな。判決は、「会社も自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有する」って宣言したのさ。株主総会で電力会社が容易に脱原発に転換しないのは、利潤追求もさることながら、国の政策で会社の存続が保証されているからなんだ。 ●さ お り◎じゃあ、「ひと株運動」はあまり効果がないの? ★オッチャン◇そんなことはないさ。さおりくんは土本典昭監督の『水俣――患者さんとその世界』という映画をみたことがあるかい。 ●さ お り◎みてないわ。でも、題名はきいたことがあるわ。 ★オッチャン◇1971年につくられたこのドキュメンタリーは、水俣病患者の実態と有機水銀を海に流しつづけたチッソ株式会社への告発運動を描いている。告発運動のひとつであった「ひと株運動」の高揚が、ついにチッソの株主総会で患者さんが社長を直接追及するまでに発展するんだ。この映画の影響もあって、撮影当時に121人だった水俣病申請者が、そのあと1万5000人になったんだよ。ぜひ、みるといい。 【2011/07/03 通算21回目/転載・引用・援用など、すべて自由】 Created bystaff01. Created on 2011-07-04 12:39:10 / Last modified on 2011-07-04 12:41:05 Copyright: Default |