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「ポッパン」で大同団結、出口を見つけたウェブハード カルテル

[ワーカーズ・イシュー(2)]「女性に対する性的搾取を『自発性』と『合法性』で包装」

パク・タソル記者 2019.06.04 14:52

ウェブハードのカテゴリーに追加された「BJ放送」

5月17日夜10時、ウェブハードに接続してBJ放送をつけた。 生放送中の106部屋のうち、98部屋がすべて女性BJの「ポッパン」だった。 男性BJの放送は10部屋もなかった。 それさえ女性をゲストに招いたり、路上ハンティングを中継する放送だった。 2000人以上の視聴者が接続している部屋は10を越える。 100人以上の視聴者がいる部屋も50ほどにもなった。

ウェブハードの不法撮影物流通が社会的問題になって半年。 不法撮影被害女性を崖っぷちに追いやったウェブハード企業の近況はどうか。 政府が「ウェブハード カルテル」を防止すると脅した後、 不法撮影物をエサにユーザーの金をかき集めたウェブハード社の収益構造にも亀裂が入るかのように見えた。 だが最近の動向を見ると、彼らはそれなりの「出口戦略」を見つけたかのように、相変らず盛行中だ。 「BJ放送」がウェブハードの新しい収益創出源として伸びしている理由だ。

最近1年間、ウェブハード企業は「BJ放送」という新しいカテゴリーを追加した。 5月基準、全ウェブハード サイトの約70%(ウェブハード86サイト中60サイト)で 「BJ放送」のカテゴリーを発見することができた。 彼らはインターネット個人放送サイトを連動する形で放送を送出している。 そしてこのコンテンツのほとんどは、女性BJの「ポッパン」だ。

こうしたインターネット個人放送サイトは現在、 巨大企業に成長したアフリカTVの後発走者だ。 放送システムも似ている。 アフリカTVの「星風船」のように、 利用者が後援支援金をチャージしてBJに撃てば、 BJがそれに相応するリアクションを見せる。 YouTube、アフリカTVとは違い、成人しか放送できないここでは、 BJの単純露出から類似性行為までが放送されていた。

ウェブハードに進出したインターネット放送の二大山脈

ウェブハード企業は著しい成長の勢いを見せるインターネット放送、 特にポッパン中心の放送をプラットホームに引き込んでいる。 現在、ウェブハードと連動するインターネット放送プラットホームは、 大きく二つの業者に分れる。 まずヤン・ジノ会長の所有といわれるウィディスク、ファイルノリなどのウェブハード サイトは、 インターネット放送「フルTV」を連動している。 二つの会社をはじめ、「フルTV」を利用するウェブハードは合計22か所だ。 フルTVを運営する女性BJのポッパンは、 海外ポルノサイトに大量に上がったりもする。 不法流布を防ぐためにインターネット放送企業が映像に入れた使用者IDなどが消され、 きれいにされた映像だ。 だからインターネット放送企業がBJの同意なく、こうした映像を流通しているのではないのではないかという疑惑も提起されている。 多くの女性BJは、「不法流布禁止」などとバナーなどに表示して放送する。

また女性BJに対する視聴者の女性嫌悪発言と人身攻撃も珍しくない。 ポッパン・チャッティングでは「Xもう少し」、「犬のようなX」、「猫をかぶるXよりはるかにいい」といった言葉はよくある。 エンターテイメントを通して放送をする女性BJは、 低賃金や不公正契約を強要されたりもする。 現場では実際にBJの仕事でいくらの収入が得られるのか、 まともな情報を提供することもないばかりか、 収入をインターネット放送局と分配するので少ない場合が多い。

ウェブハード カルテルの下でさまざまな産業はつながっている。 ウェブハード運営業者、ギフトMの某社内理事は昨年、 あるデジタル葬儀業者の代表に名前を連ねた。 このデジタル葬儀業者はギフトMの隣の事務室で運営をした。 不法撮影物を流通するウェブハード社がデジタル葬儀業者を同時に所有し、 被害者を二重に搾取する方式は、 昨年のヤン・ジノ会長の事件とも似ている。 当時、ヤン・ジノ会長はウェブハード業者、フィルタリング業者、 デジタル葬儀業者までを運営して社会的な公憤を買った。

自発性と合法というもっともらしい仮面

盛んに「ポッパン」が行われ、関連活動家の悩みも深まっている。 ウェブハード業者が堂々と流通してきた不法撮影物が 「ポッパン」という合法的な仮面をかぶって出てきただけで、 女性に対する性的搾取という慢性的な議論は消えていないからだ。 つまり、ポッパンが女性に対する性的搾取を 「自発性」と「合法性」で包んで流通させているということだ。

韓国サイバー性暴力対応センターのソ・スンヒ活動家は 「こうしたインターネット放送は、 女性の自発性に基づいているかのように包むので、 同等な取り引きのように見られたりもする」とし 「だがこのような産業の発達は、 女性に対する過度な性的対象化、物象化、他者化を当然視する社会文化を拡散し、 実際にそれを利用する男性に学習させる」と話す。 また「国産アダルトビデオが同意も問わずに不法撮影された一方的な暴力の結果だとすれば、 ポッパンは自発性で包装された性搾取」とし 「オンライン空間で性搾取を利用した産業が女性の同意を得ていく方法で進化している」と強調した。

性販売(経験)者支援などの活動をしている反性売買人権行動イルムのユナ活動家は、 「現状況は不法撮影物に対する問題提起が『強制』と『暴力』だけで世論化された限界を表わしている」とし 「女性を取り引きして利益を搾取する産業全般に対する問題意識が不在だから」だと見た。 また「法と政策は性暴力と性売買被害者を『同意』の有無と立証可能な『拒否』、 あるいは『強制』等に区別してきた」とし 「資本はこのような没ジェンダー的な隙間を捕らえて事業を拡張している」と分析した。

不法撮影物は抑えられても相変わらずの企業

政府は去る1月24日 「不法わいせつ物流通根絶のためのウェブハード カルテル防止対策」を発表した。 ウェブハード カルテルを集中摘発して厳正に対応し、 同時にデジタル性犯罪被害者を総合的に支援する計画だった。 このうち、ウェブハード カルテル根絶制度としては、 △モニター強化(モバイル基盤ウェブハードまで拡大)、 △わいせつ物流通ウェブハード掲示板閉鎖、 △公共フィルタリング導入、 △AIを活用したわいせつ物遮断技術開発など、 ウェブハード処罰強化方法としては、 △加担者拘束捜査、懲役刑刑事処罰、 △即時削除措置を履行しなければ2千万ウォンの過怠金賦課、 △犯罪収益没収および追徴推進などが発表された。

その後、実際に不法撮影物の流通件数が減っているという発表が出ては来た。 女性家族部傘下の「デジタル性犯罪被害者支援センター」は最近、 ウェブハード不法撮影物を削除してくれという申請件数が減っていると明らかにした。

しかし不法撮影物で収益をあげてきたウェブハード業者サイトは、ほとんど健在だった。 2019年1月末基準「特殊な類型の付加通信登録事業者現況」によれば、 44の業者がPC基盤の53のウェブハード サイト(モバイル サイトは39)を運営中だ。 2018年6月末には51社が57のPC基盤ウェブハード サイト(モバイル サイトは44ケ)を運営していた。 PC基盤サイトを見れば、減少したのは4サイトだ。 ロコHD、セムディスク、パンディスク、ファイルボスが消えた。 今年1月末の集計の後にもウェブハードの合併の知らせが聞こえてきたが、 有意味な数字ではなかった。 昨年、ウィディスクに対して「登録取り消し」という強力な行政措置が初めて下されたが、 ウィディスクは相変らずそこにある。

「不法撮影物」も相変らず主要キーワードで検索されている。 ウェブハード男性ユーザーの間で 「まだ健在なウェブハード」として通じるオンディスクでは 「スタジオ撮影」、「流出」、「別れたガールフレンド」、「有名カップル」、 「クンノ」、「国産」、「隠しカメラ」、「強姦」、「モーテル」など、 まるで不法撮影物のような題名がついた映像が無数にある。 わいせつ物において「不法撮影物」マーケティングはまだ有効だ。[ワーカーズ55号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2019-06-04 17:27:49 / Last modified on 2019-06-07 07:51:03 Copyright: Default

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