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文在寅政府の民営化、財閥積弊清算よりフレンドリー

[ワーカーズ] 99%の経済

ホン・ソンマン(チャムセサン研究所) 2019.04.10 13:48

▲『私の手中に銀行』インターネット専門銀行規制革新現場訪問[出処:青瓦台]

新自由主義代表政策の民営化(privatization)は国家所有の企業や資産を民間資本に譲り渡したり、公共サービスを営利目的に変えることをいう。 こうした民営化は、それ自体で資本の利益拡大を目標にしつつ、 国民に対する巨大資本の収奪的な性格のために強い抵抗を受けてきた。 国家は公的サービスを無償または安く提供するが、 民営化後に資本は追加費用を要求した。 また、民営化は収益構造の改善という名目で労働力を削減し、 労働者を職場から追い出して労働を強化した。 たとえ労働力を削減しなくても、収益性を改善するために料金を上げた。 ほとんどの民営化は料金の暴騰、サービス提供範囲と質の低下を呼び、 世界的な水準で労働者と庶民の反発を呼んだ。

韓国の社会での本格的な民営化は、 金大中(キム・デジュン)-盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時に行われた。 1997年に外国為替危機が起きると政府の負債を減らすという名分で 多くの最も重要な公企業を民営化した。 銀行と金融機関をはじめ、浦項製鉄、韓国通信、韓国タバコ人参公社、韓国電力などの 基幹産業を担当する公企業、国有企業を続々と民営化した。 盧武鉉政権になって、 外換銀行のローンスターの売却など、所有権売却中心の民営化もあったが、 量的にはかなり減った。 だが公企業の運営を利益中心に変え、外注、下請を大幅増やして公共サービスそのものを営利化する方式で民営化がなされた。 こうした民営化は、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政権になっても維持された。 その上、キャンドル革命政府という文在寅(ムン・ジェイン)政府も むしろさらに民営化を拡張した。 20年前には「経済を生かす」という名分で民営化がなされたとすれば、 今では「革新」と「(公的資金)還収」という名前でなされているだけだ。

文在寅政府の民営化はまず、 最近の国有企業大宇造船の売却の大宇造船民営化、 第二に、ウリ銀行の完全民営化とインターネット専門銀行の銀産分離緩和、 第三に、太陽光発電などの新再生エネルギー転換によるエネルギー産業民営化、 第四に、病院持株会社の設立などの医療民営化、 第五に、公共機関と私企業が保有する個人情報を商業的に活用できるようにする 「個人情報民営化」を上げられる。 領域別に見ると国有企業、銀行、エネルギー、医療、データなど、 韓国社会の主要領域で民営化が続いている。

国有企業大宇造船の民営化

3月8日、大宇造船の大株主である産業銀行と現代重工が 大宇造船を現代重工に買収合併する本契約を締結した。 大宇造船は現代重工の中間持株会社の子会社になり、 産業銀行は大宇造船の株式の代りに現代重工の中間持株会社の株式を受ける。 大宇造船の合併は現在3社体制の造船業種の過剰競争を解消することが目的だという。 しかしこの数年間の造船業種不況の中で、3社はドックを減らして規模を縮小した。 下請労働者10万人を解雇して正規職も削減する構造調整を続けてきた。 大宇造船は最近2年間に受注量も増え、営業利益も黒字に戻った。 むしろ現代重工よりも受注量や営業利益もさらに多く残した。 現在の状況で無理に合併までして過剰競争を解消する必要はないという話だ。

その代わりにこの合併を推進するにあたり、 鄭夢準(チョン・モンジュン)一家が大株主である現代重工の株式以外には、 誰も現代重工の最大株主になれないようにした。 産業銀行の現代重工の株式処分に厳格な制限をつけ、 産業銀行が保有する株式取り引きが現代重工の最大株主変動などを招くような取り引きは禁止された。 言い換えれば、鄭夢準一家の経営権を確かに保障する中で、 13兆ウォン近い公的資金が入った大宇造船を2兆7000億ウォンの現代重工の中間持株会社の株式を受けて大宇造船を渡してくれたのだ。 産業銀行と輸出入銀行が大宇造船に投入した公的資金は7兆ウォンを越えて、 出資転換、永久債発行を入れれば10兆3000億ウォンになる。 今回の有償増資と資金支援で2兆5000億ウォンが追加されると12兆8000億ウォンにのぼる。 現代重工の株主が今回の合併で追加投資する資金はせいぜい4千億から6千億ウォン規模と言われる。 産業銀行の今回の売却は、公的資金を回収するのでもなく、 株式を置き換える形なので、 算術的に言えば10兆ウォンの損害をこうむりながら大宇造船の大株主としての権限を鄭夢準一家にすべて越したことになる。

▲データ経済活性化規制革新現場訪問[出処:青瓦台]

ウリ銀行の完全民営化と銀産分離緩和

ウリ銀行の母体は商業銀行で、国策銀行だった。 外国為替危機の後に商業銀行は韓一銀行と合併して民営化され、 また不良が深刻化すると国家所有銀行に転換された。 そして朴槿恵(パク・クネ)弾劾キャンドルが燃え上がっていた2016年11月、 政府はIMM PEと韓国投資証券・ハンファ生命・ミレアセット資産運用などの寡占株主に 株式の27.22%を売却して一部民営化した。 それでも現在、預金保険公社がウリ銀行の株式の18.4%を保有しており、 寡占株主はそれぞれ5%内外の株式を持っていて、政府が事実上の最大株主だ。 国民年金もウリ銀行の株式の9.29%を持っている。 この状況で文在寅政府は ウリ銀行の完全な民営化、つまり預金保険公社の株式を全量売却する民営化に入った。 チェ・ジョング金融委員長は 「早急な期間に予保が保有する残余株式を売却し、 ウリ金融の完全な民営化を推進する」と話した。

一方、文在寅大統領は昨年8月、 「インターネット専門銀行規制革新」イベントに参加して 「金融分野と新産業の革新成長につながり、大韓民国の経済成長の新しい流れになるだろう」とし、 インターネット専門銀行の銀産分離緩和を明言した。 その後、国会で産業資本であるインターネット専門銀行の株式の上限を既存の銀行法基準の10%(議決権ある株式は4%)から34%に高めた インターネット専門銀行特例法が通過した。 これでKバンクなどのインターネット専門銀行の産業資本所有が可能になった。

再生エネルギーを口実にしたエネルギー産業民営化

既存の発電所の民営化は1998年の外国為替危機とともに金大中(キム・デジュン)政府で始まった。 5つの火力発電所と1つの原子力発電所に分離したが、 いずれにしても完全民営化ではない形で維持された。 そしてそうするうちに李明博朴槿恵政権で 発電所の整備・運営部門を民営化したが、 発電所の整備・運営を独占する韓電KPSの新規受注物量を民間部門に渡して外注、下請の形態で運営した。 そして今年の初めに泰安火力発電所の非正規職労働者、 キム・ヨンギュンの死亡事件を契機として発電所の民営化を中断しろという声が高まり、 民営化計画が再検討されるに至った。 他の分野はともかく、少なくともエネルギーでは民営化が静まり、 また公営化、国有化される雰囲気が伺える。 しかし、エネルギー部門全体を見ると民営化はむしろ拡大している。

原発はもちろん、石炭火力発電の割合も減らす計画だが、 既存の発電を代替する再生エネルギーへの転換が大規模に民営化された形態で推進されている。 代表的には太陽光事業だ。 政府は2030年までに25GW(ギガワット)の太陽光設備を新しく設置する計画だ。 すでに地上太陽光は雨後の筍のように増え、 農地も林野も区分なく施設が作られ、そのために土砂の流出と環境破壊などの被害を受けた。 さらに水上太陽光は文在寅大統領の任期が終わる2022年までに 全国の貯水池3400か所のうち900か所ほどに4GW、 セマングム干拓地内に2.4GWが予定されている。 太陽光パネル2300万枚が全国貯水池とダムなどに設置される。 この太陽光パネルの設置地域の住民や公共機関の他に、 民間企業の投資誘致の形式で設置される。 セマングム太陽光には全体の約2/3に該当する1.5GWが民間企業に配分されている。

国内で500メガワット(MW)以上の設備を保有する発電事業者は、 総発電量のうち一定割合を太陽光などの新再生設備を使って供給しなければならない。 韓国電力の発電子会社だけでなく、SK、GS、ポスコなど21社がこれにあたる。 新再生エネルギー分野には地域住民と公共機関が一部に参加するが、 事実上、エネルギー財閥企業(ここには発電事業者だけでなく、 太陽光パネルを作るハナ・キューセルなども含まれる)の茶碗で満たされている。 企業が一部で設備投資をしても、韓電に卸売で越す電力に原価を含めるために、 その負担はそのまま国民に戻る展望だ。

病院技術持株会社の設立と医療民営化

昨年7月、政府は病院と合弁して金儲けができる産病(産業体病院)協力団と 病院技術持株会社の設立を認めると明らかにした。 保健医療団体は病院技術持株会社が設立されると医薬品・医療機器の子会社も認められ、 病院は子会社の医薬品と医療機器をさらに多く処方・販売することが可能になると見る。 事実上、営利目的の事業が可能になり、医療の公共性を害する民営化だというのだ。 研究開発中の医薬品や医療機器に対する臨床試験を容易にし、 費用をかけずにこれを患者に適用できるルートが認められる。 製薬会社と医療機器会社には人体試験に当たる数十億のコスト削減になる。 だが、これはそのまま患者に対し検証されていない治療技術の危険性と費用を転嫁して、 健康保険財政を略奪することにつながる。 そのために朴槿恵政権さえ、 こうした社会的非難を憂慮して病院技術持株会社と産病協力政策は推進できなかった。

サムスンは医療機器事業が病院などの対象間事業だという理由で、 デジタルX線、モバイル、CT、体外診断機器などを生産する医療機器事業部を独立させ、 別途に事業拡張を試みると発表した。 サムスンは、子会社のサムスンメディシンと共にサムスン医療機器事業部を サムスンの新しい成長動力と打ち出している。 病院の医療技術持株会社許容は「サムスンヘルスケア」が推進する 「サムスン医療院-サムスン医療機器子会社-サムスンメディシン」が 子会社に連結する構造を認めるのと違わない。

個人情報民営化

文在寅大統領は昨年8月 「データ経済活性化」のために個人情報保護規制を緩和すると明らかにした。 ビッグデータ産業活性化のために個人情報活用規制を緩和すべきという主張を大統領が受け入れたのだ。 具体的に見れば、個人情報を匿名情報と仮名情報に分けて、 仮名情報の非識別処理を通じて研究目的などに使えるようにするということだ。 しかしこの研究には新技術、製品、サービス開発などの商業的な目的も含まれる。 これによれば、公共機関が保有する個人情報と、 私企業がさまざまな理由で保有している個人情報を情報主体である国民の同意なしに 相互に結合し、新しい情報を作り、営利目的に利用することができる (こうした個人情報保護法改正案が国会に上がってきている。 幸か不幸か、これまで国会が空転して本会議が開かれず、この法案は処理されずにいる)。

韓国は全国民に固有番号制度である住民登録番号が存在しており、 これを通じて個人情報のほとんど全てが識別可能なので、 個人情報の商業的利用に対する憂慮は非常に強い。 金融情報と医療情報をはじめ、各種の個人の私生活情報は一部が非識別処理されても、 他の情報と結合すれば難なく再識別が可能なためだ。 その上、ほとんど毎年、大規模な個人情報流出事故も頻繁に発生しているということを念頭に置けば、 こうして生成された個人情報の大量流出事故がさらに頻繁に起きると察することができる。 だがこれを甘受しても、ビッグデータ大企業の利益確保のために個人情報保護を緩和するということだ。

▲セマングム再生エネルギービジョン宣布式[出処:青瓦台]

民営化の理由

政府は公的資金回収を理由として国有企業や国有銀行の民営化を推進するが、 この10年間、政府の財政は黒字であった。 集めた税金をすべて使えずに余らせた。 公的資金を無理に回収しなくても消えるわけでもないが、 なんとかして大宇造船とウリ銀行を民営化しようとした。 最近の大宇造船売却は、こうした名分もなく進行している。 この売却はただ株式を換えることで、 公的資金回収とも関係がなく、 ただ現代重工総帥一家に韓国の造船業全体を渡すこととしか説明できない。 このように、民営化は公的資金回収または「革新」を大切にするという名分を掲げるが、 財閥に国家の資源を献納するようなものだ。 ウリ銀行民営化とインターネット銀行産業の資本参加拡大に対しても、 これができる企業は韓国では財閥以外にはないという点で同じだ。 エネルギー民営化も大企業による民間発電社の金儲け手段を拡大させるもので、 医療民営化はサムスン グループの新樹種事業拡大とからんで進められている。 個人情報と公共データの民間活用(民営化)も、 一番喜ぶのは個人情報を最も多く扱うSKのような通信財閥やサムスン生命のような財閥保険会社だ。 所得主導成長、労働尊重の社会は消えてなくなり、 革新成長という名の規制緩和と民営化政策が入った。 財閥積弊清算は終わり、今は露骨な財閥フレンドリーに動いているとしか思えない。(ワーカーズ53号)

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2019-04-16 19:11:55 / Last modified on 2019-04-18 00:37:26 Copyright: Default

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