ウェブハード カルテル、ゆりかごから墓場まで

［ワーカーズ・イシュー］ウェブハード カルテル、隠された共謀者たち(1)

▲ウェブハード不法ファイル焚書坑儒|J性暴力事件解決共同対策委員会

［ワーカーズ・イシュー］ウェブハード カルテル、隠された共謀者たち順序

(1) ウェブハード カルテル、ゆりかごから墓場まで|パク・タソル記者

(2) SKから韓国情報工学まで、企業が密かに育てた『ウェブハード カルテル』 |ユン・ジヨン、キム・ハンジュ、パク・タソル記者

(3) 不法撮影物流布で拘束される確率、0.047% |キム・ハンジュ記者

(4) ウェブハード カルテル、〈それが気になる〉 |パク・タソル記者

事例1
A氏は時給が高いアルバイトを探して変種の風俗店の面接を受けることになった。 働く所を見せるというのでついて行ったところは、あるオフィスホテルだった。 類似性行為まではしなければいけないという業者の説明を聞きながらも、 A氏はその部屋から抜け出せなかった。 部屋の中には二人きりで、業者は強圧的にA氏に仕事を指示した。 その日からA氏はどこかに隠れ、自らを恨んだ。 電話番号も変えた。 全て忘れられることを望んだ。 だが本当の悪夢はこれからが始まりだった。 A氏を撮影した隠しカメラがオンラインをさまよっていた。 町内と周辺からA氏に対する噂が飛び始めた。

事例2
B氏はウェブハードに広がった報復性淫乱動画を削除するためにあちこちを駆け回っている。 警察に申告したが、証拠収集はB氏の役割だと言われた。 警察はB氏が自分で映像流布者、映像内容、映像住所などをキャプチャーして資料を作らなければならないといった。 性暴力処罰法を適用するには、性器が見えるようにキャプチャーしなければならないとも言った。 ウェブハード業者に削除を要求しても処理は遅かった。 基本的な動画削除はフィルタリング業者を通さなければならず、 巨額の費用処理を要求する所もあった。 B氏は結局デジタル葬儀業者の所に行き、月200万ウォンを払って削除を依頼した。

隠しカメラ、ありふれているがありふれていてはだめな単語

2018年11月18日午後6時59分基準、Googleで0.26秒に1回検索される話題の単語は まさに「隠しカメラ」だ。 同時刻「文在寅(ムン・ジェイン)」は0.39秒、 「月曜日」は0.42秒に1回検索された。 「隠しカメラ」より多く検索されるのは「アダルトビデオ」だ。 人々は0.24秒に1回「アダルトビデオ」を検索し、0.26秒に1回「隠しカメラ」を探している。 このようにリアルタイムで消費される隠しカメラは体系的で粘り強い大量生産をあおった。

ソウルの鍾岩警察署は去る8月13日から11月20日まで、 ウェブハードおよびヘビーアップローダーに対する特別摘発を行い、 ヘビーアップローダー13人を検挙した。 彼ら13人の被疑者が掲示した不法淫乱映像物は何と25万5954件にのぼる。 いくら摘発して検挙しても隠しカメラは消えない。 隠しカメラ犯罪は2012年には2400件、昨年は6465件と、この5年間で約2.7倍増加した。 いったい誰が、どのように、これほど多くの隠しカメラを生産して流通しているのか。

隠しカメラ、ソーシャルコマースで簡単に!

隠しカメラ犯罪に使われる超小型カメラをモバイルでショッピングできる。 ソーシャル・コマース1位業者のC業者では縦横2.5cmにもならない超小型カメラを3万ウォン台で売っている。 広告にはまったく「女性隠しカメラ用」と遠慮なく宣伝するかのような扇情的な写真が載っている。 偽装隠しカメラを販売するショッピングモールも頻繁にある。 ここにはキャップ帽子(35万ウォン)、時計(31万ウォン)、ミネラルウォーターボトル(36万ウォン)等に偽装した全く同じ隠しカメラを販売していた。 こうした隠しカメラを使って不法撮影をして、つかまっても処罰は弱い。 不法撮影は「意思に反して撮影したり撮影物を流布した場合」で5年以下の懲役 または1000万ウォン以下の罰金刑だ。 だが実刑宣告は5％内外なので、相変らず隠しカメラは好調に売れて犯罪は増えていく。

ウェブハードが育てたヘビーアップローダー

不法に生産された隠しカメラのコンテンツを本格的に流布するのはヘビーアップローダーの仕事だ。 ヘビーアップローダーはウェブハードの会員誘引と収益保障にぜひ必要な存在だ。 ウェブハード業界の大物と呼ばれたヤン・ジノ会長は、秘密裏にヘビーアップローダー組織まで運営した。 ヤン会長は手数料を最高18%まで適用してヘビーアップローダーを励ました。 このようにしてヘビーアップローダーが稼いだ収益は最低3700万ウォンから 最高2億1000万ウォンにのぼる。

正常なウェブハードなら、こうした不法わいせつ物はほとんどがフィルタリングされなければならない。 2011年から電気通信事業法によってフィルタリング プログラムの使用が義務化されたためだ。 ウェブハードはフィルタリング業者と契約を結びフィルタリングを行うといったが、 相変らず不法わいせつ物は広く流通している。 果たしてどのような小細工が隠れているのか?

フィルタリングしないフィルタリング業者

放送通信委員会が2015年12月に発行した「特殊類型付加通信事業者の不法情報流通防止のための改善法案研究」という研究資料からその理由を推定できる。 フィルタリング業者のわいせつ物フィルタリングは個人用PCでは99％以上が作動したが、 ウェブハードではほとんどが作動しなかった。 放通委はこれについて 「ウェブハードとわいせつ物フィルタリング事業者がフィルタリングテストを行い審査完了書を作成した後、 実際のサービスではフィルタリングをまったく適用しないケースで、 今後、わいせつ物のフィルタリングのモニターと摘発などが行われると無力化よりも迂迴で行われる可能性が高い」と指摘した。

国内の代表的ウェブハード業者を運営するヤン・ジノ会長は2008年に直接フィルタリング業者を買収した。 警察によれば、ヤン会長が実際に所有しているミューレカは、 ウィディスク、ファイルノリのサイトで流布されているわいせつ物について DNAフィルタリングを適用しなかった。 不法わいせつ物、合計5万2500件が発見されたウィディスク(3万4400件)と ファイルノリ(1万8100件)には不法に撮影された流出映像物も100件ほどが含まれていた。

ウェブハード協会「DNAフィルタリングの開発を止めろ!」

専門家はウェブハードの不法わいせつ物はDNAフィルタリングで十分にろ過できるという。 だがこのDNAフィルタリングの開発を妨害する団体がある。 まさにウェブハード事業主が集まっているデジタルコンテンツネットワーク協会(以下DCNA)だ。 最近、民主党党役員出身が幹部になって運営していたことが明らかになって問題になったりもした所だ。

昨年開かれたウェブハード事業者の説明会でDCNA協会のキム・ホボム会長は 「性暴力物について最もはやく処理できるプロセスがすでにあるのに 追加で開発をするのは市場を全く知らない」とし、 科学技術部のフィルタリングAI開発の知らせに飛び上がって反対した。 それと共に彼は 「追加的な開発ではなく今、技術者、技術企業にさらに予算を執行するべきだ」と強調した。

被害者二回泣かせるデジタル葬儀業者

結局、不法流出映像の被害者は惨憺たる心情でデジタル葬儀業者を訪れる。 デジタル葬儀業者は本来は死亡者の「忘れられる権利」のために生まれた。 だが現在、彼らのキャッシュ・カウはデジタル性犯罪映像の被害者だ。 流出映像を削除するためには少なければ50万ウォン、多ければ300万ウォン以上の費用を支払わなければならない。 削除しても他のどこかに毒きのこのように広がる特徴により、 6か月単位で金を払って管理しなければならない。

だがこれが最後だという心情で訪れた葬儀業者もまたウェブハード カルテルの一軸だというのだから、とんでもない。 ミューレカは「私を探して」という葬儀業者を運営しながら二重に金を稼いだ。 去る6月には、あるデジタル葬儀業者の代表が 「削除代行業務を独占させてほしい」とし、 不法ポルノ サイトの運営者と取り引きした事実が明らかになった。 彼は顧客から削除費用を受け取る一方、 ポルノ サイトに葬儀業者広報バナー広告の名目で600万ウォンを渡した。 彼はまだ該当葬儀業者を運営しており、 その間に別の葬儀業者まで作って事業を拡張している。［ワーカーズ49号］

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可（ 仮訳 ）に従います。