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News Item 201806011
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露天商運動30周年「その場に居させろ!」

[寄稿] 6.13精神継承露天商大会を前に...差別撤廃、積弊清算、露店の生存権を保障しろ

チェ・インギ(貧民活動家) 2018.06.03 21:44

毎年、露天商たちは6月になると忙しくなる。 6月13日に開かれる大会のためだ。 この大会の始まりは1980年代で、今年で30周年を迎える。 当時、全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)軍部独裁政権は光州の虐殺で得た血の政権であることを揉み消すために、大規模な国際イベントをしばしば開いた。 国際イベントが開催されるたびに貧しい人々はとても苦しんだ。 街頭は外国人に見せるためにきれいに整理されなければならず、 「露天商はすべて掃き捨てるべき存在」に転落したからだ。 当時、団体の初代議長だったヤン・ヨンス氏はその時をこう回想する。

「1988年のソウルオリンピックの前に軍部独裁政権は露天商に対する全面的な摘発を始めました。 1988年6月16日からはソウル地域のリヤカー保管所の閉鎖を始めました。 そしてまもなく強力な露店摘発をすると発表しました。 すると『都市露天商連合会』に結集した露天商は6月13日、 ソウルの成均館大学校の金芝広場に約3千人が集まって 『露天商生存権守護決意大会』を開催します。 これほど多くの露天商が組織的に集まったのは初めてでした。」

[出処:チェ・インギ]

集会を終えて5千人に増えた露天商が闘争を宣言し、市庁に進出した。 露天商はそれこそ必死に戦ったのだ。 もう退く所がない人々の怒りがアスファルトの上を熱くした。 デモ行進を遮る戦闘警察の蛮行で17人の負傷者が発生した。 露天商は怒った。6月16日まで止むことなく夜を明かし、闘争を展開していった。

88年はすべての所で政権に対する大規模集会が展開された。 すでに学生たちは闘争の先鋒だった。 労働者たちは87年7月と8月の闘争を通じて階級的な実体を天下に表わした。 農民も全国で野火のように立ち上がり続けた。 しかし今回は都市貧民が政権を相手に闘争を展開したのだ。

こうした強力な抵抗により、軍部独裁政権は強硬な露店摘発方針を結局留保して、 屋台保管所の閉鎖計画を保留した。 ついに政権が白旗を揚げたのだ。 露天商は集団的かつ組織的な抵抗を通じて生まれて初めて勝利を争奪した。 この日の集会を契機として露天商の生存権問題が社会に世論化された。 一つの抵抗勢力として注目され始めた。 「都市露天商連合会」に組織された露天商は、6月16日まで続いたこの闘争を通じて団結すれば勝利するという自信を感じた。 80年代の民主化運動の政治的な洗礼を受けた露天商は、 世界的に例を探すのが難しいほど、韓国社会の民主化運動勢力としてそびえ立つことになったのだ。 当時の6.13闘争は露天商の6月抗争であり、6月になればこれを毎年賛えるようになった。

[出処:チェ・インギ]

もう30年が流れた。 そして朴槿恵(パク・クネ)政権が弾劾され、 文在寅(ムン・ジェイン)政権になって1年が流れた。 今回の大会を準備する民主露天商全国連合のチェ・ヨンチャン委員長は、 今の情勢を次のように伝える。

「民主的な政権交代が高い支持率につながっているのは事実です。 しかしまさに貧しい都市貧民の暮らしは良くなりません。 文在寅政府は所得の不平等を緩和し、 内需市場を広げて低成長のドロ沼から脱出しようという『成長戦略』を繰り広げています。 政府が賃金を補填し、これにより消費が増えれば工場が回り、就職率も活発になり、 結局は成長率が上がるという論理ですが、 文在寅政権になって1年経った今、 どこにもその政策は見られなくなっています。」

最近の民主労総の全面ストライキ闘争は、労働者民衆の現実を赤裸々に示す。 労働者の賞与金を基本給に転換すると言って「最低賃金算入範囲」を拡大し、改悪した。 もう最低賃金の上昇どころか物価上昇にも達しない。 労働時間の短縮で実質賃金は低下し、相変らず構造調整と高い失業率は良くならずにいる。

2018年の大会を控えて6月1日に記者会見が開催された。 光化門世宗文化会館の前は多くの連帯組織が参加した。 女性農民会総連合のキム・スネ会長は 「農民はネギ1束が100ウォン、200ウォンにしかならずに売れなくて、耕し返してしまいました。 文在寅政権になっても米価が暴落しているのにまた主食用米を輸入する蛮行を行っています」と訴えた。

この政府も農民の胸に大釘を打ち込んでいると伝える。 相変らず食糧主権を放棄している。 これほど労働者、農民が貧しくなれば、ともに都市貧民も増える。 貧しい人のための福祉政策もあまり良くならなかった。 廃止を公約に打ち出した国民基礎生活保障法の扶養義務制廃止も、緩和に後退した。 死角地帯を発生させる厳しい選定基準の改善も、 財源確保方案についての特別な対策や追加計画も見られない。

全国撤去民連合のナム・ギョンナム議長は、 これまで韓国社会はニュータウン再開発などによって住居権、生存権を剥奪することが多かったとし、 文在寅政府になっても賃借人保護と零細家主の住居生存権の対策もなく 全面撤去を中心とする開発事業が相変わらずだと主張する。 伝統市場の商人はどうか? 露天商大会を前にして鷺梁津の水産市場の商人は、長期的な不況で売り上げが落ちているなか、 古い伝統市場の商人の暮らしも崖っぷちに追いやられているとし、 文在寅政府を糾弾している。 開発利益と不動産価値上昇のための事業で多くの商人の生存権が蹂躙されている。 露天商摘発は30年前と変わらない。 明白な雇用の剥奪だ。 つまり生存権の抹殺だ。 全国的に約100億ウォンもの予算で用役ならず者を買収し、 強制撤去を行うのはもうひとつの積弊でしかない。

今回の2018年の6.13精神継承露天商大会は、 地方選挙により6月4日にソウル市光化門広場で 「民衆生存権争奪のための大会」として午後1時から開かれる。 露天商はこの大会で、強制摘発とこれを可能にする用役ならず者の解体および警備業法および行政代執行法などの全面改正を要求するだろう。 さらに、欺瞞的な「露店管理対策中断と露店削減」政策の廃棄を対外的に叫ぶ場になるだろう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-07-16 11:11:08 / Last modified on 2018-07-16 11:11:11 Copyright: Default

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