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News Item 20170908
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「誰も加害者になると思って暮らさない」

[ワーカーズ インタビュー]チョ・ジヨン コリア連帯イ○○・キム○○性暴力事件解決のための共対委執行委員長

チョン・ウニ記者 2017.09.06 15:17

「被告の行為は全体的に真相究明、被害者らの傷治癒と回復、 2次加害行為の問題点に対する社会的公論の喚起という公共の利益のための活動に該当し、 違法性が阻却されると見ることが相当だ。」

7月27日、ソウル中央地方法院(判事誤想用)の判決文の一部だ。 別名「コリア連帯性暴力事件」の2次加害者9人が、 民主労総、民主労総世宗忠南本部をはじめ、共同対策委員会10人に出した損害賠償請求で、 判事は原告敗訴と判決した。 2011年に始まったキム○○、2013年に始まったイ○○事件2次加害者などは、 被害者と共対委が数年間要求してきた「謝罪」ではなく法廷を訪れた。 しかし裁判所は彼らの行為に対して2次加害と見ることが相当だとし、 共対委の行為は公益に当たると見た。 反性暴力運動が提起した「2次加害」の概念を裁判所が認めた瞬間だった。

共対委活動で五年を過ごし、反性暴力運動を作ってきたチョ・ジヨン執行委員長(民主労総世宗忠南本部宣伝局長)。 彼女は最近労働者連帯との性平等/反性暴力/女性労働権関連事業に対して連帯の中断を宣言した民主労総女性委員会の所属でもある。 地域で被害者と連帯してきた彼女と会って、今回の判決の意味と最近の労働者連帯の議論についての立場を聞いた。

▲8月23日忠南道瑞山にある民主労総世宗忠南本部西部会事務室で会ったチョ・ジヨン執行委員長[写真出処]パク・ユミ

性暴力事件2次加害者などが出した民事訴訟1審で原告が敗訴した。

共対委の報告書を理由に提起した名誉毀損民事訴訟だった。 12人の被告それぞれが原告9人に対して1億1000万ウォンを賠償しろと請求した。

先立って、コリア連帯事件について統合進歩党は真相調査をして懲戒を議決した。 ところが2次加害者たちが懲戒の結果が出る前に全員が離党して、 これを理由に天安支院に懲戒無効訴訟を出した。 しかし判事が「統合進歩党の規定によれば、2次加害者ではない」という蛇足を付けて判決を出した。 統合進歩党は控訴したが、その過程で強制解散されて原審が確定した。 2次加害者たちはこれを根拠に共対委に損害賠償を提起したのだ。

彼らは天安支院の判決文と、5月に開かれた 「共同体内性暴力を直面してまた暮らす方法」の討論会での議論を歪め、 女性学者も2次加害の概念は問題があると見るとし、私たちを攻撃した。 われわれは公益性による事実の指摘だと抗弁した。 公益性を立証する方法は多くないので、裁判に懐疑的ではあった。 しかし共対委は2次加害の問題で戦ってみることにした。 警察の調査や法廷で受ける2次被害を認める傾向があったが、 運動社会内の2次加害については判例がなかった。

結局、判事は女性学界と運動社会内で通用する2次加害の概念を初めて認めた。 原告も運動団体の所属であり、運動社会で通用する2次加害の概念を共対委と被害者が主張しているので、これを2次加害と見るのが正しいと判断した。 われわれは「判決文を読んで、こんなに癒される感じは初めて」と喜んだ。 しかし原告はまた控訴した。

共対委活動に困難はなかったか。

加害者たちは活発に活動していた人たちなので、共対委の構成員と先後輩の間だったり、知り合いの関係だった。 それでみんな個人的に苦しんだ。 各団体の内部にコリア連帯の会員がいて、対立もあった。 当初、少し摩擦はあっても事件をうまく処理することができたのに、 この信頼は簡単にこわれた。 彼らは既存の加害者の行為ととても同じ手順を追った。 だが事件自体が大きくて、対立は簡単には生まれなかった。 地域内部の政治的摩擦も大きくなく、全農などの大衆組織も積極的に動いた。

民主労総女性委員会は最近、労働者連帯との性平等/反性暴力/女性労働権関連事業に対して連帯中断の立場を出した。労働者連帯はこれを魔女狩りだと批判する。

個人の意見であることを前提に話す。 労働者連帯は今回出版した「性暴力二次加害と被害者中心主義論争」(チェッカルピ)で、 性暴力事件の加害者/被害者についての情報を流した。 これに対する問題意識が大きかった。 民主労総の担当者が独断的だという主張もまた受け入れなかった。 民主労総の女性委員らは、短くても10年から数十年間女性運動をしてきた人たちだ。 実際に現場で性暴力事件を支援して解決しながら、今まで活動してきた。 こうした活動家たちが特定の人の主張を何の考えもなく支持したと主張したことに腹が立つ。 さらに労働者連帯は民主労総と連帯してきた団体ではないか。 数カ月の議論で決めたことで、特定の担当者ではなく、女性委員会の立場だ。

女性委員会だけでなく民主労総も立場を出すべきだという議論もあった。 もし労働者連帯が謝罪しなければもっと広い方式で議論が拡大するだろう。 民主労総の対応は事実遅い感がある。 労働者連帯が民主労総と共に活動をしてきたので、もっと早く出すべきだった。

労働者連帯の「性暴力二次加害と被害者中心主義論争」(チェッカルピ)に対し、労働党の女性委員会と性政治委員会、花火フェミアクション、フェミダンダンが、販売中止および撤去(除去、回収)を要求し、署名をした。労働者連帯はこれが「フェミニズムの発展的議論を阻害する反民主的な独断」だと反論する。

本は読んでいないが、本の内容が被害者中心主義や2次加害という「単語」の学問的な論争なら、 大きな問題になっても発行するべきだ。 しかし、連名署名提案書の内容のように、学問的論争より性暴力事件を引き入れて、 自分の立場を話す方式、自分たちに関係する性暴力事件の被害者をあげつらう方式なら問題だ。 また、こうした書籍が一般書店で販売されることも問題だと思う。 法的な手続きで中断させる方法も考える必要があるのではないか。 論争を中断させる意味ではなく、追加被害を防ぐ方法としてだ。

労働組合で女性運動を始めた。

女性学を勉強したり知識があるからではなかった。 性暴力事件のためだ。 2007年に高速道路サービスエリアに労働組合ができ始めた。 若い女性が多かったが、中間管理者級による性暴力事件が発生した。 しかも加害者は労働組合の創立メンバーだった。 当時、民主労総地域支部の女性は自分だけで、それで私が担当者になった。 調査の過程で2人の加害者により、ほとんどすべての女性組合員が性暴力被害を受けたことを知った。 今考えても衝撃的だ。 腹は立つが、どうすれば解決できるのかわからなかった。 地域の女性団体などに問い合わせしてみたが、確実な助けを受けられる所がなかった。 我慢できなかった。 それで女性団体の資料や労働部の資料をすべて印刷して勉強しながら、事件を提起した。 地域で大規模に報告された最初のセクハラ事件なので、労働部に対処させた。 国家人権委も何度も現場調査をした。 こうして事件は解決されるかと思われた。

しかし時間が経つと、被害の程度が激しい組合員たちが孤立した。 組合員たちはあちこちに呼ばれて「君のために職場の雰囲気がこうなった」、 「君のために何か言うたびに気を付けなければならない」という言葉を聞いて、仲間はずれにされた。 結局、被害者は会社を辞めた。労働組合もこわれた。 加害者はこの職場を辞めたが反性暴力教育など、何の措置もなかったので、 どこかでまた似たような加害が起きかねなかった。 こうした過程を見て疑いを持った。 それで本格的に女性運動を始めた。 担当者ができて、その時から被害が公論化され始めた。 それと共に、ここまできた。

最近数年間の労働運動に変化を感じるか。

用心深さは高まった。 事実、民主労総にはあまり女性活動家がいない。 生き残るのが難しいからだ。 私も前は男性の常勤者が働いていれば食事を買わなければならず、 秘書のように付いて回りながら発言を記録しなければならなかった。 女性活動家は主に幹事や総務の仕事をした。 民主労総の事務総長が女性なのも今回が初めてだ。 そんな10数年の時間を味わい、女性たちが道をつけている。 性暴力事件も減った。 しかし組織文化の問題を提起する事件は増えた。 組織民主主義の問題、暴力や暴言の問題。 組織の基盤には既成の社会のジェンダー的な階層とからみ、 女性に対する差別がまだ残っている。 とても発展したとは言えない。

「同志」と信じていた加害者や2次加害者に言いたい言葉はあるか。

私もある瞬間に加害者や2次加害者になるかもしれないと考える。 誰もが加害者になると思いながら暮らしているわけではない。 コリア連帯の加害者は先輩でもあり、動機や後輩でもある。 隣人を同志だと思うのなら、謝罪して手順を追って戻って生き延びる姿を見せてほしい。 運動する人が持てる最高の勇気だろう。[ワーカーズ34号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-09-17 06:03:50 / Last modified on 2017-09-17 06:03:51 Copyright: Default

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