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「社長、労組を破壊すれば127億儲けられます」

甲乙オートテック労組破壊シナリオ、現在「異常なし」

キム・ハンジュ記者 2016.09.05 10:27

▲ジョンウン記者

「公権力が生き返ってこそ会社も地域経済も生き返る」

8月25日、甲乙オートテック使用者側管理職が主導する西大門区警察庁前での公権力投入要求集会の時のプラカードに記されていた文句だ。 ある銀行の広告コピー「企業が生きてこそ国が生きる」と似ている。 韓国経営者総協会も8月18日に報道資料で 「政府の微温的な対処が『公権力作動に対する負担』という政治的意味合いに始まったのではないか憂慮を禁じえない」と明らかにし、 公権力投入要請を間接的に示した。

甲乙オートテックの「Q-P戦略シナリオ(労組破壊シナリオ)」は現在も続いている。 使用者側の公権力投入要請は、Q-Pシナリオの一部だ。 シナリオは昨年4月、労組破壊のための警察と特戦司令部出身者の偽装採用が発覚して中断されたようだ。 だが時間が遅れただけで、状況はよく書かれた脚本のとおりに動いている。 シナリオは「1段階非常経営宣言(2015.10.28)、 2段階警備外注化(2016.01.03)、 3段階代替要員(2015.10 〜現在)、 4段階代替生産(2015.10 〜現在)、 5段階職場閉鎖および用役投入(2016.07.26)、 6段階公権力投入(2016.08)、 7段階選別復帰(2016.08)、 8段階2労組拡大(2016.08)」で構成されている。 使用者側が公権力を要請している今は第6段階だ。

使用者側は2014年11月18日、労組ストライキ誘発戦略として、1)組合幹部懲戒、2)食堂・運転・警備外注、3)製品外注、4)中国合弁法人設立、5)福祉厚生縮小または支払い中断を順位をつけて設定した。 ストライキ誘発に成功すると、使用者側は直ちに職場閉鎖して経営悪化を宣伝した。 公権力投入の名分を作るためだった。 すでに2014年3月には非常経営計画という名前で労組破壊シナリオを作っていた。 2年前から労組ストライキを企画してきたわけだ。

保守言論を見れば、甲乙オートテックはストライキのために倒産直前だったが、工場は「外で」うまく回った。 会社は部品生産を外注で運用する小細工を働かせた。 金属労組甲乙オートテック支会は、使用者側が今年1月から現在まで不法代替生産をしていると把握している。 支会はサムスン空調、イルジン熱気、テジン、コリアオートテック、ドゥウォン冷気などの不法代替生産業者を確認した。 支会は「2015年6月1日、会社が団体交渉に応じないので争議行為を始めた。 使用者側は争議行為で中断された業務を遂行するために、 当該事業場と無関係の者を採用し、(下)請負したため、 争議行為による生産支障は全くなかった。 このような使用者側の不法代替生産は、労組法第43条、第81条違反だ。 その上、分散代替生産により管理力の低下、品質も低下し、消費者問題にまで拡大している」と伝えた。

甲乙資本、キム&チャン・雇用労働部・検察・警察と手を握ったか

国内最大のローファーム、キム&チャン法律事務所が甲乙オートテック労組破壊に加担した疑惑も出てきた。 雇用労働部と検察が昨年4月23日、甲乙オートテックを家宅捜索して確保した文書によれば、 4月14日に朴孝祥(パク・ヒョサン)前代表理事は労務部門長に対し 「すべてのカカオトークと携帯メッセージを消してください。 電話で話しましょう」といった。 これに対して労務部門長は「はい。みんな整理しています。 キム&チャンから指示された通りに進めています」と答えた。 労務部門長はこれを履行するためにキム&チャンの弁護士2人、委員1人と通話した。

だが押収捜索した文書には、甲乙オートテックがキム&チャンと連絡していた記録が抜けている。 法律事務所セナルのキム・サンウン弁護士はワーカーズとの通話で 「2015年4月14日、朴前代表理事と労務部門長がキム&チャンとの証拠を隠滅しようとした時点の記録だけが抜けている。 通話記録資料ページの数字から見てもこの部分だけが空いている」とし、雇用労働部と検察の縮小捜査疑惑を提起した。

では雇用労働部は甲乙オートテックの職場閉鎖についてどんな考えを持っているのだろうか。 8月11日の国会環境労働委員会で、李基権(イ・ギコン)雇用労働部長官は 「1万3000人の甲乙オートテック協力勤労者もいる。 生産ができないことにより、生産がすでに8月だけで4分の1に減った」とした。 また李長官は職場閉鎖に関して 「ストライキ後に(職場閉鎖を)したので外形的には防御的に(防御的職場閉鎖と)見られる」と使用者側の主張を認めるような立場を表わした。

検察も労組より使用者側の立場に近かった。 労組によれば、担当検事は8月16日、甲乙オートテック労働者の家族面談で家族に対し 「(Q-Pシナリオは計画日程上)すべて終わったことだ。証拠を出せ」と話した。 支会は検察と甲乙オートテックの事前諮問の疑惑を提起した。 支会が公開した文書によれば、2014年9月2日に当時のキム・ウルジュ専務が朴孝祥前代表理事に 「クォン部長(労務部門長)が諮問の結果を差し上げようと言っています」と話す。 朴前代表理事は「明日の午後にしましょう」とし、 「検察の意見では遅らせろと言っています。参考にしてください」と答えた。 支会はこれに対して「単純な携帯メッセージ一つで検察の労組破壊共謀の容疑を決めることはできないが、 会社側が検察に諮問したのは事実だ。 現職の検察関係者と対話していたわけで、検察が『遅らせろ、やめろ』ということ自体が問題になる」と指摘した。

甲乙オートテック支会のソン・チャニ事務長は、使用者側に協調的な警察の態度も批判した。 ソン・チャニ事務長は「7月22日、24日に捜査課長が現場に来て、労組に『業務妨害』、『現行犯逮捕』と言った。 当時、われわれは不法代替要員を阻止していた。 法的な判断がない状況で、警察が労組を圧迫した」と指摘した。 また牙山警察署は用役の1次投入予定日だった7月29日、支会の拡大幹部に出席要求書を送った。 実際の投入日の8月1日にも幹部に出席を通知し、労組を圧迫した。

こうした情況を見れば、雇用労働部、検察、警察そして国内最大のローファームであるキム&チャンまでがグルではないのかという疑惑は出てくるのは当然だ。 甲乙オートテック支会は孤独な闘いをしている。 20年以上、甲乙オートテックだけで働いてきた労働者がほとんどだ。 また甲乙オートテックは非正規職がない事業場だ。 会社は労働者と一緒に持続的に成長してきた。 だがこれを潰す誰かの貪欲があった。 2年前に朴孝祥前代表理事は、労務部門長に労組破壊シナリオが成功すればいくら削減できるのかと尋ねる。 労務部門長は年間127億 4千万ウォン程度を削減できると報告した。

今年7月15日に法廷拘束された朴孝祥甲乙オートテック前代表理事は、 2015年4月18日に携帯メッセージで使用者側関係者に 「企業労組を作ったのに裁判所で無効判定。 これは本当にくそったれだ。 韓国はほとんど社会主義になった」といった。 だが完成したのは労組破壊主義だけだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-09-20 03:17:16 / Last modified on 2016-09-20 03:17:47 Copyright: Default

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