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「韓国タイヤから5年6か月追い出され、今はハンスト」

[インタビュー]不当解雇に26日間ハンスト座り込みをしているチョン・スンギ氏

チョン・ジェウン記者 2015.09.30 19:02

チョン・スンギ(53)氏は韓国タイヤを解雇された労働者だ。 彼は韓国タイヤ大田工場正門前で26日間、ハンストをしている。 不当な解雇なので復職させろということが要求だ。 2010年9月にもチョン氏は同じ要求で大田工場正門から200メートルほど離れた交差点で26日間ハンストをした。

▲韓国タイヤ解雇労働者チョン・スンギ氏が元職復帰と使用者側の労組弾圧中断などを要求してハンストをしている。ハンスト25日目の9月24日インタビューが進められた。

チョン氏は1993年に入社して大田工場でタイヤを作り、検査する仕事をしていた。 そのうちに「会社の名誉毀損」で飛ばされ、10人ほどが働く物流センターへと2008年5月に強制転職されたという。 2010年3月に彼は1次解雇された。 3年4か月後の2013年7月、大法院の最終不当解雇の判決で復職したが、2か月後にまた解雇された。 会社から追い出されることを繰り返すつらい人生だった。チョン氏は言葉を濁した。

「5年6か月も働けなかった。 長いといえば長い時間だ。 会社との戦いを振り返れば、さらに長く感じられる。 花が咲いたのか、落ち葉が散ったのかわからないような闘争をしたようだ。 ただ本当に...」

「内部告発者」の修飾語がチョン氏の前につけられた。 彼は会社側の労組ではなく「民主労組」を作るために長い間努力してきた張本人でもある。 こうした活動が解雇の理由になった。

「誤りを認めるどころか報復性の懲戒解雇をする程、 韓国タイヤは大企業と思えないほどおかしな態度を見せてきた。 公益情報提供を認め、大法院が不当解雇と判決しても、何とかして内部告発者を追い出そうとして2次解雇したのだ。」

会社が主張する1次解雇の理由は「名誉毀損」などだった。 2007年に起きた韓国タイヤ労働者15人の集団死亡事故について、 チョン氏が2009年、多くの報道機関とのインタビューをして労働災害、個人査察などを主張したが、これは虚偽事実の流布であり、社規に反して会議内容も流出させたということだ。 しかし労働部は集団死亡事故の問題が起きたため特別監督をして、 韓国タイヤが1394件の産業安全保健法に違反していたと明らかにした。

結局、地方労働委員会と中央労働委員会に続いて1、2、3審の裁判所はすべて不当解雇と判決した。 「会社は集団死亡事故に関して産業安全保健法違反の罪で刑事処罰を受け、 批判的なマスコミの報道が続いたが、 一連の事態を参酌すればチョン氏が個人的な目的を追求するために会社を誹謗する目的でマスコミのインタビューに応じたと見ることはできない」、 「会社の名誉毀損とは見られない」、 「チョン氏は会社で13回も表彰された功績がある」などと裁判所は明らかにした。

2次解雇の理由も似ている。 チョン氏が多くのマスコミに解雇と査察関連の虚偽事実を流布し、会社の名誉を傷つけ、 通常賃金に関して労組の組合員に歪んだ宣伝ビラを配るなどの7つの理由で、 解雇は正当だと会社は主張した。彼はすべて反論した。

「一例として、使用者側は通常賃金関連の宣伝物配布は懲戒理由でもないが、 解雇しておきながら『解雇期間も社規は守らなければならない』という要旨で私に話した。 おかしい。社会的に解雇は殺人に比喩される。 威嚇を感じてやられているのに何も言うな? 使用者側のとても誤った主張と態度だ。」

だが1審に続いて7月、2審裁判所は2次解雇訴訟で使用者側の主張を認めた。 大法院の判決だけが残っている状況だ。 司法府を信じられない状況で、やむを得ずまたハンストを始めたと彼は伝えた。

「1次解雇の理由と特に違わないので当然、不当解雇の判決があると思い、 労働委員会も経ずに法的な争いを始めた。 ところが1審でとんでもない判決が出てきた。 2審でも直されなかった。 公正な判決ではない。 会社が労組の代議員選挙に介入したり、公約を作るなどの支配介入で不当労働行為をして労働者を監視するなどの関連資料を提出したが、 裁判所はこれについて判断もせずに棄却した。」

政界さえ声明を出し、韓国タイヤと司法府を批判した。 新政治連合乙支路委員会は1、2次の解雇理由があまり違わないのに、司法府が異なる判断をしたことについて 「『有銭無罪・無銭有罪』だと言っても過言ではない」とし 「使用者側は労災死亡事故の後、少しも反省するどころか、労組運動弾圧と報復を続けている」と明らかにした。 正義党大田市党は「チョン氏のハンストについて使用者側は無返答を続けるな。 不当解雇を撤回して現場に復帰させろ」と要求した。

会社の労務担当者が9月24日、初めてチョン氏を訪ねてきたが、 ハンスト25日目だった彼は特別な話をせずに帰ったという。 社内の医者がチョン氏の健康状態をチェックすると言って、毎日来ているが一緒にきたという。 チョン氏は「労務担当者が医療スタッフとそのまま一緒にきたようだ。 私の健康を心配してきたようなことはなく」と断言し、会社に対する深い不信を表わした。

「もし私が裁判所判決で敗訴すれば、これから私企業で公益情報を提供することはさらに難しくなるだろう。 沈黙を強要されるためだ。 企業の誤りを批判して真実を知らせたからといって、懲戒解雇など各種の不利益を与えることはなさなければならない。 私が必ず勝たなければならない理由だ。 司法府は無力な労働者を馬鹿にして金と権力によって天秤棒がふらついてはいけない。 会社は私を元職復職させることはもちろん、憲法が認める労組活動を保障して金属労組を認めなければならない。」

今、チョン氏の隣には妻と金属労組韓国タイヤ支会(金属労組)の組合員たちがいる。 チョン氏は二人の子供がいるが会えなくなって長い。 心配する子供たちにハンストをする姿を見せたくなく、『頑張って勉強しろ』と言って座込場に来るなと言ったという。 秋夕にも座込場から動けず、当分は子供たちと会えない。 子供たちに対する懐かしさがしばらく表情に浮かんだが、 彼は「大きなやりがいを感じる」とし、話を続けた。

「金属労組が動いているのが見えて、組合員たちが会社の弾圧を突破して加入が続いているのはうれしい。 最近、既存の労組を脱退して金属労組に加入した組合員がとても増えている。 韓国タイヤを変える代案は、御用労組ではない金属労組しかなく、ここに希望が見える。 これまでの会社に対する私の戦いで労働条件と環境が一部改善されたが、『とても小さい』でしかない。 金属労組ができて、現場にすべてが変わっていて、根本的に変えていきたい。」

付記
チョン・ジェウン記者はメディア忠清の記者です。この記事はメディア忠清にも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-10-02 15:40:39 / Last modified on 2015-10-02 15:40:40 Copyright: Default

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