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7・15ゼネストと労働市場構造改悪の本質

[寄稿]粉砕! さらに低い賃金、さらにやさしい解雇、さらに多い非正規職

チェガル・ヒョンスク(民主労総政策研究院長) 2015.07.13 18:00

民主労総第8期のハン・サンギュン指導部は、 民主労総の初の直接選挙制でゼネストを公約に掲げて当選し、 2015年度を対政府闘争期間と決めて労働者を救うゼネストに突入した。 このため、4月24日に先制的ゼネストを行い、7月15日のゼネストを控えている。 しかし労働市場構造改悪阻止のためにゼネストをしなければならない事態の深刻性は、 資本と国家によって隠され、分散している。

[出処:チャムセサン資料写真]

資本と国家の対労働戦略は、98年の整理解雇法導入の時のように、 これ以上、総労働全体を対象として危機感を造成する方式ではない。 労働法改正による法律改正が難しくなった環境で、政府は行政指針、ガイドライン、団体協約是正指導といった一連の政府方針を通じ、 じわじわと攻撃をしてきている。 これは朴槿恵(パク・クネ)政権の典型的な手法で、 憲法と法律を無視した行政独裁でしかない。 しかし民主労組がない多くの事業場の労働者たちは、こうした独裁に無防備な状態で、 民主労総の組合員はまだ自分の問題として感じられずにいる。 したがって、民主労総のゼネスト戦術は組織労働者だけでなく、 未組織労働者すべてのための、避けられない階級闘争の選択にならざるをえない。

政府は4月の労使政委員会合意決裂の後に、政府単独で労働市場構造改革を進めるという立場を発表し、 団体協約是正指針の実行を始めた。 6月17日、賃金ピーク制全面化、就業規則変更、社内下請合法化などを中心とする第一次労働市場構造改悪推進計画が発表された。 また8月には一般解雇導入、成果年俸制、非正規職拡大、通常賃金縮小などを中心とする第二次労働市場構造改悪推進計画が発表される予定だ。

政府の改革案を「改悪」だと規定する理由は、 現在の不安定な労働条件を再び全面後退させることにより、 「資本の、資本による、資本のための」国家が韓国社会の未来を政府単独で決定したためだ。 新自由主義に体制が転換され、雇用不安と賃金カット、非正規職の増加等を通じ、資本の利益は極大化した。 1998年の整理解雇法、2006年の非正規職法、2011年の複数労組施行およびタイムオフ導入で、 一方では労働者の雇用と労働権が不安定になり、他方では労働者自らが自分たちを保護する民主労組の基盤が揺らいだ。 その結果、労働者の人生は経済的な困難だけでなく、 精神的かつ肉体的な不安が深刻になり、 こうして新自由主義は労働者やその家族の人生を崖っぷちに追いやった。 ところが朴槿恵(パク・クネ)政権は、 労働者の人生を現在よりさらに不安にし、今では崖の下につき落とす方案を改革という名で進めている。

労働市場構造改悪案の主な問題点を調べよう。 政府の計画は、団体協約条項と就業規則変更を通じ、 低成果者の一般解雇の導入、賃金ピーク制の全面化および成果年俸制の全面改編などを目標にしている。 まず、団体協約条項に関して政府は強制的に是正指導をしている。 しかしこれは憲法が保障する団体交渉権と労使自治権を蹂躙するもので、 政府は「労組同意条項」を違法と規定し、不合理な条項だと罵倒している。 しかし団体協約では、まず雇用保障と使用者の人事権乱用を制限することができ、 次に就業規則の新設または変更時には必ず労働組合同意条項を確保することができ、 さらに賃金体系改編に対する労組の同意条項を確保できる。 こうした条項により、賃金の低下、賃金の差別支給、補償と人事権連係の禁止などを明文化できるのだ。 現在の法体系上、政府のこうした是正指導は明白に不法だ。

就業規則変更は「不利益変更要件」を緩和する内容を含んでいる。 就業規則を変更するには、過半数労組の同意または過半数労働者の集団同意が必要だ。 ところが政府は「不利益変更要件」緩和のガイドラインを提示して 「社会通念上の合理性」を掲げてこうした同意手続きなしで不利益変更ができるようにしようという。 政府はこれを通じ、賃金ピーク制と低成果者解雇基準を導入しようとしているが、 これは不利益変更の要件にならない。 つまり、政府が言う社会通念上の合理性は、朴槿恵政権と韓国の財閥に労働者を保護する邪魔な労使規則で、 民主労組運動の産物である労働権を意味する。 政府の計画は、該当事案に労組が反発する場合、 団体協約の一方解約を可能にすることにより、 労組の同意がなくても、または労働者個別の同意で就業規則を変更するということだ。

朴槿恵政権の労働市場改悪案が一部でも貫徹されれば団体協約は無力化し、 就業規則不利益変更は緩和されるだろう。 これにより、賃金ピーク制と低成果者解雇の導入、雇用安定合意など、 団体協約上の労組同意権が剥奪されて労働者たちはそれこそ絶壁からつき落とされ、 民主労組の基盤は根元から揺らがされるだろう。 組織労働者と未組織労働者、そして正規職労働者と非正規職労働者、皆にさらに低い賃金、さらにやさしい解雇、さらに多くの非規定職が現実の問題として現れるだろう。 したがって、労働者をさらに不安と恐怖に追いやる朴槿恵政権の労働市場構造改悪は、 2015年に労働者たちが死活をかけて防がなければならないものであり、 ゼネストはこの闘争を勝利に導く武器になるだろう。

付記
この文は労働者教育センター7月機関誌に共にのせられます。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-07-15 06:49:45 / Last modified on 2015-07-15 06:49:46 Copyright: Default

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