本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:民主労総ゼネストは「公共機関正常化阻止」の闘争
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1428375606048St...
Status: published
View


民主労総ゼネストは「公共機関正常化阻止」の闘争

[寄稿]闘争の失敗を乗り越えて総力闘争の組織を

イ・ソンウ(全国公共研究労組委員長) 2015.04.06 16:27

ゼネストは特定産業労組の組合員だけでなく、すべての労働者が共同の要求を掲げて完全に仕事を休むことだ。 全泰壹烈士のお母さんとしてよく知られる李小仙(イ・ソソン)女史は、10数年前の労働者大会前夜祭で、 労働者たちよ、あなた方が3日間、何もせずに家で寝ているだけで世の中が変わるのに、 それができないのか、と一喝された。 世の中を動かすすべての労働を止めて生産とサービスを中断すること、それがまさにゼネストだ。

合法的な手順を踏んでも不法だとする韓国社会では、 ゼネストは民主的手続きと十分な議論を経ても不法のレッテルを避ける術がない。 一度例外はあった。 1995年に民主労総が発足して、その翌冬に行った労働法・安全企画部法かっぱらいに反対するゼネストがそれだ。 延べ人数400万人近くがストライキに参加し、組合員の90%が少なくとも一日以上ストライキに参加した。 規模も大きかったが、絶対多数の国民が支持したストライキだった。 当時、大統領だった金泳三(キム・ヨンサム)氏は初めはどの先進国に労働争議があるのかと腹を立てたが、 ゼネストの規模と国民の支持に驚いて、あることをないと話したのは誤りだったとし、直接謝罪した。 不法ストライキを合法にするのはストライキの名分と規模と国民の支持にかかっている。

その後、20年近く民主労総の名によるゼネスト宣言は無数にあったが失敗を繰り返した。 ストライキの名分は明らかだったが、その規模と国民の支持は96年のゼネストに至らなかった。 今回のゼネストはどうか? 朴槿恵政権の露骨な財閥生かす政策に対抗する闘争の名分は山のようにある。 みんなで一緒に暮らそうというゼネストだ。 解雇は簡単に、賃金は低く、非正規職は拡大する労働政策を変えようというのが目的だ。 さらに労働者を絞りあげ、労働市場改革だと言うのを止めろということ、 公務員年金改悪をやめて国民年金など公的年金を強化しろということ、 最低賃金5580ウォンを1万ウォンに上げろということが主な要求だ。 公共機関労働者なら、公共機関に対する2段階のニセ正常化中断を核心要求に加えないわけにはいかない。

[出処:労働と世界ピョン・ベクソン記者]

情勢と要求から見て、今回の闘争は避けられない。 問題は、ゼネストに参加する労働者たちの規模だ。 民主労総と各産別組織は議決機構を経てゼネストを決議したが、 直接ストライキを組織して実行する単位労組は悩みが多い。 ゼネストに対する認識と参加経験が幹部の間でも偏差が大きく、 ある現場の幹部らは組合員たちにゼネストの理由を説明し、参加させる自信がないと吐露したりもする。 4月8日まで、いっせいに実施しているゼネスト賛否投票を署名やインターネット投票などで替えている事例からも現場の困難がにじむ。

特に公共機関の労組は第1段階のニセ正常化攻勢にきちんと対応できずにそれぞれの生きる道を進み、 戦列をまとめる間もなく、組織力と闘争力がまた試験台に上がったわけだ。 公共部門の産別労組らがそれぞれ闘争準備に拍車をかけ、両労総の共対委も再稼働したが、 昨年の失敗を挽回できるかどうかはわからない。 民主労総ゼネスト闘争の成敗が第2段階のニセ正常化闘争の試金石と認識してはいるものの、 まさに公共機関の労組らはゼネスト闘争の組織化に死活をかけることができない状況だ。 心とからだが別に動いているような形だ。

しかし政府は少しも躊躇せず、第2段階のニセ正常化を押し通している。 3月24日、企画財政部は「公共機関2段階正常化ワークショップ」を開き、 第1段階正常化対策の成果を誇り正常化推進方向を公表した。 政府は第1段階の正常化により、18の機関の負債を24.4兆ウォン削減し、 302の対象機関のうち290の機関が放漫経営の改善を完了したと自画自賛した。

とんでもない。 政府が機関長を解任すると脅迫し、成果給の支払い中断、賃金凍結指針を武器として直接労働組合を弾圧した結果だからだ。 使用者の不当労働行為は想像を超えている。 団体協約が堂々と生きているのに労働者たちを懐柔し、 労働条件改悪同意書に署名させ、それで指針を履行したと政府に偽りの報告をした使用者もいる。 まともな労使関係さえ非正常的にしたのがまさに第1段階のニセ正常化だ。

負債削減と放漫経営清算を掲げたが、第1段階のニセ正常化が狙った刃先は公共機関労組に向けられていた。 ガス、鉄道、医療、年金、発電などの公共サービス領域を利益増殖の道具としようとする政権や資本の立場から見れば、 彼らに抵抗する公共機関労組は目の上のたんこぶのような存在であった。 団体協約に保障された労組の権利を制限することが、第1段階ニセ正常化が狙う本当の理由だった。 手段と方法を問わず、政府が使用者を急き立てた結果、賃金と雇用安定など、団体協約の重要な「合意」条項は「協議」に改悪された。

[出処:労働と世界ピョン・ベクソン記者]

このように政府は第1段階のニセ正常化を通じ、ひとまず橋頭堡を確保したと判断し、 公共機関を労働市場構造改悪の模範的な先行事例にするため、 第2段階のニセ正常化の手綱を引き締めている。 公共機関ワークショップで発表した内容を見ると、成果主義への盲信でいっぱいだ。 政府が言う成果主義とは、仕事ができる人にさらに高い賃金を払い、 仕事ができない人は退出させるということだ。 それを可能にさせる代表的な制度として政府が強制しようとしているのが成果年俸制と二振アウト制だ。

ご存知の通り、成果年俸制と二振アウト制は2010年に李明博政権が試み、すでに失敗している。 自分たちの領域で黙黙と働いてきた労働者を低成果者と決め付けて賃金を削り、 その上職場から追い出そうとする暴力的な制度をまた強行するという朴槿恵氏の時代錯誤的な自信はどこに始まったのだろうか? 共同対応・共同闘争の約束が空しく崩れた第1段階ニセ正常化阻止闘争の失敗が朴槿恵氏に羽をつけてやったようなものだと言っても行き過ぎた評価ではないだろう。

民主労総のゼネスト闘争が失敗すれば、 解雇要件と就業規則改悪手続きを緩和して派遣業種を拡大する法律と施行令がすぐ通過するだろう。 公共機関第2段階ニセ正常化の1次阻止線が突破されるのだ。 ゼネスト闘争を迂回して、第2段階ニセ正常化だけに備えていれば、 牛がなくなってしまったのに牛小屋を直そうとして槌を準備するのと違わない。 公共機関労組の幹部はゼネスト闘争が第2段階ニセ正常化阻止闘争だという点を明確にして、 直ちに組合員たちに駆けつけなければならない。 そして組合員たちがどんな形であれ、闘争に参加するようにしなければならない。 それが自ら雇用と賃金を守り、公共機関が国民のために自分の役割を果たすところだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-04-07 12:00:06 / Last modified on 2015-04-07 12:00:07 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について