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SJM労組の勝利と残された課題

「労組弾圧の慣行、職場閉鎖と用役暴力を断ち切る事例になる」

ソ・ドンフン記者 2012.09.28 18:13

用役暴力と職場閉鎖で問題になった自動車部品業者のSJMが、9月27日、正常な 操業を再開した。使用者側の職場閉鎖措置と共に工場の外に追い出された 労働者たちは、59日間、工場前の座込場と国会、労働部、警察庁を行き来して、 事態解決に努めた。用役投入と職場閉鎖の後に工場に復帰した事例は多くなく、 労働界は喜びを表わしている。

▲26日朝、工場前の広場に集まった組合員

勝利の要因と残された課題

今回の闘争の勝利の要因として、金属労組SJM支会のチョン・ジュヌェ主席副支 会長は「△組合員の団結力、△報道機関と政界のす早い対応、△多くの人々の 関心と支援」の3つを選んだ。

「職場閉鎖の期間に操業に復帰した人員は10%にもならない。少ない人員だが、 最後まで互いを信じて行動を共にしたので、皆一緒に現場に戻れた。また最後 まで頑張れたのは、金属労組京畿支部の事業場と全国から駆け付けてくれた多 くの人々がいたからだ。9月1日の夜には文化祭の途中に突然、暴雨が襲い足首 まで水がきたが、参加者は動かなかった。本当に皆にとても感謝している」

「双竜車、シグネティクス、パーカ、プレシアなど、今でも戦っている方々に とても助けられた。絶対忘れられない方たちだ。今からは彼らの戦いに私たち が積極的に出る時だ。双竜車事態から3年経ってやっと聴聞会が開かれたが、 SJMは2か月で聴聞会が開かれた。奇跡のようなことだが、SJMが新しい転換点を 作ったと思う」

SJM事態の議論が高まった8月、自動車部品メーカーで京畿道安城にあるトウォ ン精工では、使用者側が職場閉鎖と委託警備業者投入を断行しようとしていた 直前に労働部と警察の積極的な仲裁で計画が中止になった。労働界では、今回 のSJMの勝利について「ユソン企業やマンドなどの自動車部品メーカーの相次ぐ 『組合潰し』工作の流れを防いだ」という評価もある。

労組と使用者側は、操業再開に先立ち、9月25日、△経営陣公開謝罪、△契約職 社員の正規職化、△慰労金支給、△創造コンサルティングのような労組破壊専門 外部コンサルティング業者との断絶など11項目の『職場閉鎖関連労使合意書』に 暫定合意した。

だが、労使双方が提起した告訴告発と負傷者対策などは、これから実務交渉で 議論される予定だ。職場閉鎖後に中断していた賃金団体協議交渉もまた議論を 始めなければならず、現場にできた新労組との関係も解決すべき課題として残 されている。

職場閉鎖後に第2労組設立、組合潰しの手順で議論

職場閉鎖中の8月13日、SJM工場に一般企業労組が設立された。ユソン企業や マンドのように、職場閉鎖後に新労組を作り、既存の労組を無力化させる 使用者側の意図だと解釈された。

24日に開かれた国会聴聞会で、SJMのキム・フィジュン経営支援本部長は、創造 コンサルティングと2億ウォンの労務コンサルティング契約を結んだと明らかに した。創造コンサルティングは企業と契約を結び労務管理を企画する業者で、 創造コンサルティングが労務管理をした事業場のうち14か所で労組が崩壊し、 その方法はほとんど一致している。

企業労組が設立された後、新労組は既存労組である金属労組SJM支会組合員に新 労組への加入を薦めた。会社も職員に金属労組から脱退して新労組に加入しても 何の不利益もないと暗示する携帯メールを送った。

▲職場閉鎖期間使用者側が職員たちに送った携帯メール

SJM支会によれば現在、新労組の組合員は管理職職員を含み約50人だ。正常操業 再開で、金属労組所属組合員と新労組組合員は互いに顔を会わなければならな い状況だ。工場から追い出されていた彼らと、彼らを前に置いて操業に参加し なければならなかった人々の間は、すでによそよそしい。

新労組設立についてチョン・ジュヌェ主席副支会長は「交渉の場で使用者側に 新労組設立に関与しなかったかと尋ね、設立を取り消せと言ったが使用者側は 自発的にできたと言い、関与を否定した。だが会社の助けがなければ新労組が どのように職員の電話番号を知り連絡できるか」と会社の介入を主張した。

また「使用者側は今後も新労組を利用して金属労組脱退を推奨すると予想する。 これは現場内の労働者を分断する結果になる。7月27日以前の関係を回復したけ れば、使用者側は以前の状態に全てを戻せ。前はなかった新労組を使用者側が 作ったのだから責任を取れ」と新労組に対する立場を明らかにした。

金属労組SJM支会は新労組側に文書を送り『新労組加入勧誘中断』を要求する計画だ。

崩れた信頼、簡単に回復できるか

職場閉鎖撤回前に行われた交渉で、使用者側は労組に「労使関係を7月27日以前 に戻したい」と話した。だが7月27日未明の用役暴力で数十人の負傷者が発生し た日を労働者は忘れられるだろうか? わずか数日前まで使用者側は労働者たち に携帯メールを送り、「不法行為を主導した支会執行部に最後まで責任を問う」 と脅迫してきた。

9月26日朝、SJMのカン・チュンギ代表理事などの使用者側代表は、工場に集まっ た労働者の前で謝罪文を朗読した。今回の使用者側の謝罪に対して、チョン・ ジュヌェ主席副支会長は「使用者側が本気かどうかは今後を見守らなければな らない」と評価した。

続いて彼は「いくら真心から謝罪しても、組合員の恨みは強い。あれほど激し い暴力を使い、後で申し訳ないといえば、それがなかったことになるか。今回 の謝罪も、支会はキム・ヨンホ会長自身が来て謝罪しろといったのだが、会長 の回答は7月27日の事態を知らなかったという」とし、凝りは簡単には消えそう もないと思うとも述べた。

7月の暴力事態により、使用者側は労働界と政界など、世論の叱責を受けてきた。 だが使用者側は一言の謝罪も間違いを認めもせず、逆に8月、組合員を業務妨害 と暴力、財物損壊などの容疑で警察に告発することさえした。

今回のSJMの操業再開で、安山市は27日の会議で「地域仲裁団がSJM事態解決に 寄与した」とし、『モデルケース』になると評価した。

しかし命の威嚇を感じるほどの暴力にさらされた労働者は、単に業務に復帰し たからといって事態が解決したわけではない。被害者への補償と謝罪が行われ、 その後、慣行のように続いてきた労働現場内の職場閉鎖と用役暴力を根絶し、 別の被害が発生しなくなった時、始めて正しい事態解決と呼ばれるだろう。 (記事提携=ニュースセル)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-09-30 04:50:55 / Last modified on 2012-09-30 04:50:56 Copyright: Default

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