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「また一家族にまとまれば会社に勝てる」

[インタビュー]民主労組死守高空籠城10日目のホン・ジョンイン ユソン企業支会長

カン・ジョンジュ(金属労組) 2012.10.31 17:01

10月30日、ユソン企業牙山支会のホン・ジョンイン支会長が陸橋に上がって10 日目だ。1坪ほどの空間で身動きもできず、道路を通る車の音でゆっくり眠るこ とさえできない。そこで10日過ごしたホン支会長は、現場の組合員と悩みなが ら話をして、一緒に動けないことを残念がった。支会の組合員は毎晩、陸橋の 下のテントを守り、出勤闘争に参加している。京畿支部SJM支会は全組合員が 20の組を作り、毎晩支会のテント座込場を訪問している。この闘争が勝利する まで連帯するという約束をしたという。

▲5月18日、ユソン企業支会闘争1年を記念する『民主労組死守、深夜労働撤廃金属労働者総力闘争決意大会』に参加するためにユソン・アサンの組合員が工場に集まった。写真一番右がホン・ジョンイン支会長。シン・ドンジュン

ホン支会長は「ユソン支会だけが生き残ろうとして籠城しているのではない。 民主労組死守のために全ての労働者が今からでも共同で準備して闘争しなけれ ばならない」と指摘した。「金属労組が地域と現場で信頼を得て、全ての闘争 をまとめていくべきだ」と強調した。ホン支会長は金属労組の組合員に「現場 で組合員が1人1人立ち上がって戦わなければ、どんな闘争も勝利できない」と し「陸橋に来るのも良いが、現場で闘い、組合員が一つに固まってほしい」と 頼んだ。

***ホン・ジョンイン支会長インタビュー全文***

陸橋での座り込み10日目だ。どんな状況か。

一番つらいのは睡眠だ。テントの裏を車が通るたびに騒音がひどく、風も強く て眠れない。一週間程経って、したいことが多くなった。陸橋を通りながら挨 拶する組合員一人一人にさらに関心が行く。組合員がずいぶん心配してくれるが、 どんな悩みがあり、考えているのかよく分からないので降りて行って話したい。 現場で向きあって、一緒に闘いたい気持ちがさらに強くなる。私がいなくても 組合員たちは現場でしっかり戦ってくれていて、本当にありがたい。

2011年8月に法院の仲裁で現場に復帰した。その後の現場の状況を教えて欲しい

昨年8月に、会社が職場閉鎖を撤回して組合員が現場に復帰したが、使用者側は 労組破壊シナリオを完成させるため計画通りに進めた。会社は法院の仲裁にも かかわらず、絶えず選別的復帰を主張した。続いて創造シナリオの通り組合員 全員を懲戒し、1次懲戒者は重懲戒した。金属労組の中心になる何人かを重懲戒 すれば、その後は簡単に組合員を思い通りにできると判断したようだ。

▲ホン・ジョンイン支会長の座り込みテントが国道脇の手すりに危っかしく設置されている。シン・ドンジュン

復帰後も現場はあらゆる弾圧と御用労組と差別待遇で苦しんだ。組合員の中に は現場の弾圧が絶えないので、管理者を殺したいと訴えることもあった。管理 者の圧迫で現場は萎縮していった。まともな生活が送れなかった。それがまさ に使用者側の狙いだった。時間をかけて圧力をかけ続ければ、いつかお前たち は崩れると考えたのだろう。難しい時期だったが組合員は粘り強く耐えた。

高空籠城を決心した契機は

聴聞会、国政監査で労組破壊文書があらわれた。使用者側は国政監査さえ終わ れば大統領選挙局面になるから、この時期だけやり過ごせばいいと考えて逃げ ようとした。労働部でこの懸案を調査しても過怠金程度で終わればそれまでだ。 国政監査が終わるこの時点で、労組破壊問題がこのままで埋もれてしまうと、 さらに苦しくなると判断した。

もうひとつの理由は、現場の組織的闘争を作りたいということだった。組合員 全員が一つに固まって使用者側を屈服させなければならない。幹部だけが先頭 に立つ闘争では勝てない。陸橋に上がって、幹部に陸橋闘争に集中せず、現場 に中心をおく闘争をしてほしいと頼んだ。幸いにも組合員が現場で立ち上がり 始めた。今からでも幹部にお願いしたいのは、陸橋を守ることだけに集中せず、 現場の仲間をできるだけ組織して一つに固まれるようにしてくれということだ。

御用労組による現場対立が激しいという。今回高空籠城に突入し、また支会が御用労組の組合員をオルグする宣伝をしている

御用労組に行った組合員たちは、私たちを裏切って行ったことについての負担 が大きいだろう。だからわが支会の組合員がまず心を開かなければならない。 われわれは一家族だ。私たちが本当に一つだった時に戻らなければならない。 御用労組に行った組合員は、私たちが嫌いだから行ったのではない。今の状況 は、労働者の間違いではない。すべて使用者側の意図で、すべての責任は会社 に問うべきだ。私たちが一つの組織になること、それが使用者側が意図する全 てを壊し、勝利することだ。

全国的な労組破壊シナリオと、それによる弾圧が深刻だ

労組破壊シナリオは、サンシンブレーキ、ヴァレオマンド等等すでにかなり前 から実行されてきたし、結局ユソンにまできた。昨年、ユソンがたたかった時 も、労組破壊を忠南で止めなければならないと話した。だが京畿SJMまで続いた。

▲ホン・ジョンイン支会長がテントで組合員と共に闘争シュプレヒコールをあげている。シン・ドンジュン

1か所の闘争だと考えれば絶対勝てない。ユソンが生き残っても、他の事業場が このシナリオのとおりにやられる事態になるだろう。残念なことは、まだ多く の人がこの問題の深刻性を知らなかったり、弾圧される事業場を見て萎縮して いるということだ。今ユソン支会で勝利の出発点を作り、全国に拡散して共同 闘争を作らなければならない。

民主労組死守共同闘争のための金属労組の役割は何だと思うか

遅れて考える時が一番はやいと言う。今日(10月30日)、労働部長官が不当労働 行為について調査、処罰するといったが、ただでは実行されない。労組が圧迫 しなければ実際に履行されない。金属労組が闘争する所をすべて集めなければ ならない。その前に労組中央がまず現場に近付かなければならない。今現場で は労組の信頼がとても低くなっている。中央に集まろうといっても、また自分 たちが脇役になったり労組の成果中心だけで闘争するのではないかという憂慮 が明らかにある。労組がまず事業場に近付いて、事業場、地域から闘争動力を 作らなければならない。本当に労組が信頼されれば、集中した闘争もさらに力 付けられる。

事実、これは支会も同じだ。現場がいわゆる『自販機労組』のようになった。 支会長と幹部中心に活動したため、現場の闘争がなくなった。こうした状況を 見て使用者側も狙っていたのだろう。現場を組織して現場から闘争し、新しく 出発すべき時だ。

座り込み突入以後、会社と警察の反応は?

昨日、牙山警察署が国土海洋部が告訴したと言って私に出席要求書を持ってき た。後で、2次出席要求書を持ってくるといった。国土海洋部は10月31日までに 高空籠城場を自主的に撤去しろと文書を送ってきた。初めてここに上がって、 幹部に首輪を作ってくれといった。挫けそうになるかもしれない私への覚悟で もあり、侵奪への備えでもある。組合員も、もし首輪で危険な状況にならない か、とても心配している。もし本当に彼らが撤去しに来れば、その時の状況に より、私も判断をする。

▲ホン・ジョンイン支会長が座り込みテントで組合員と共に闘争シュプレヒコールをあげている。シン・ドンジュン

座り込み始めて、使用者側に懸案問題の解決のために特別交渉をしようと文書 を送った。事業主を処罰することだけが出来ることではないと思う。現場問題 が解決しなければ、この闘争には意味がない。だが使用者側はこれさえ拒否し た。さらに強力な闘争が必要だと思う。

支会組合員に言いたいことは?

出勤するたびに組合員たちが車を止めてこちらを見て挨拶し、互いに話すのが、 会社前の道路が渋滞して駐車場のようになる。酒を飲んで惜しみながら、連絡 する組合員、とてもここを見ていられない組合員もいる。組合員の姿を見ると 本当に涙が出るほどありがたい。だが今ここで弱気になれば、また使用者側は 逆襲してくるだろう。

現場で1人1人が闘争すればその、闘争が一個人の闘争から、ユソン支会全体の 闘争に拡大し、結局私たちが勝利できる。今、私の首にかかっているのは民主 労組の最後の綱だと思う。これを離せば使用者側のシナリオが完成して労働者 は人間らしく生きられない。一つの気持ち、本当に一家族にまたかたまって、 勝利するその道のために一緒に行こう。(記事提携=金属労働者)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-11-01 10:15:33 / Last modified on 2012-11-01 10:15:34 Copyright: Default

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