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10日ぶりの離散家族対面で降り注ぐ雨

[非正規職鉄塔日記(2)]現代車非正規職2次包囲の日... 10日ぶりに初めて熟睡

チョン・ウイボン(現代車非正規職支会事務局長) 2012.10.30 16:37

[編集者 注] 『不法派遣撤廃、すべての社内下請正規職化、鄭夢九拘束』を 要求し、現代車蔚山工場ミョンチョン裏門駐車場送電塔で座り込みに入ったチョ ン・ウイボン現代車非正規職支会事務局長が鉄塔日記を書き始めた。チョン・ ウイボン事務局長は毎週2回程、日記を送る予定だ。

朝から忙しい。蔚山工場包囲の日、解雇者の仲間たちが全国から集まるお客さ んを迎える準備でいつもより忙しく動く。忙しいスタッフを手伝えずに残念に 思う心で見下ろす。

電話一本がかかってきた。現代自動車第2工場ラインの巡回に行ったが、非正規職 労働者が働いているという知らせだった。今日は蔚山、牙山、全州工場の非正規職 労働者が全員一日ストライキをして鉄塔に集まる日なのに、私が働いていた 第2工場の労働者が仕事を止められずにいたのだ。

現代車蔚山工場で一番組合員が多かった第2工場だ。以前は自負心もあったのに、 今は顔色を見る人の方が多い。一方から見れば、こんな組合員を理解できるが、 他方では腹が煮えくり返る。

蔚山工場包囲の日の風景

『がんばれ非正規職』現代車蔚山工場2次包囲の日の約束時間が近付いた。組合 員が一人二人と入ってきて、何となく寂しかった駐車場が埋まり始めた。正門 での集会を終えた組合員が五色の幟を持って入り始めた。どれくらい集まるか 心配だったが、デモ行進の末尾が見えなかった。いつのまにか私の口元に満足 げな微笑が広がった。

集会開始と同時に鉄塔の上で、家作り工事が始まった。揺れる鉄塔にふらつく 体をロープを縛り付け、狭苦しい板に座り、セミのようにしがみついている私 が残念だったのか、プラント労組の先輩が鉄塔に上がってきた。

トントン... 金属労組集会が終わる頃、空を見た私は『ウワー』と言う歓声が 自然に出てきた。二本の足を伸ばすことも苦しい合板の上で10日を過ごしたの で、全身が痛んでしびれてきたが、あっという間に頭の上にサッカー場ほどの 家が建てられたのだった。

浮き立つ気持ちで下の荷物を一つ一つ上げて送る。はやくこの不安なところを 離れたい気持ちだったのか? 下にいるビョンスン先輩に荷物をまとめて早く来 いと言い、私が先に新しいねぐらに引っ越してきた。

新しい家に引っ越してきた日

一方では本当に有難かったが、他方では、考えるてみるとどれほど長引いても いいように、こんな家まで建ててくれるのか、こんなことではこの冬を鉄塔の 上で過ごさなければならないのはでないかという気がした。そんな考えもしば らく、きちんと立っていることもできず、きちんと横になることもできず、 足のけいれんが続いた時間を考えると嬉しい。

新しい家に上がってくるとすぐ、一足踏み入れた。ウーン〜も丈夫だな。いよ いよ毎日毎日不安に苦しんだ私は安心し始めた。数分後にビョンスン先輩も上 がってくると歓声をあげる。

10月17日夜、われわれは同じ気持ちで上がってきたが、空間のために下の階と 上の階で、離散家族として過ごさなければならなかった。やっと一緒に暮らせ るという安堵のため息が出た。ドヤからアパートに引越しした気持ちというか?

ドヤからアパートに引越しした気持ち

荷物を解いて文化祭を楽しもうとした瞬間、携帯に『パク・ヒョンジェ支会長 の拘束令状棄却』という知らせが送られてくる。法院が私たちの声を聞き入れ 始めたのだ。これから私たちの戦いは安心だという思いと、鉄塔の下で鳴り響 く歌声に、私のからだは思わず踊っていた。

空腹だったが、しばらく新しく引越した家と支会長釈放の知らせをFaceBookの 友人に知らせるために、私の指は休む暇もなく動く。鉄塔の下の組合員たちに 私たちの引っ越し祝いに招くと冗談も言う。

新しい家に引っ越したのだから、今夜はとにかく楽しく遊ぼうと考えていたが、 いつのまに私の目から涙が流れた。不法派遣の正規職化で戦ってきたこの10年 の時間と、組合員の仲間の顔が走馬灯のように目の前をちらついた。ここでは 泣かないと約束する。私たちが勝利した時、勝利の涙を流すとして涙をのむ。

突然、焼酎を切実に飲みたくなる。鉄塔の下ではパク・ヒョンジェ支会長釈放 の知らせに、全国で『非正規職がんばれ』と駆け付けた仲間たちの連帯に幸せ な酒杯が回っていた。今すぐにでも鉄塔の下に降りて、仲間たちと抱き合って 酒杯をあげたかった。

しかしどうしよう。寝袋の中に入って、空をながめる。夜空の星はただ美しい。 鉄塔の下の歌声が少しずつ消えていき、思わず深い眠りに陥った。寝床につい ていくらもたたなかったように思うが、もう夜が明け始めていた。10日ぶりに 初めての熟睡だった。

10日ぶりの初めての熟睡

夜中に鉄塔を守っていた組合員たちが今まさに丸まって眠りに入ったようだが、 雨が降り始める。すばやく雨具を取り出した。1人用のビニールテントも打つ。 鉄塔の下では出勤宣伝戦が終わり、朝食を終えた組合員と連帯の仲間たちが、 家に帰る支度をしている。

一瞬、頭の中にはこの多くの仲間たちが帰ったら、この何となく寂しさにどう 打ち勝ちのかという考えがかすめる。ソウルで開かれる非正規職のない職場と 社会キャンドル行進に参加するために、また遠くに行かなければならない仲間 たちが手を振る。残念で、何となく寂しくて、有難くて、申し訳ない気持ちだ。

からだが震えてきて、ラーメンのスープを思い出した。降りしきる雨を受けな がら、ラーメンを煮た。普段は登山が好きだった。頂上を極めた時に食べるラー メンの味が最高だと思っていたが、鉄塔で食べるラーメンの味はそれを凌ぐ。

10日間の離散家族だったビョンスン先輩と、こじんまりしたビニールテントに 横になり、これまでできなかった話をした。ところがビニールテントから水が 落ち始める。うう...

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-10-31 04:56:37 / Last modified on 2012-10-31 04:56:37 Copyright: Default

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