本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:3次希望バスを約束する連帯と希望
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1310586223911St...
Status: published
View


希望バスが積み出すものは

[寄稿] 3次希望バスを約束する連帯と希望

ソ・ヘシク(ルポ作家) 2011.07.12 10:28

ついに壁を越えられなかった。

7月10日午後3時、家に帰るために、また希望バスを待っている。釜山駅を出発 する希望バスは、道路が複雑で、影島に来るのにさらに時間がかかるかも知れ ないという便りを伝えて聞く誰かの口からため息が出る。今晩すぐ夜間作業に 入らなければならないという人から、全く眠れず頭が痛いという人まで、希望 バスの到着を待つ人々の理由は多様だ。雨が降り注いだ前日と違って暑い。塀 によりかかって座り込んだ人に、誰かがアイスクリームを配る。「トウォサニャン (氷菓製品名)」をなめながら、希望バスを待っている。普段は甘いものを ほとんど食べないが、今日はずっと甘い物ばかりだ。ダンキン・ドーナツに続き トウォサニャンまで、これほど甘いものを食べる日もあるとは、私もよほど がっかりしていたようだ。

「エイ、ここまできて、ジンスク姉さんにも会えない」。暑さのためか顔が赤 くなった労働者が、怒りか願望かわからないような言葉を投げる。顔を見ると 1次希望バスに乗ってきた時、韓進重工業工場の中で見た労働者だ。わずか一か 月前、容易ではなかったが、それでもその時は工場の塀を越えた。韓進重工業 の工場の中で解雇労働者と会い、クレーンの上のキム・ジンスクと話ができた。 35メートル上にはいつもキム・ジンスクがいた。ちょっと上を見れば彼女がい るという事実は安定感を与えてくれた。パク・チョンチョル人権賞を直接滑車 にぶら下げて彼女に渡した日、疲れた心身を解いて韓進重工業のある労働者は 踊った。踊る彼を見て、キム・ジンスクが笑う。その日はそうだった。たとえ 私たちが切実に望むものを得られなかったとしても、われわれは出会った。 笑って、踊った。帰る道、残された人と立つ人は抱き合った。「必ずまたきます」。 その約束は一か月後の2次希望バスで実現した。

7月9日午後、2次希望バスで来ると、釜山駅には雨が降っていた。集中豪雨とい う言葉が実感できた。一年間の雨の半分以上が7、8月に降ると言うが、その雨 の半分程が今降っている雨でないかと思うほど降っていた。雨が降っても釜山 駅の広場には、噴水が旺盛な水を吹きあげていた。雨の降る日に噴水を動かす のを見て、とんでもないと思ったが、数千人が集まっている釜山駅広場を見る と、すぐ理由が分かったようだ。久しぶりにノチャッサの歌を聞く。年を取ると 人の表面の姿は変わっても、声は簡単には変わらない。歳月は流れても ノチャッサの声は相変わらずだ。彼らが歌う「共に行こう、私たち」の歌詞を 聞きながら、韓進重工業がある影島の方へとデモ行進を始めた。

「解雇者が工場の前で待っていて、解雇されていない組合員がこの希望バスの 隊列と共に移動し、工場の前で会うと計画しました。工場の中まではともかく 前までは行けると思ったのですが、このように封鎖されると」。

今年29歳だという若い労働者は、韓進重工業を解雇された。自分は解雇労働者 だが、そのままこの希望バス隊列と合流しているという彼は、障壁に阻止され 工場側に移動できず、ツイッターで工場の前の労働者と交信していた。しかし この現場の姿をそのまま伝えられずに残念だという。あと一週間頑張り、二日 頑張り、一日だけ頑張り、2時間だけ頑張り、分単位で、あるいは秒単位で希望 バスを待っていたという人々。今残された唯一の希望は希望バスだけなのに、 この苦しい時間が過ぎれば彼も希望バスに乗ってさらに苦しい事業場へと連帯 に行きたいと言っていた。連帯が有難く、その力でまた連帯するという人々、 希望バスが積み出したのは人だけではない。

壁を越えられなかったとしても、眠れずに頭が痛いとしても、私たちがまた 希望バスに乗るしかない百種類を越える理由。希望バスが運ぶのは今、そして 未来の希望だということを。3次希望バスの出発を予告するニュースが朝の 新聞に踊っている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-07-14 04:43:43 / Last modified on 2011-07-14 04:43:45 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について