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曹渓寺まで吹くユソン企業『民主労組死守』の風

断食座り込み中のイ・グヨン支会長、オム・ギハン副支会長と会う

特別取材チーム 2011.07.05 14:42

ソウルの中心街にある曹渓寺には多くの人々が行き来する。都心をさ迷い、し ばらく足を止めて休みに来たり、林の中をさ迷う気持を引き締めるために仏法 と会いに来たり、神経を刺激する自動車のクラクションの音にもかかわらず、 いっぱいに広がる寺の香りに両手をあわせ、身も心も敬けんになる。

そうして集まった人々が、ある暑い昼、軒下の広い陰でけだるい午後を送り、 その一方では青色テントで断食座り込み場ができた。警察に追われて、忠南の 牙山工場に組合員たちをおいてソウルにきたユソン企業(金属労組所属ユソン 企業支会)のイ・グヨン嶺東支会長、オム・ギハン牙山支会長は5日で断食7日目だ。

毎朝からだを洗い大雄殿と塔を回って気持を落ち着かせ、望みを繰り返して言 うという彼ら。座込場に足を入れ、息が詰まるような蒸暑さにくらくらとしな いのか気になるが、いっぱいの笑いでうれしく迎えてくれる。

「何も解決していないが...警察に捕まるより座り込みを」

笑いの海の座込場、「食いしんぼうがなぜ断食座り込み?」

『座込場にはたくさん訪ねてきますか』と聞くと、躊躇なくそうだという。 連帯労働者の訪問が続き、国会議員たちもくるという。

7月5日、取材に行った時も、ソウルのフランス大使館の前で闘争を続けている ヴァレオ空調コリアの労働者と社会科学を勉強する会に所属する女性が座って 対話していた。連帯に来た人々に振る舞われた飲料は、忠北道のチョン食品の 労働者たちが作り、箱で持ってきた『希望のペジミル』。だが彼らは断食座り 込み者の前ではとても飲めずに帰った。

「今朝、曹渓宗の総務が訪問しました。『困ることはないか? 暑いが覚悟して 来たのだから、がんばって解決しろ。必要なことがあればいつでも言え』と言っ て行きました。私たちの座り込みを変な目で見る人はいません。ただしトイレ に一人では行けず、組合員と行きます。曹渓寺の入口にトイレがあるのですが 私服警察が監視しています。顔を見てもう皆わかるそうです」 -イ・グヨン支会長

22日、労組員-警察と夜間の衝突があった後、警察の追跡を避けてこの曹渓寺に きた。5月18日から始まった労使紛糾の後、まだ何も解決していない。警察兵力 に引き出されても、ストライキをせず工場に一括復帰して働くといったのに、 会社は個別復帰させて労働者を分断した。手配、拘束される労働者が増えても、 労働部、検察-警察は不法を犯すCJセキュリティ所属用役警備員と会社責任者を 処罰しない。

22日朝、会社が物量搬出を理由に用役警備員を動員して集団暴行し、びっくり 驚天したその日、鉄パイプがまっすぐ飛んできて頬骨にささり、何にやられた のか記憶もないが頭蓋骨が陥没し、手術した同僚がまだ病院にいる。警察に殴 られて全治4週の診断を受けた同僚、連帯に来て帰り、また警察に殴られ頭を切っ た建設労組の組合員は拘束令状が棄却されたのに再拘束された。

警察に捕って調査を受けて監獄に行くよりは、しっかり粘って民主労組を破壊 しようとする会社-現代車、政府に抵抗する方法を選択した。

「ユソン企業労働者の戦いに労働部、警察が公正ではなく偏向的な対応をして います。組合員が用役と警察に殴られて怪我をしているのに、ちゃんと知って いる人は多くありません。労組の幹部に逮捕状を発行して口を塞ぎ、組合員を 復帰させません。ソウルで断食座り込みをして、この事態を知らせようと思い ます」 -イ・グヨン支会長

「手配されて逃げたり逮捕されるよりは、拠点を作って組合員が闘争する決意 に一役買おうと断食座り込みを始めました。5月24日に警察兵力が入ってきて、 全ての組合員を連行し、キム・ソンテ牙山支会長とキム・スンソク争議部長を 拘束しました。現代車牙山工場非正規職労組幹部もです。とても残念で、会い たいです」 -オム・ギハン副支会長

それでも彼らは笑った。血圧が高いイ・グヨン支会長の健康を心配しながらも、 オム・ギハン副支会長の一言で座込場は笑いの海になった。

「腹がへります(笑)。私は二食抜いただけでも倒れる。小さかった頃、うちは 店をやっていたが、家族が私に春窮期もしっかり食べる人だと、他人がアカシ アを取る時、私はアイスクリームを食べたと。私はご飯を抜くのが大嫌いです。 管理者たちも、この食いしん坊にハンストができるのかと言ってるだろうね(笑)」。

息子に会えずに帰った母

『民主労組死守』は忠南道牙山からソウルに

41歳のイ・グヨン支会長、43歳のオム・ギハン副支会長がハンストし、家族は 応援しつつも心配をする。特にイ・グヨン支会長の母親が2日に座込場にきたが、 その前日に座込場にきてとても息子に会えずに帰った。この知らせを聞いたイ・ グヨン支会長の心は複雑で息苦しかった。

「土曜の晩にお母さん、妹、妹婿、妻と8歳、11歳の息子二人が訪ねてきました。 前日来て帰ったという話を聞いて本当に... 子供たちは『お父さんここになぜ いるの? いつ家にくる?』と尋ねました。『お父さんは会社の仕事が終わらず、 家に帰れないから終わったらすぐ帰る』と言いました。涙が出ます。妻は嶺東 で家族対策委活動を一生懸命にしています。くやしいから。でもハンストには 不満でした。体調を崩すので早く終われば良いということでしょう。お母さん は『息子が苦しんでいるのに助けられずつらい』と言いながらも『息子を信じ ているから頑張って、必ず勝て』と言いました」 -イ・グヨン支会長

「妻が一番最初に『食べるのが好きな人がハンストできるの? 私が熱心に闘争 するから、からだに気をつけて』と話しました。妻が家族対策委活動をがんばっ ています。子供たちもお父さんの闘争を支持しているそうです。小さなときか ら子供たちをキャンドル集会にも連れて行ったので...」 -オム・ギハン副支会長

彼らは組合員たちと離れているので、心配もして、申し訳なく、言葉も多かっ た。組合員を堅く信じつつも、ビニールハウスで座り込みを続ける姿を考える と、胸が詰まり何も聞こえなくなる。

「今まで多くの峠を越えてきたし、まだ終わりが見えない闘いをしているが、 私たちが胸で感じた会社-現代-政府、用役警備員と警察に感じた怒りと同志愛 は、時間が経てばなくなるものではありません。堂々と正門から一括復帰しよ うと言いたいです。私がこの曹渓寺で組合員と共に闘争していることを忘れず、 両手を取って堂々と現場に帰ろうと言いたいです」 -イ・グヨン支会長

「労組の生まれは、個別の労働者が会社と戦っても勝てないから労組ができた のです。だからわれわれは集団で闘争するしかありません。会社が50年で数千 億ウォンを儲け、75人で始まった会社に800人ほどが働き、系列会社が5〜6社増 えたのは、黙々と現場で働く労働者がいたからです。今になって夜は働かずに 眠りたいというのを完全に無視してまったく労組をなくそうとする現実に、 腹が立ち背信を感じます。一括復帰しなければなりません」 -オム・ギハン副支会長

写真を撮ろうと言うと座込者が緊張した姿でポーズを取った。一度もマスコミ に出たことがないイ・グヨン支会長とオム・ギハン副支会長。今度のユソン企 業事態で『有名人』になったが、カメラの前では手をどこに置けばいいのかも わからない彼らの姿に笑いが出て、やはり労働者だという気がしたのはなぜだろうか。

そんな労働者が拳を握りしめ、工場に帰ろうと闘争する。『民主労組死守』の 叫びは忠南道牙山のユソン企業の塀を越え、ソウルにきた。

「労組を弾圧せず、民主労組を壊そうとせずに、一括復帰をさせるべきです。 労働部、司法府、政府も何度も労働者を押さないで下さい。この事態が長引けば 会社にとっても何も良いことはありません」 (記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-07-07 16:48:05 / Last modified on 2011-07-07 16:48:25 Copyright: Default

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