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韓国:現代車非正規職労組、「正規職世襲制は背信行為」
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現代車非正規職労組、「正規職世襲制は背信行為」

現代車正規職労組、正規職子弟の優先採用要求案を確定

チョ・ソンウン記者 2011.04.21 13:26

「正規職労組が身分世襲制を通過させたが、非正規職労働者は今日も本館前で 力強く非正規職撤廃闘争を進めています」。

4月20日、現代車支部110次臨時代議員大会で、団体協約第23条(採用および身元 保証更新)改正要求案が確定したことが伝えられ、水曜正門集会に参加した 現代車非正規職支会のある組合員が自分のツイッターに書き込んだ文だ。

非正規職1000万時代、すでに正規職は特権的な地位にあり、この特権的地位が 子供にも相続される「正規職世襲制」への非正規職労働者の怒りは正当だ。 正規職の子供への「加算点付与」は、差別を制度化して身分制を強める。

現代車非正規職支会(労組)は、水曜正門集会の過程で緊急声明を発表した。

現代車非正規職支会は「正規職採用世襲は、現代車社内下請労働者の不法派遣 正規職化闘争に冷水を浴びせる反労働者的行為であり、現代車非正規職支会の 85人の解雇者と550人の停職者に対する支持と連帯を破る背信行為」と強い調子 で批判した。

続いて「団体協約23条改正案の通過は自分の利益だけを考える極端な利己主義 だ。イ・ギョンフン執行部は今行われている不法派遣正規職化闘争を無視する な」とし「基本的に労働者の基本権と生存権を制約する不法な社内下請構造を 粉砕し、不法派遣を撤廃して、すべての社内下請労働者を正規職化する闘争に まず連帯しろ」と要求した。

一方、現代車支部110次臨時代議員大会では、現場組織が共同発議した「無給 専従者組合費延期承認要請およびタイムオフ粉砕のための争議発生決意の件」 が秘密無記名投票が進められたが、投票者412人の中で賛成233票、反対168票、 無効1票で可決された。

「来週には現場に戻る。小さなことから実践する」

現代車非正規職支会は4月20日午後5時30分、現代車蔚山工場正門の前で水曜集会 を開き「また現場を組織する」と決意した。

この日、現代車は正門の前を車両で封鎖して、管理者を動員して歩道を埋めつ くした。警察は遠くから傍観するだけで交通統制をしなかった。

現代車非正規職支会の組合員たちは、車が疾走する車道に押し出されて集会を 始めるしかなかった。集会が始まって現れた警察は、突然宣伝カーに不法駐車 の切符を切った。

この日の水曜集会は事業部別発言を中心に進められた。

現代車非正規職支会のユン・ソゴン金属代議員は「状況は苦しいが、胸の中に とても大きな怒りが生きている。現場を組織して、またラインを止めて非正規 職の力を見せよう」と話した。

第2工場のイ・ドハン代議員は「解雇されて58日になる。朝出勤闘争から始まり、 事業部のスケジュール、懇談会、教育、市民宣伝戦、地域連帯など、本当に大 変だ」とし「第1工場ではエンジン、変速機、シートまでが一つになって車を作っ ている。私たちの血の汗が滲んでいない車はない。だが会社は艤装と非艤装を 分け、勤続により分け、私たちを分断する。われわれは一つになって闘争しな ければならない。すべての社内下請を正規職化するために闘争しなければなら ない」と声を高めた。

シート2部のパク・ヨンヒョン代表は「組合員、非組合員の酒の席に行ったこと がある。非組合員が悲しそうに見つめた」とし「悲しく思うな。われわれは、 人生の主体になるべき仕事をしている。正規職化闘争の当事者だ。誰かに先送 りしない。自分でする。互いに肩を組み、揺らがず最後まで共に闘争しよう」 と訴えた。

第3工場のキム・ジョンジン代議員は「われわれの敵は鄭夢九だ。内部で瓦解す るのではなく、互いに理解し団結し、鄭夢九に走って行こう」と強調した。

エンジン変速機のユン・ファジュン代表は「もうすぐ現場に戻る仲間が増える。 もっとたくさん現場を組織してほしい。解雇者も、外でできる闘争を最後まで やり抜く」と話した。

第4工場のノ・チャンホ組合員は「いろいろな面で大変な停職2か月が過ぎよう としている。この苦しい時期をわれわれは立派によく戦ってきた」とし「全国 の闘う仲間たちと連帯して闘争の力を育て、ソウル上京闘争で対市民宣伝戦と 1人デモ、地下鉄宣伝戦などの実践闘争でわれわれの正当さを知らせてきた。 すべての組合員と一緒にすることはできなかったが、強固な仲間たちと共に闘争 できて、身はつらくても幸せで胸が熱くなる2か月だった」と評価した。

続いて「来週には現場に戻る。だが心は軽くない。もうひとつの難しい課題が あるからだ」とし「その課題は、執行部が入る2か月前に停職者が現場に戻り、 萎縮して凍りついた現場に活気を呼び込み、動き始めた仲間たちの心に触れて、 また現場を組織する」と強調した。

ノ・チャンホ組合員は「現場を組織するためには小さなことから実践に移さな ければならない。現場で闘争チョッキを着て働き、仲間たちと集まって、共に 食事をして、一日に一回仲間と会って話し、彼らの話を聞いてやること、一緒 にできず申し訳ないという気持ちを大丈夫だと慰めること、こうしたことが集 まって、仲間たちの気持ちを溶かし、われわれを一つに固める礎石になる」と し「この礎石を新しい執行部が打破り、立上がれば、不法派遣闘争勝利の道に 入れる」と力強く話した。

また「これまでの闘争で、われわれは起上小法師のように、倒れてもまた立ち 上がり、組織して、また起きて、組織して戦ってきた」とし「その力は仲間た ちの小さな実践闘争から出てきた。そんな小さな実践闘争をまた作っていこう」 と付け加えた。

正規職労組代議員大会での採用世襲要求案が確定したというニュースが伝えら れ、失望して怒りもしたが、現代車非正規職支会の組合員たちは力強く非正規職 撤廃連帯歌を歌って集会を終えた。

一方、現代車非正規職支会は2か月停職者への扇動教育を進めている。核心幹部 が解雇された状況で、組合員と会って説得し組織することは、現場に復帰する 停職者の役割になった。忠実に指針に従う位置で今、指針を作り、それを直接 執行する役割が停職者たちに付与されている。

停職者たちは、主題に合った宣伝物を作成して、扇動の練習と壁新聞も直接作 り、なじみもなく難しいことだが現場を組織するそれぞれの計画をたてている。

不法派遣撤廃正規職化闘争の行方は、選挙で指導部を再確立することと共に、 停職者が現場に戻り、どれほど現場を動かし行動を組織するかにかかっている。

現代車正規職支部のタイムオフ粉砕のストライキ突入の時点と現代車非正規職 支会の指導部建設、3か月停職者の現場復帰の時点がかみ合っている。

現代車正規職労働者と非正規職労働者がタイムオフ、昼間連続2交代、不法派遣 撤廃正規職化闘争を分離して各個撃破しようとする現代車資本の攻勢に対抗し、 これらの闘争を一つにつなげて突破口を見つけることができるのか、その帰趨 が注目される。(記事提携=蔚山労働ニュース)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-04-22 08:18:52 / Last modified on 2011-04-22 08:18:52 Copyright: Default


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