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韓国:現代車牙山が非正規職2回目の大量懲戒
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現代車牙山が非正規職2回目の大量懲戒...懲戒委を通知

「労組脱退か解雇、二つに一つを選べ」

チョン・ジェウン記者 2011.03.11 09:50

3月10日、現代車牙山工場の社内下請業者がいっせいに、3月14日(月)から懲戒 委員会(以下2次懲戒委)を開くと通知し、非正規職の大量懲戒という事態がまた 予想されている。一部の非正規職労働者は2次懲戒委が通知されるとすぐ自発的 に集団早退して反発した。

会社側は牙山工場社内下請支会(非正規職労組)が3日に行われた大量懲戒に反対 し、4日間の全面ストと部分ストをしたことを『無断欠勤、無断離脱、特別勤務 拒否』とし、懲戒委員会を開くと明らかにした。懲戒の対象者は、3日に1次懲戒 委員会が開かれた時、1〜3か月の減給を受けた組合員がほとんどだ。

会社側は不法派遣下請労働者の正規職化のための1派ストライキに参加した 非正規職労組組合員を全員懲戒した。労組幹部を中心に、解雇13人、1〜3か月の 停職者106人、1〜3か月減給者約150人だ。

労組を脱退しなければ懲戒?...労組活動の自由はどこに

会社側は労組を脱退するか、懲戒を受けて工場から出て行くか、どちらかを選 択しろという調子で懲戒を押し通している。強引な大量懲戒は憲法が保障する 労働者の労組活動の自由も無視する、現代車という大企業の非正規職労使関係 をありのままに見せている。

集団早退をした社内下請支会組合員の李某氏によれば、会社側は労組を脱退し なければ懲戒せざるを得ないといった。イ氏は「懲戒委員会を開くというので 業者の社長に会いに行った。『いっそ今懲戒しろ。月曜まで待つ必要があるの か』と抗議すると、社長は労組脱退を薦めた。それで『同僚には背を向けられ ない。自分の意志のとおりにする』と言うと『では懲戒するほかはない』と話 した」と怒った。

社内下請支会の関係者も、使用者側の労組脱退推奨の情報提供が続いていると いう。オ・ジファン社内下請支会教宣部長は「今日、労組を脱退した組合員の 証言によれば、組合員は労組脱退書と同時に、ストに参加しないという内容の 覚書を書いたということだ。その上、反省文を書いたという情報提供もあった。 脱退した組合員は、すまないと思いながら、うまく会話ができなかった。労組 脱退か停職、解雇と言って、懲戒を押し通している」と伝えた。

また、オ・ジファン教宣部長は「会社側は組合員が診断書を出して病暇を申請 しても、病暇も認めず『無断欠勤』で処理するといった。こうした使用者側の 態度に組合員の怒りが高まっている」と話した。

現在のところ13人の組合員が労組を脱退し、社内下請支会はさらに組合員が 脱退すると予想している。

非正規職2派ストライキと同時に大量懲戒が水面上に

非正規職ストライキへの現代車会社側の攻撃は、昨日今日のことでない。蔚山 第1工場占拠座り込みを中心に、牙山工場、全州工場の生産拒否全面ストなど、 昨年末から本格的に不法派遣正規職化闘争(1次ストライキ)が始まると、会社側 は元請、下請業者を問わず物理力を動員してストライキを妨害した。

現代車は、蔚山第1工場座り込み中断と同時に始まった12月の会社-労組5主体 (金属労組、現代車支部、牙山-蔚山-全州非正規職3支会)交渉の期間にも、損害 賠償、仮差押さえ、各種の懲戒で非正規職を圧迫した。警察も会社の管理者に 殴られて怪我をした非正規職を保護するどころか、非正規職、正規職労組活動 家に逮捕令状を発行するばかりだった。

交渉中も会社側の弾圧が続き、蔚山第1工場の占拠座り込みを解いた時の労使間 で約束した『4大交渉議題』より交渉案が後退して、非正規職3支会は1月26日に 現代車支部と金属労組が事実上仲裁した交渉案を拒否して2派ストライキを選択 した。残業拒否、部分ストはもちろん、高空籠城、労組幹部曹渓寺ハンスト、 現代車良才洞本社上京闘争など、非正規職労組の2派ストライキが徐々に進めら れ、使用者側の大量懲戒は急速に浮上した。

現代車会社側の大量懲戒措置は、非正規職労組が組織力を回復する前に攻勢的 な攻撃で2派ストライキを早期に防止し、組合員の労組脱退で労組の力を弱める 意図のようだ。非正規職1派ストの時のように、現代車使用者側は下請労働者の 不法派遣問題を認めず、非正規職の弾圧だけを続けている。

また、現代車だけでなく、起亜車、大宇造船、錦湖タイヤなど、製造業の下請 労働者の不法派遣問題が社会的に大きくなり、年頭から間接雇用労働者闘争が 触発され、使用者側の立場としては負担になっていた。特に現代車が元請だと 認める不法派遣の法院の判決も、使用者側には負担だ。今まで各種の法院判決 を見ると、特別な異変がない限り、現代車で2年以上働いた社内下請労働者は正 規職だと確定したも同然だ。だが現代車は法院判決を個人が訴訟した問題だと 片付けたり、法的判決は終っていないとして時間稼ぎをしている。現代車使用 者側のこうした負担は、非正規職大量懲戒のもう一つの原因として作用したよ うだ。(記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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