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大邱韓医大清掃労働者、契約職でもない日雇い転落

携帯メッセージで解雇通知後、業者選定時まで日雇い雇用... 「われわれは奴隷として暮す」

ユン・ジヨン記者 2011.03.09 17:57

3月8日、高麗大、延世大、梨花女子大清掃労働者890人が一日ストライキに突入 した。2011年の最低賃金に当たる4320ウォン以上の賃金支給はできないという 用役業者側と、少なくとも5180ウォンが払われなければ労働者の実質的な生活 は不可能だという労組側の主張が平行線を辿り、団体交渉が決裂したためだ。

実際に労組側が主張する生活賃金の時給5180ウォンは、月給100万ウォンを若干 上回る水準だ。週5日間、朝晩学校を掃いて拭いてみても、彼らの手に残る金は 100万ウォンにもならない。特に清掃労働者たちは、賃金の問題だけでなく雇用 不安にも苦しんでいる。1月、新年早々全員が解雇された弘益大の清掃労働者の 解雇事態は、労働者の雇用不安を社会争点化させた。

新年になり、唯一清掃労働者の賃金と勤労条件が人々のうわさにのぼっている が、まだ社会のあちこちで不当な賃金と労働に苦しむ清掃労働者は多い。最低 賃金どころか業者の選定で日雇いに転落するケースもある。3月3日、学校側か らの携帯メッセージで全員解雇を通報された大邱韓医大清掃労働者がそうだ。

大邱韓医大、携帯メッセージで清掃労働者33人に『全員解雇』通知

3月3日、大邱韓医大の清掃労働者は、一通の携帯メッセージを受け取った。 『清掃用役員の用役会社契約満了により、清掃業務を中止することを望む』と いう学校側の解雇通知携帯メッセージだった。事実上、彼らの解雇は3月1日か ら予定されていた。新規用役業者側の相次ぐ入札放棄で清掃労働者の雇用が 不安定になっていたためだ。

学校は解雇通知直後の翌4日、日雇いのアルバイト10人を現場に投入した。代替 人材の投入で労働者の解雇を公式に表わした学校に反対し、労働者たちは同日 午前から座り込みに突入した。3月7日の午前まで座り込みをした彼らは、7日の 午後、学校との交渉で、また現場に戻った。

解雇後、4日間の短い座り込みの末にまた雇用を勝ち取ったように見える彼らの 戦いは、事実上、解雇の前も、復職後も続いている。現場には帰ったが、雇用 継承は保証されず、賃金も相変らず劣悪なためだ。

学校側は業者を選定するまで労働者を日雇い労働者として雇用すると約束した。 1年契約職の用役労働者が一日契約職になる境遇に置かれたのだ。業者の選定が 完了すれば、学校は全員の雇用継承に努力するとも約束した。それにしても1年 ごとに契約を更新する清掃労働者は、契約が満了してまた解雇威嚇に苦しむ 可能性が高い。

最大の問題はやはり最低入札を誘導する学校側にあった。2月8日、学校は2011 年の新規入札公告で、労働者7人の削減と土曜日勤務の廃止を明らかにし、用役 金額を非常に低く提示した。結局、2回の流札の末にやっと1業者が入札したが、 まだ正式な契約締結をしていない。

大邱一般労組のキム・デシク事務局長は、「2月初めに闘争に突入した理由は、 学校が7人の人員削減と賃金7万4千ウォンの削減案を掲げたため」とし「また、 3月2日まで業者選定が行われず、学校が解雇を通知したため戦いは雇用継承の 部分に流れた」と説明した。

特に学校は労働者の最低賃金も保障しない入札価格を提示した。他の事業場と 同じように、学校は用役業者を圧迫し、用役業者は学校の顔色をうかがい、再 び労働者を圧迫する方式だ。キム・デシク事務局長は「学校は最低落札制方式 で業者を競争入札させ、最低賃金の4320ウォンも反映してくれない」として 「学校がこうした要求をすれば用役業者は拒否できず、学校は費用問題を業者 の責任に誘導して、結局労働者だけが被害を受ける」と指摘した。

最低賃金も受けられず...「われわれは奴隷として生きてきた」

清掃労働者の劣悪な賃金と休憩空間、不当労働、労組不認定などは、すでに十分 伝えられている話だ。これを改善するための清掃労働者の連帯の動きが広がった のも事実だ。だがまだ多くの清掃労働者が当然提供されるべき休憩空間さえ 堂々と要求できないまま、最低賃金にも満たない賃金で暮している。

大邱韓医大の清掃労働者の賃金は82万2千ウォンだ。2010年の最低賃金の85万 8990ウォンに満たない金額だ。だが学校はそれも削減すると言う。大邱韓医大 清掃用役労組のパク・ウォンス支会長は「学校は協議の過程で2011年の賃金と して月79万ウォンを提示した」とし「これは最低賃金より7万5千ウォン少ない 金額」と説明した。これに労組側は最低賃金に当たる月86万ウォンを要求とし て提示した。だが結局、学校と労組は協議の末に月82万2千ウォンの賃金に合意 するようになった。

パク・ウォンス支会長は「今は雇用の継承が一番重要で、月給については最低 賃金より少ないのは絶対におかしい、最低賃金は受けなければならないと強く 要求した」とし「休憩空間などは、実はわれわれのような田舎者は休憩空間が 良くないとは言わない。ただ、これまで古紙を回収して売り、福祉費用に当て きたが、これを学校が奪っていったのは残念だ」と明らかにした。

それでも、労組が結成された後は雇用条件が改善された。労組を結成する前は 未払い賃金と雇用不安に苦しみ、有給を使うこともできなかった。パク・ウォ ンス支会長は「人が働いて怪我をして出てこられなければ、翌日他の人に交替 し、私が体調が悪く出てこられなければ人を雇って欠勤をしなければならなかっ た」とし「ひどいときは、父母や兄弟の葬式の時も、自分の金で人を雇って 休まなければならなかった」と説明した。

2010年4月、労組が結成された後には未払い賃金も受け取った。パク・ウォンス 支会長は「2010年5月、3年間の未払い賃金を受け取った。私たちにはないと思っ ていた年次休暇などの権利も取り戻した」とし「労組が出きる前、われわれは 奴隷の生活を送ってきた」と声を高めた。

だがまだ行く手は遠い。雇用継承をはじめ、労働環境改善、学校の使用者性の 認定闘争など、彼らが取り戻すべき権利がたくさん残っているためだ。それだ け清掃労働者の闘争はやはり、あちこちで続いている。3月8日、高麗大、延大、 梨花大の清掃労働者がストライキに突入し、「私たちの闘争がこの社会のすべ ての清掃労働者の希望になる」と明らかにした。続々と続く清掃労働者たちの 雇用継承と団体交渉などの闘争が、全般的な清掃労働者の雇用条件を改善する 踏み台として作用するのかに関心が集まっている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-03-11 01:31:26 / Last modified on 2011-03-11 01:31:30 Copyright: Default

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