本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:誰が女性清掃労働者をおばあさんと呼ぶのか?
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1295300860900St...
Status: published
View


誰が女性清掃労働者をおばあさんと呼ぶのか?

[弘大清掃労働者リレー支持文(1)]

イファン・ヒョナ(弘大卒業生) 2011.01.17 17:20

弘益大清掃労働者の占拠座り込みが、零下18度という酷寒にもかかわらず、16 日間続いている。実状私たちのお母さんでもありおばあさんである『女性労働 者』だ。一月前、彼女たちが労働組合を作ってソウル女性組合員大会で労働者 だと自慢し、罷業歌を歌った時は目がしらが熱くなった。彼女たちの年齢が70 は充分超えているように見えたためだったか? ぎこちないほどの拳と非正規職 撤廃闘争というスローガンが十分馴染まないように見えた頃だった。

だが今彼女らは闘争の中で鍛えられた厳然たる女性労働者たちだ。不当解雇に 対抗し、生存権を守る闘争に立ち上がった彼女らは、弘益大の破廉恥な態度を 社会のあちこちに知らせ、清掃労働者闘争の正当性を得ている。熱烈な社会的 支持に力づけられた彼女らは、すでに学校当局を制圧し、大学清掃労働者たち の闘争に勝戦のニュースを伝え続けると予想される。

ではなぜ清掃労働者の闘争が絶えず続くのか? ここでは清掃労働者たちの闘争 から、女性労働者の権利と再生産労働の重要性を調べてみよう。

[出処:メディア忠清資料写真]

たいていの清掃労働者は、夜明けに家を出て、朝7〜8時から午後4〜6時まで休 まずに働く。短ければ8時間だが、長ければ弘益大のように11時間も働く。しか し働いている時間と休憩時間は名目だけでしか存在せず、区分もされないばか りか、法的規定を無視してドカンと(?)月75万ウォンが支払われている。1か月 骨が砕けるほど働いても法定最低賃金も受けられずにいるのだ。

資本が規定した女性労働者の一日の食事代は300ウォン?!

現在の法定最低賃金が85万8990ウォン(週40時間基準)であることを考慮すると、 弘大は単純計算でも10万8990ウォンを踏み倒している。ここに休憩時間と土曜 勤務も入れると弘大がどれほど清掃労働者の金を踏み倒しているのかその正確 な金額を計るのは難しい。某インターネットニュースのインタビュー記事で知 らされた弘益大で清掃労働者に支払われるという「一日食事代3百ウォン?」は 最近の流行語になっている。なぜ、こんなことが可能なのだろうか?

これは『女性の仕事』への社会的偏見が構造化しているからだ。女性の仕事は 男性の仕事より下位に配置される。家父長制的に階層化された労働や熟練の概 念は資本により社会的に構成されるが、この時『女性の仕事』という通念が作 られる。

女性の仕事は食事の仕度をして、清掃して、洗濯して、子供と老人を助けるこ とだ。『女性の仕事』は無価値な仕事、代替可能な仕事、そして安い仕事だ。 だから女性の仕事は、特に職業として認められず、家事手伝い、助産婦、子供 の世話をする人、清掃美化、介護士、療養保護士、放課後学校など各種の社会 サービスの雇用を作ってやるだけでも大変有難く思えというわけだ。これが、 社会が見る女性の仕事、つまり『女性労働』の実体だ。新自由主義世界化の風 に乗って最も柔軟化された労働で女性を想定し、いつでも使い捨てられる労働力 として女性を偏在させる。

だがこの社会を支えている労働は、果たして誰がしているのか? まさに女性だ。 『社会的再生産』という名で遂行される数え切れない労働が、まさに女性たち の手で行われる。それで女性の労働は社会が存続する限り、必須不可欠な労働 であり、計り知れないほどの価値を生産している。

清掃は無価値な労働?

「清掃のない所であなた方が暮せるか?」

家事労働者、清掃労働者、社会サービス労働者が、私的領域と公的領域が本来 の役割をして回るように全力をつくして働く。それでもその労働が無価値なの か? ゴミの塊がごろごろする家、ごちゃごちゃの講義室、汚らしい事務室、何 も清掃されていない職場を想像できるか? 清掃労働者の労働が一日でも止まれば、 多分皆が正常に活動できないだろう。

[出処:チャムセサン資料写真]

それでもこの社会は生産労働と非生産労働を分けて『再生産労働』を非生産的 な労働として位置付け、無価値な労働として絶えずさげすむ。弘大教職員労組 は同じ労働者なのに、清掃労働者の闘争に連帯するどころか、「おばさんたち を売って、一生乞食のように暮せ」という放言を炸裂させ、清掃労働者たちを 驚かせた。資本と権力の視線が内面化された教職員労働者たちは、自ら労働者 内部の分割線を設定し、自分が何を話しているのかもわからない言葉を吐きだ している。これに対して、清掃労働者が団結したのだ。

「清掃のない所であなた方が暮せるか? 私たちは清掃労働者だ!」清掃労働者は 不当解雇と超低賃金に対し、自分たちを労働組合に組織して戦う権利がある。 清掃労働者たちは間接雇用非正規職の問題を公論化させ、不当解雇撤回と生活 賃金保障のために戦わなければならない。学校当局はこれ以上、用役業者の後 に隠れてばかりいずに、堂々と交渉窓口に出て来て清掃労働者の要求に応じな ければならない。弘大清掃労働者は『おばあさん』ではない。自身の名前を堂々 と労働者と呼ぶ『女性労働者』だ。私たちすべては女性労働者の権利を勝ち取 るために共に連帯する。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-01-18 06:47:40 / Last modified on 2011-01-18 06:47:42 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について