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全北バスのストライキの早急な解決を期待する

[寄稿]バス事業主交渉回避、もう説得力はない

チョン・テソク(全北大) 2010.12.30 13:25

今、全州市では市内バスのストライキが長期間続いているが、労使間の対話と 交渉は相変らず遅々として進まない状況で、全州市や全北道も積極的な仲裁役 になれず、解決の糸口が見つからない。

臨時バスを運行しているが非常に不足しており、庶民の出退勤や日常的な移動 は非常に難しい状況で、人々の移動が減り、伝統市場も売り上げが減るなどの 被害を受けているという。それでバス運行の正常化を要求する各界の声も高まっ ており、市と道が事態解決に積極的に乗り出すよう要求している。

バス運転手がさらに人間らしい暮し、良い暮しのために賃金と労働条件の改善 を要求するのは自然で、また当然の権利だ。特に子供の教育に金を使う余裕が ない賃金と、気楽に食事をしてトイレに行く時間も確保できない労働条件は、 至急に改善されるべき問題だ。

▲駐車場に止まったバス[出処:チャムソリ]

このような事情にもかかわらず、市から各種補助金を受けるバス事業主は経営 を改善し、労働者の権益向上の努力をしてこず、また積極的に交渉にも出てこ ずにいる。

もっともこれは個人的な利益を増やそうとする、多くのバス事業主の一般的な 態度でもある。だが労使間の対話と交渉が行われれば、当然、企業主が企業の 経営状態に関する情報を提供し、現在の賃金水準や労働条件が果たして不可避 なのか、どれほど改善できるのか、説得力ある根拠を提示するのが道理だろう。 それでもすべての責任を労働者に押し付ける態度はあまり説得力がない。

だがこうした状況に関して、いくつ確かめるべき点がある。まず補助金を支払 う市が、バス会社の補助金使用の実態を把握して情報を公開するなど、会社の 経営の透明性を高めるために、積極的な影響力を行使すべきだということだ。 市民の税金で支払われる補助金を透明に管理することが市の当然の任務で、こ の補助金は窮極的に市民により良い大衆交通サービスを提供するためのものだ。 そしてそのためには市民にサービスを提供する運転手が、基本的な賃金水準と 人権を保証されるようにすることも市の当然の任務だ。

次に運輸労働者がその権益を守れない韓国労総を脱退して民主労総に加入した ことをめぐり、バス事業主が複数労組として問題にしているようだが、これは 常識的にも当然のことで、2011年7月からは法的にも認められる。これまで民主 労総でも、企業主が御用労組を通じ労働者を分裂させ、懐柔を心配して、企業 単位の複数労組に反対したが、民主化が実現し民主主義原則が企業と労働界に も広がるべきだという点を考えれば、労働者が自分たちの権益を守れると考え る組合に加入するのは当然だと言えよう。今では、複数労組の問題は労働者の 内部で民主主義を通じた公正な競争と説得、妥協と連帯で解決すべき問題だ。

こうした点を考えれば、バス事業主が対話と交渉を避ける態度は自分の利益だ けを保護しようとするもはや説得力のない行為だという点が明らかになる。そ して全州市と全北道も、市民のために事態解決に積極的に乗り出し、特にバス 事業主が透明で公正な態度で交渉に出てくるように影響力を行使するのが当然 の任務だ。

誠実な対話と交渉でバス労働者が正当な待遇を受け、これを通じて市民が少し でも良い大衆交通サービスを享受する日が一日でもはやく来ることを期待する。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-01-02 17:12:41 / Last modified on 2011-01-02 17:12:43 Copyright: Default

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