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私がまた現代車座込場の中に入る理由

「娘のために座込場に戻る」

キム・ドヨン記者(合同取材チーム) 2010.12.07 21:29

極限の状況に置かれている蔚山現代車占拠座込場。またそこに戻ることを切に 願う非正規職組合員がいる。

11月27日、工場の外に出てきたという彼は、一日に一食もまともに食べられず、 ときどき断電・断水、いつ用役が侵奪するかわからない不安なそこに入る機会 を今か今かとうかがっていた。

彼は座込場を出た理由も、また入る理由も「二人の娘のため」と話した。そし て「やっと会社から正当な待遇を受けられる時になった」と話した。

座込場から、いつ、なぜ出てきたのか

工場の中に2週間少しいたが、子供が病気で応急室にいると家内から電話がきた。 二人目が生まれて1か月半になるが、とても小さいので原因はよくわからず、腸 炎のようなものらしいと言っていた。その連絡を受けて先々週の土曜に出た。 行ってみると、座り込みの前から調子が悪かったようだ。座り込みをしている 間に妻が一人で病院に連れていったようだが、一人でできると思ったのか連絡 せず、応急室に運ばれてから連絡をした。

外にいる間、座込場の中の人と連絡したか

ますます余裕がなくなっているのが感じられる。始めた時は余裕があって、冗 談も言っていた。同じ工場の中で共に働いたといっても、あまり話す機会がな かったのに、座り込みでいろんな人を知ってよく話もして楽しかった。ところ が昨日通話した時は、冗談の雰囲気ではなく『入ってきませんか?』と聞かれた。

食事を入れさせず、水を切って電気を切って、正直、せこい。GT4(Global Top 4、世界4大自動車企業)というグローバル企業が、これほど必死にせこい戦いを する。そんな極限の状況で、狭い空間に500人ほどの男が集まっているわけだ。 戦争にならないほうが珍しく思う。

それなのになぜまた入るのか

娘のためというのが一番大きい。子供たちにはこんな良くない状況を味わわせ たくない。一緒に働いてもつらい仕事をするのに、給料日には気分が悪くて、 外出してもいい待遇を受けられない。デパートに行っても正職員が受ける職員 割引を受けられず、同じ自動車会社で働いても誰かは休暇の時に休養所に行く とかどこに行くというが、行くところもない、そんな姿を見せたくない。

そして出てから3日ほど立ってこう考えました。『子どもが病気で出てきたが、 臭いからと他の人も出てきたくなるのではないか』。出てくる人いれば、入る 人もいて、それで力が出るのではないか。それで先週の金曜に子供が退院して、 入るためにいろいろな所に打診し続けていた。ところが状況が悪くなって入る ことができず、今日、何か方法がありそうだと言うので待っている。危険なこ ともあるので、入って殴り殺されなければ入ったほうがいいと思う。

[出処:合同取材チーム]

家族はとても心配している

妻が子供産んだりしている時だから、インターネットニュースを見るなといっ たが、放送も見て、みんな見たそうだ。みんながビニールをかぶって寝ている 姿を見て、あそこは違うだろうといった。『(座込場でまた)入ろうか?』と聞く と、好きなようにしろと。あきらめたと。行って怪我するようなことだけはす るなと。怪我しなければ何でも食べればいいと言った。私より強い人だ。

友人の中にはこんなやつもいた。小学生と5歳の子供がいる友人だが、家に帰ら ないので子供が電話で『お父さんどこなの?』と聞いてきた。『会社だ』『お父 さんは毎日会社に行ってなぜ家に帰らないの?』『ウーンお前が寝ている時に帰っ て、寝ている時に出るんだ』、『じゃ今日帰ったら絶対起こしてよ〜』。職員 のほとんどは30代初中盤なので、こんなことも多い。

荷物がいっぱいだ。何が入っているのか

今日電話したら食べるものがないので、とにかく食べるものを買ってこいと言 われた。歯ブラシなんかは必要ではないかと聞くと歯は手で磨けば良いから、 とにかく食べもの。『油気』というので、あそこの豚足屋に行っておばさんに 包装だろうが何だろうがとにかく袋につめてくれと言った。ニンニク、唐辛子、 こんなの食べるかな。肉と野菜さえあれば良いだろう。チョコパイも買った。 一等兵になってから食べなかったチョコパイがこんなにおいしいのか。しかし 持ち込めなければ大変だ。

今後、どうなると良いか

とにかく誰も怪我をしてほしくない。以前、同じ業者で働いた友人も倒れたと いう。20代なのに。本当に悲しかった。皆外に出てくれば誰かのお父さんで誰 かの息子で、どうにか暮らさなければならない人なのに、からだぐらい大事に しなくちゃ。

そしてやっと機会がきたようだ。会社は『難しい、難しい』というが、ヨーロッ パでは最優秀車に選ばれたという。その時、私たち座って拍手した。率直に6年 以上働いたのにその程度なら、十分搾取したではないか。もう正当な待遇を受 けたい。うちの子はまだ保育園にいっていないが、子供たちが保育園でお父さ んが同じ会社に通う子供たちどうし、同じアパート団地で暮す子供たちだけで 遊ぶという。でも後になるとそうではない。正規職の子供は正規職どうし遊び、 下請の子供は下請どうし遊ぶ。子供たちまでそうなったらどうするのか。私た ちの娘は『非正規職』、『下請』、そんな言葉を知らずにくらせればいい。(蔚山= メディア忠清、蔚山労働ニュース、チャムセサン合同取材チーム)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-12-08 12:05:39 / Last modified on 2010-12-08 12:05:45 Copyright: Default

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