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自動車社内下請労働者の「代替人材追い出し」

「いくら殴られてもラインを止める闘争は止められない」

合同取材チーム 2010.12.03 09:03

非正規職-正規職の連帯でラインを止めた現代車全州工場

12月1日午前9時、現代車全州工場トラック第2工場の生産ライン。会社は管理者を 含む代替人材約300人を投入し、昼間組6時間部分ストと夜間組全面ストを続ける 現代車非正規職支会組合員の現場出入りを阻止した。

午前10時、代替人材を追い出そうとする非正規職支会組合員と管理者の間で衝 突が起き、多数の非正規職労働者が怪我をした。ある組合員は眼鏡をかけたま ま顔を殴られ、病院に運ばれて縫合手術を受けた。他の組合員は管理者に踏ま れて腰が折れ、病院に運ばれた。

体当たりは正規職現場委員の加勢で一段落し、管理者と代替人材は 午後2時20分頃工場から出た。

12月2日も同じ様相が繰り返された。現代車正規職支部全州委員会は、特別勤務 の拒否と残業拒否で非正規職闘争に連帯しようと訴えている。

2006年、同じラインを占拠した非正規職労働者は「あの時は一方的に引きずり 出されたが、今回は違う」とし「正直恐ろしいが、このままではどうしようも ないので、やらなければならない」と口をそろえた。

非正規職支会の部分ストで11月月の現代車全州工場の生産率は84%にだったという。

現代車蔚山、第2、第3工場で波状スト

11月15日から非正規職労働者がドア脱着工程を占拠してストライキを続けてい る現代車蔚山第1工場は、18日間生産が全面中断している。2日から会社が12ラ インを稼動するといっていたが12ラインは空のコンベアベルトだけが回っている。

第1工場での座り込みをしていない「非占拠ストライキ」組合員たちは、支会の 争議対策委員会の指針に従って第2、第3工場で波状ストを行った。

17日午前、第2工場22ライン23班のシャーシ工程を奇襲占拠した非正規職労働者 たちは、正規職代議員、現場委員と共に、管理者、用役職員と激しい体当たり をした。この過程で非正規職支会の組合員と正規職支部の代議員が負傷して 病院に運ばれ治療を受けた。ラインは三時間ほど止まった。

第3工場では、非正規職支会の組合員たちと正規職代議員、現場委員が共に18班、 14班のタイヤ装着場、34班ファイナル工程などのラインを回り、代替投入された 日雇アルバイトを引き出した。この過程で管理者、用役職員と激しい体当たりに なり、負傷者が続出した。

用役職員たちは軍手にボルトを入れて投げたり、縁が鋭い鉄製のフレームを非 正規職労働者にむちゃくちゃに投げた。この過程で非正規職支会組合員が鉄の フレームに当り、唇から鼻の下まで肉がずたずたになるほどひどく切れ、病院 に運ばれて応急手術を受けた。

会社の管理者と用役職員は、ストライキ組合員を引き出して警察に引き渡し、 現代車非正規職支会第3工場のチャン・ビョンユン代表がこの日連行され、 拘束された。

11月30日にも第2工場から代替人材を追い出そうとする非正規職労働者の闘争が あったが、数百人の管理者と用役職員に無差別に暴行され、5人が病院に運ばれ 治療を受け、33人が警察に連行された。

この闘争で第2工場の22ラインは、動いたり止ったりを繰り返し、1時間ほど 稼動が止まった。

2005年、起亜車・非正規職労働者のライン占拠闘争

5年前に起亜車華城工場でも独自ストライキに入った非正規職労働者と用役職員 の間で流血の衝突が起きた。

2005年9月15日、夜昼6時間ストに入った起亜車非正規職労組組合員は、ソレント で突進し消防車で放水しながら入ってくる会社の管理者と激しい衝突になった。 9月28日の夜には組み立て第1工場で用役職員と数百人が入り乱れる流血の衝突が 起きた。

10月25日、起亜車華城工場の非正規職労働者は奇襲全面ストを行い、3日間組み 立て第1工場で占拠ストを行った。起亜車非正規職支会の関係者は当時の状況を 次のように伝えた。

「2005年10月25日、争対委拡大幹部スト中に奇襲全面ストを敢行した。事前に 決意していた10人ほどの仲間が塗装工場反対側の徹夜座込場付近に集まって、 夜間ライン稼動時間(午後8時30分)直前の8時10分に組み立て第1工場へと同時に 駆け付け、用役チンピラとの激戦があった場所で部品台やテーブルなどでバリ ケードを作り始めた。その時間、すでに元請の救社隊が要所要所で待機してい た。これを突破して拠点確保に成功した。非正規職労組の組合員たちは三日間、 あらゆる弾圧と挑発にもかかわらず、頑強にストライキ闘争を死守した。その 結果、組み立て第1、第2工場とPDI工場の生産が完全に中断した」。

2006年の現代車・非正規職労組代替人材阻止闘争

2006年8月16日午前10時、現代車第1工場の非正規職労働者がストライキに入った。

ストライキ労働者たちは反対組勤務者と日雇いアルバイトなどの代替人材を 阻止し、この過程で管理者と激しい衝突が起きた。ファイナルラインは1時間、 第1工場全体の生産工程は30分ほどラインが止まった。

第2工場では午後1時からストライキに入った。22ラインは2時間完全に停止し、 21ラインは76分間止まった。

シート2部でも昼夜間組合員が全員参加して代替人材阻止闘争を行い、約50分間 ラインが停止、4時間ストの間、正常操業の50%しか生産ができなかった。

8月25日、労組はまた全事業部の共同ストライキを行った。この過程で元請管理者の 暴力で9人の組合員が病院に運ばれた。

30日にも労組は第2工場で7時間集中ストを行い、第2工場下請業者の懲戒委員会 を無にした。30日のストライキでも激しい衝突が起きて組合員3人が病院に運ば れ、ある組合員は頭部外傷と深刻な腰傷を負った。

「下請ストライキをなぜ元請が防ぐのか?」

現代車と起亜車の非正規職労働者のストライキと、代替人材阻止闘争に対する 元請会社の対応は5年前も今も変わらない。

高校生までアルバイトに雇い、代替人材で生産ラインに投入して、管理者と 用役職員を総動員してストライキ労働者を無差別に暴行、拉致、監禁する姿は 2010年の現代車非正規職闘争でもそのまま繰り返されている。

暴行された労働者たちは「現行犯」で警察に連行され、暴行を加えた用役職員 は「お前たちをいくら殴っても私は処罰されない」と大声を上げる現実も そのままだ。

現代車や起亜車元請会社が主張するように、元請社が下請工程を請負に出した のなら、下請業者と非正規職労働者の労使関係に元請社が用役職員まで雇って 介入する理由はない。

現代車非正規職支会の関係者は「合法ストライキをしながら不法代替人材投入 を防ぐために生産ラインを守ろうとする労働者を元請管理者と用役チンピラが 無差別に暴行し、弾圧するのは、元請社が下請社の実際の使用者か派遣使用 事業主だという反証」と指摘した。

「いくら殴られてもラインを止める闘争は止められない」

「非占拠ストライキ」をしている現代車の非正規職労働者は「殴って連れて行 かれることを知っているが、ラインを止め続けなければならない」とし「第1 工場で座り込んでいる仲間にとって一番大きな力になるのは第2、第3工場ライン を止めること」と口をそろえた。

現代車非正規職のA組合員は「管理者と用役の物理的暴力も問題だが、平常時に 賃金を奪って解雇するほうが大きな暴力ではないか」とし「殴られるほど有利 になる。おじけづかず、殴られてもラインで闘い続けなければならない」と強調 した。

第2工場のB組合員は「今日、アルバイトの学生1人が働いていて指を挟む怪我を したし、安全問題でラインが1時間ほど止った」とし「代替人材を投入すれば、 どうしても不良も多くなり労災の危険も高まるのではないのか」と指摘した。

C組合員は「ラインを止める闘争を成功させるために、もっと執行部が細かく計画 を立てて指針を出してほしい」とし「外にいる組合員の80%は相変らず勇敢で、 殴られても闘い続けなければと考えている」と伝えた。

現代車非正規職支会は来週も第2、第3工場の代替人材阻止闘争を続ける方針だ。

「正規職、非正規職、互いの生活の質を同時に高める闘争」

起亜車非正規職支会のD活動家は「自動車非正規職労働者の代替人材追い出しの 戦いでは、正規職活動家の役割がとても重要だ」とし「ひとつの工程で一緒に 働く非正規職労働者の闘争に、正規職組合員の同意と支持を引き出すことがで きなければ、結果は惨めなものになるかもしれない」と警告した。

D活動家は「2007年8月31日、数百人の救社隊が会社を掻き回して非正規職を暴 行した。20人ほどの特戦司令部戦友会が非正規職闘争テントと正規職現場組織 である金属労働者の力のテントを破壊して火を付け、100人ほどの非正規職女性 労働者を取り囲んであらゆる威嚇と無視と侮辱を加えた」とし「非正規職闘争 に正規職労働者が拒否感と憎しみを持てば、事態は手がつけられなくなる」と 指摘した。

現代車非正規職のE組合員は「あるおばさんが、鄭夢九会長は金を稼いで蔚山に 配るのではないじゃないかと言って、非正規職が正規職になれば蔚山の経済に とても助けになると言うのを聞いた」とし「今回の闘争は正規職と非正規職が 互いの生活の質を同時に高める闘争」と話した。

現代車非正規職支会の関係者は「海兵戦友会が壁新聞を貼り、正規職組班長が 救社隊に動員されている疑いはあるが、2007年の起亜車ほどに憂慮するような 状況ではない」とし「全工場の正規職組合員が非正規職闘争のためにカンパし て、今までに3000万ウォンを越えた。来週また始まる第2、第3工場ストライキ にもっと多くの正規職の仲間に連帯してほしい」と頼んだ。(蔚山=メディア 忠清、蔚山労働ニュース、チャムセサン合同取材チーム)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-12-04 08:36:06 / Last modified on 2010-12-04 08:36:07 Copyright: Default

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