検察の『不法ストライキ』の烙印はこっけいだ

「労働者地位確認の要求が勤労条件と無関係とは詭弁」

蔚山現代車非正規職労組ストライキを検察が『不法ストライキ』と烙印を押し、 賛同すれば「厳しく処断する」と脅すなど、努めてストライキの拡散を遮断し ようとする態度が歴然としているが、検察と労働部の不法ストライキの判定は 誤った解釈だという主張が出て注目されている。

蔚山現代車非正規職労組のストライキ8日目の11月22日、ストが全州、牙山など に広がり長期化の兆しを見せている中、大検察庁公安部(シン・ジョンデ検事長)が 現代自動車蔚山工場非正規職労組のストライキを法と原則により厳正に対応すると 述べた。

大検察庁のイ・ヨンマン公安企画官は22日、「蔚山工場非正規職労組の ストライキは『不法』で、関連者には拘束、立件、召喚通知などの刑事手続きを 取っている」とし「現在、蔚山地検を中心に対策会議をしているが、 金属労組が賛同すれば検察も全国的な次元での対応を検討する」と発表した。

検察は非正規職労組のストライキを不法ストライキと規定する根拠として、 『労働者の地位確認要求は勤労条件に関する事項ではなく、ストライキの目的 にならない』という労働関係法の規定をあげている。

これに先立ち、17日に雇用部の関係者も「今回の現代車非正規職労組の ストライキの目的は正規職転換で、勤労条件とは無関係だ」とし「正規職転換の 要求は関連の法によって処理すれば良く、ストライキで解決するものではない」 と話した。

この関係者は続いて「中央労働委員会は、現代車が社内下請非正規職労組の 直接交渉の対象ではないという行政指導をしたが、非正規職労組がストライキを 行ったのは不法といえる」と話した。

このような検察と労働部の不法ストライキの規定について、民弁の クォン・ヨングク労働委員長は「幼稚園水準の無知で強引な主張」と猛非難した。

権弁護士は、「今現在、正規職と非正規職間の勤労条件の格差がとても 大きいということは、誰もが知っている事実だ。自分の身分によって勤労条件が 決定するのに、労働者の地位確認が勤労条件に関する事項ではないというのは、 一種の詭弁」と主張した。

彼は検察と労働部の担当責任解釈の根拠になった「労働組合および労働関係調整法」 第2条5号についても「この条項は交渉対象を規定していると言うのは難しい」 と話した。

「労働組合および労働関係調整法」2条5号では、「『労働争議』とは労働組合と 使用者、または使用者団体(以下『労働関係当事者』という)の間で、賃金、 勤労時間、福祉、解雇その他の待遇など勤労条件の決定に関する主張の不一致で 発生した紛争状態をいう」と労働争議の定義概念を解説している。

権弁護士は、「この条項を交渉対象の規定だと無理に主張したとしても勤労者の 地位の問題は、賃金と勤労時間、福祉、解雇、その他の待遇とすべて関係する」 と話した。

彼は「労働者を非正規職化し、賃金を差別し、契約職で雇用し、時間がたてば 解雇し、福祉部門で正規職と差別待遇する、これらはすべて勤労者の地位を 差別することで発生する」ため、現代車非正規職労働者たちは「派遣法の条項と 大法院の判決により、自分たちの実際の地位を正規職に転換し、勤労条件を 保障することを要求しているのであって、この条項から見ても彼らは自分たちの 勤労条件に関する事項を一言で凝縮して話している」と説明した。

続いて権弁護士は「彼らが勤労条件以外の何を要求しているのか。 投票権や政治立候補の権限をくれと言っているわけではない」、 「『勤労条件』と『勤労者の地位』は単語が違うから、勤労者地位は勤労条件に 関する事項ではないという検察の主張は、 飯と米は文字が違うから、米の話は飯の話ではないというような無知な話だ」と 比喩した。続いて「検察や労働部が財閥の肩を持つために、強引な主張をしている」 と主張した。

金属労組のパク・ジョンギュ交渉局長も、「われわれはすでに正規職と判示した 最高裁と高裁の判決により、正規職と同じ賃上げと、それまでの未支給賃金の 差額を要求している。これは勤労条件に関するもので、したがって私たちの ストライキは当然合法ストライキだ」と主張した。

一方、現代自動車は22日に現代車非正規職労組のイ・サンス支会長など27人を 相手に蔚山第1工場の無断占拠で発生した損失に対する追加損害賠償訴訟 30億ウォンを請求したと発表した。

これに先立ち、現代車は16日にイ・サンス支会長など27人に10億ウォン、18日 チョ某下請け第3工場代表など28人に10億ウォン、19日イ某下請け第2工場代表 など13人に10億ウォンを請求している。これに22日、30億ウォンを請求し、 請求額は総額60億ウォンで、対象者は重複者3人を除く計65人だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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