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「正規職化なしでは座り込みをやめられない」

現代車座り込み組合員、「最後の機会と思って入った」

合同取材チーム 2010.11.18 11:17

「座り込みは偶発的に見えるかもしれませんが、私たちは胸の中でストライキ を育てていました。正規職化という言葉がなければ座り込みは解けません。」

映画の一場面のように、偶発的な座り込みが始まった。それで座込み場に一番 基本的な銀箔マットのようなシートもなかった。だが、すでに起きるはずのこ とが数日早まっただけだった。現代車社側は、社内下請非正規職労働者の第1工 場占拠座り込みは、シート事業部のドンソン企業廃業事態が原因だと一蹴した が、組合員は異口同音で『違う』と答えた。すでに不法派遣正規職化を要求す るストライキ手続きに入っていたということだ。

合同取材チームが会った非正規職組合員は、工場ラインを止めなければ7月22日 に最高裁が判決した不法派遣問題は解決できないことを体で知っていた。2006 年の壮絶な敗北は、そのまま記憶に残っていて、今回の工場ライン占拠事態が 何を意味するのかも知っている。経路はたった2つだった。死ぬか、さもなくば 正規職化。生きるか死ぬかが問題であり、非正規職という苛酷な運命の石の鞭 を受けても、耐え続けるのは堂々たる精神ではなかった。

彼らにとって死ぬことは、工場の中で凄絶に殴られ、引き出され、解雇される ことで、生き残ることは大法院が判決した不法派遣問題を解決して正規職にな ることだった。つまり他の解決策はなく、『われわれの会長は鄭夢九会長です』 闘争ということだ。

四日間続いた第1工場占拠座込み場は平穏だったが、約540人の社内下請非正規 職労働者は戦場のような毎日を送っている。主食はカップラーメンと、時々の りまきを食べていて、寝床は銀箔マットや寝袋が準備できなかったので床にビ ニールと段ボールを敷いて寝る。トイレも一つしかなく、30分は待たなければ 用が足せない。だが座込み場の非正規職労働者の闘争の熱気は全く冷めない。

組合員たちは、インタビューをしようとすると初めは逃げようとしながら、あ る瞬間、8〜10年間味わってきた自分の悲しみと怒りを吐き出した。そして組合 員たちの怒りはそっくり「今回の座り込みの結論は正規職化しかない」という 言葉に至る。他の解決策や妥協では、座込み場を決して離れないと強調する。 正規職化という言葉が合意文に入らなければ絶対出て行かないという言葉は、 偶発的に起きた座り込みに見えるが、すでに胸の中にストライキの種を育てて いたから、本番に入ったという言葉だった。

社内下請労働者で8年働いてきたA氏は、昨日の夜中に2階の座込み場で不寝番を していて、ちょうど目を覚ましたところだった。彼が一番さびしかったのは、 作業中に不良が出れば、直営は会社が笑いながら通り過ぎても業者非正規職に は、まず最初の言葉が『この野郎あの野郎がまず出てきた』と記憶をよみ返ら せた。

A氏は「派遣業者の人たちはみんな汚くて騒々しくて重いような仕事をするが賃 金は正規職の半分にもならない。現代車は『お前らが何だ? お前らのようなや つらに何ができる』そんな調子だ。今回も暴力で整理すれば十分抑えられると 考えているようだが、間違いだ」と話した。

A氏は「今回のストライキの勝利の条件は、組合員が隊伍から離脱しないように、 懐柔と脅迫に屈せずに戦い抜くことだけだ。正規職組合員の力も必要で、外部 の連帯も必要だが、隊伍がなくなればどんな助けがあっても何の効果もない」 と、座り込みとストライキ維持を強調した。

A氏は「シート事態が今回の闘争の出発点だと言うが、シートは出発点ではない。 もうストライキは決まっていたし、シートで問題が発生しただけ」とし「組合 員たちは、すでにストライキを決心していた。ところがシートで服と靴を剥ぎ 取られて引き出されるのを見て、怒りが爆発した。もう胸の中はストライキに 行っていた」と話した。

彼は多くの組合員たちが用役と警備に殴り倒されても、こうして粘る理由につ いての質問に、「今、私たちはこの状況を変えられる。いつまでも非正規職と して暮すのか。非正規職は資本が作った言葉で、相続させられない。非正規職 は私たちまでで、子供たちには譲れない」とし「生産職勤労者はラインを止め ることしかできない。ラインを止め、生産量を減らすことで、その場が私たち の雇用だ。ここの人たちがラインを止めれば勝てるという気持ちが大きかった。 それで現場を移動してストライキしても、さらに団結は強まる」と説明した。

▲現代車非正規職支会キム・ソンウク第1工場事業部代表が17日正規職の連帯訪問の場で闘争決意発言をしている。[出処:資料写真]

A氏は非正規職支会には「われわれはもう2006年のように力のない非正規職では ない。どんな懐柔や脅迫にも屈しない」とし「組合員は始めた時の気持ちを信 じて勝利するまでやろう。どうせ始まった戦いで、退く所もないのだから楽し い戦いにしよう」と頼んだ。

A氏にとって今回の目標はとても単純だ。「目標ですか。正規職化です。シート の懲戒を解除して連行した組合員を釈放しろというような要求ではありません。 正規職化という言葉がなければ、私たちは座り込みを解きません。それだけで す。ここにきた組合員たちはですね、みんな生きるか死ぬかできました。ばら ばらに崩れて出ることになれば、私たちは雇用でも生き残る方法はありません」

社内下請労働者として7年働いたB氏は、他の組合員たちと談笑していた。談笑 していた周辺の組合員のうち、一番若いということで代表としてインタビュー に応じた彼も、今回の闘争の最後は当然正規職化だった。彼は言葉がゆっくり していて質問するとしばらく考えて答えたが、答は断固としていた。B氏は「今 回でなければもう機会がありません。最後の機会」とし「正規職化以外の答は ない」と断固話した。

B氏も今回の座り込みは「そもそもストライキの計画があったし、シート事業部 の事態で事が大きくなった」とし「正規職労組も共に支援してほしい。一家族 のようなものなのに、まだ積極的ではなく見ているだけのようだ」という惜し みも表わした。

B氏も「非正規職は、さらに多く働き、さらにつらい仕事をするが賃金と福祉に 違いがある。不良の部分も、業者と正規職に対応が違う。正規職は何もないが 下請業者がすれば騒々しくなる」と佗びしさを吐露した。

昼食死守組に属し、階段の前で同僚と談笑していたC氏は、最高裁の判決以後、 組合に加入した。彼は「05-06年の闘争は、最初の段階で失敗したようだ。今回 の最高裁判決を契機に加入して、それだけ力が強まったことを知った」と話し た。彼は「今回のドンソン企業事態は、使用者側が非正規職労組を瓦解させる ため業者を変えた。組合脱退が契約条件だ。その次は解雇だ。そんな方式を全 工場で進めようとした」と説明した。

C氏は「ドンソン企業事態であれ何であれ、すべては正規職化すれば終わる。今 回、ドンソン企業の組合員がめちゃめちゃになれば、シート2部の業者からぞろ ぞろと入れ替えられ、正規職になる前に路上に投げ出される」と見た。自身も 初めての闘争だが、C氏も今回の闘争が最後だと思って戦う。彼は「初めてここ に座り込み入ってきた1200人の気持ちは、これで終わらせるということだ。最 後だと思って戦う」と明らかにした。

▲17夜第1工場座込み場で開かれた闘争報告大会

入社8年目のD氏は蛍光灯の明りがない少し暗いところに座って休んでいた。D氏 には、どうして組合員はこれほど退かずにいるのかと尋ねた。彼は状況自体が 『伸るか反るか』の状況だと説明した。「次にこうした闘争がいつあるのかわ かりませんし、このままじっとしていれば最高裁判決が反故にされると思いま す。ここにいる人たちは、短くても4〜5年、長ければ10年も働いてきました。 長い間生活に苦しみ、正規職が嫌がる作業をして、月給は半分にもなりません でした。私たちはもうこうして暮すことはできません。正規職化しなければな りません。今は伸るか反るかの状況です。勝てば正規職なって人間らしく暮せ ますが、負ければ終わりです。会社が降参するか、私たちが降参するかです」

D氏に用役に殴られて連れ出されるのは恐ろしくないかと尋ねた。「不安です。 もし入ってこられたら殴り殺されるかもしれませんが、死んでも戦わなければ。 何、死にはしないでしょう」。現代車社内下請非正規職座り込み労働者の覚悟 と執念は石のように固かった。(蔚山=蔚山労働ニュース、チャムセサン合同取 材チーム)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-11-18 19:58:24 / Last modified on 2010-11-18 19:58:32 Copyright: Default

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