現代車セクハラ加害者が、被害者と代理人を告訴

人権委に陳情を出し、金属労組を訪問

現代車牙山工場K物流セクハラ事件の加害者の1人であるチョン某氏と夫人のカ ン某氏が、被害者と代理人のクォン・スジョン氏を11月9日に警察に告訴、同日、 社内下請支会と幹部を対象として国家人権委員会に陳情を出した。事実上、 セクハラ事件を否定していると見られる。

彼ら夫婦は、被害者と同じ業者で働く非正規労働者だ。民主労総忠南本部によ れば、チョン氏とハン氏はチョン・ウォンヨン忠南本部長宛に送った文、人権 委への陳情書、チョン氏とハン氏が現場に配布した要請文、K物流社長イム某氏 が書いた要請文2つを送り、10日に郵便で受け取ったという伝えた。

また夫婦は9日にソウルの金属労組事務室を訪問し、パク・ユギ委員長と会い、 同じような文書を渡した。

夫婦は被害者と社内下請支会が『虚偽事実を流布』したと主張している。まず 2009年末の1次懲戒委員会の時に被害者がセクハラ被害を受けたと業者側に話し ていないという。また当時、被害者だけでなく、加害者のチョン氏も懲戒され たと強調した。

当時、被害者の懲戒はセクハラ事件による懲戒でなく、携帯電話メッセージを 被害者が他人に見せ、これに関連して『勤務時間中のけんか』による懲戒だっ たという。

携帯メールはセクハラの内容を含む携帯メールで、チョン氏が被害者に昨年4月 18日送った。これに関して夫婦は、「夫婦仲が良くない状態で、被害者が私た ちを和解させるため努力したのが有難くて送った携帯メール」と釈明した。

また彼らは支会が『不法派遣撤廃を広報する手段としてセクハラ事件を政治的 に悪用する目的』があるといった。

セクハラ事件解決手続きについても、まず会社人事権者に知らせ、加害者懲戒 処理、警察告訴および法院損害賠償請求訴訟をせず、セクハラ事件を『政治的 に利用』するために人権委に陳情し「貴委員会(人権委)を利用している」と伝 えた。

被害者を懲戒して業者を廃業したK物流の社長も被害者を批判して「会社と私の 名誉を深刻に傷つけた被害者と不純勢力に最後まで責任を問う」と述べた。

「反省もしない加害者と社長」

夫婦と社長の行動に、被害者だけでなく労組もあきれている。加害者と業者社 長が『反省』もしていないということ。

金属労組女性委員会の関係者は、「被害者と代理人を告訴したのは加害者が一 抹の反省もしていないということ」とし「この事件は明白な性暴力だ。逆に被 害者が解雇された。金属労組組合員に発生したことであり、労組は戦いをやめ ることはない」と述べた。金属労組は各支部別にセクハラ事件の解決を要求す るリレー新聞広告をのせることに決めている。

被害者代理人は業者側に被害者の1、2次懲戒委員会の時の録音を公開しろと要 求した。被害者は懲戒委員会の時、業者側がすべて録音したとし、「加害者と 業者の社長が堂々としているのなら、公開しない理由がない」と訴えた。

代理人は「被害者が持っている携帯メールと電話録音が、明らかにセクハラを 証明している。加害者と業者社長は1次懲戒委員会の時からセクハラ事件につい て全部知っていた。むしろ携帯メールと録音を出せと言い、録音は不法行動だ と被害者を脅迫した。そして他人に携帯メールを見せたことを理由に懲戒した。 二回目の懲戒で、風俗紊乱で被害者を解雇し、業者を廃業した」と伝えた。

1次懲戒委員会が開かれる前から業者社長と加害者がセクハラ事件を知っていた が、これを否定しているということだ。

また、「加害者処罰、被害者名誉回復と復職などを要求している。しかし意図 性がなくても、今回のセクハラ事件は解雇を恐れてとてもセクハラされたと言 えない『大工場社内下請女性労働者の現実』を示す。派遣制問題とからむ」と 批判した。

代理人は「加害者が人権委に出した陳情でセクハラ事件の調査と結果発表が延 期されなければと望む。反省しない加害者が事件調査を延期させる意図だろう」 と指摘した。

文書を受け取った民主労総忠南本部の関係者は「居直りにもほどがある。加害 者の行動は、業者と現代車元請が裏で操作しているという印象を拭えない。強 力に対応していく」と明らかにした。

一方、被害者は牙山工場前で座り込みをしている時に警備員から暴行されて、 病院に入院した。来週にはまた座り込みを続ける計画だ。(記事提携=メディア 忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可（ 仮訳 ）に従います。