本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:「現代車不法派遣正規職化闘争の方向と課題」討論会
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1288513570809St...
Status: published
View


「不法派遣を越え、社内下請廃止闘争へ」

「現代車不法派遣正規職化闘争の方向と課題」討論会

チョ・ソンウン記者 2010.10.30 16:46

「不法派遣正規職化と非正規職撤廃のための蔚山対策委員会」は10月28日午後7時、 北区庁の大会議室で「現代自動車不法派遣正規職化闘争の方向と課題」という主題 で討論会を開き、不法派遣闘争の要求、集団訴訟問題、元下請連帯方案などを議論した。

[出処:蔚山労働ニュース]

この日の討論会には、不法派遣対策委の所属組織の会員と現代車支部活動家たち、 現代車非正規職支会幹部と組合員たちが参加した。

イ・ナムシン「元下請連帯が人のせいにする連帯にならないように」

韓国非正規労働センターのイ・ナムシン所長は、元下請連帯のつなぎ役になり たいという希望を表明しながら、基調発言を始めた。

イ所長は「韓国の非正規職運動は、社会的な世論化と議題化はできても、それ に見合う勢力化ができず、民主労組運動陣営に進入できなかった」と診断した。

続いて「7月22日の最高裁判決は歴史的意味があり政治的メッセージがある。最 高裁判決は、タイムオフに象徴されるように民主労組運動が守勢に回っている 中での思いがけない反転という意味があり、民主労組運動の命運に直結する」、 「しかしこの影響を極大化し、拡大する主導者と民主労組運動は非常に低迷し ており、この中心に不法派遣闘争がある」と指摘した。

また「元下請連帯の主体は現代車非正規職3支会だと思う。利害関係は異なる。 現代車は身分制度というほど格差が大きいが、支部を批判するより共にできる きっかけを捉えなければならない。信頼のない元下請連帯は必ず失敗する。厚 い信頼を作るために努力しなければならない」と強調した。

合わせて「急ぐよりも、ぜひ成功させることを目標として支会が譲歩し、妥協 し、忍耐しながら、自分たちの目標を貫徹させてほしい」と付け加えた。

イ・ナムシン所長は「現代車支部は第2次組織化の課題に積極的に介入しなけれ ばならない。支援することは多い。現場組織と連帯しなければならない。現場 で支会の組合員たちが決意して独自にストライキをするようになれば、元下請 連帯に及す憂慮を最小にする形で積極的に介入、支援しなければならない。戦 術的な意見の違い一つでこわれる。そのために薄氷の上を歩く気持ちで、貴重 な結果が得られるように、支部が本来の役割を果たすべきだ。また現場組織も 宣言だけでなく共同の行動を始めるべきだ」と注文した。

続いて「勤続が2年にならない労働者、2次と3次社内下請労働者が存在しており、 彼らに対する差別処遇を改善させなければならず、総雇用の保障をさせなけれ ばならない」とし「支会も2年以上の人に集中する苦情は理解しているが、それ に留まっては困る」と指摘した。

また「不法派遣対策委は、地域の世論化作業などの空中戦は、ほどほどにしな ければならない。支部、支会の連帯が危険になるたびに地域対策委が仲裁役を 果たさなければならない。そしてこのような仲裁役を現代車支部、支会が開か なければならない」と強調した。

「不法派遣を越え、社内下請廃止闘争へ」

補助問題提起をした金属労組のチェ・ビョンスン未組織非正規職局長は「最高 裁の判決は、派遣法にひびを入れた。直接適用される事業場は多くない。だか らこの判決は、主体の闘争により突破しなければ、社会的に適用されない」と し「李明博政権は、職業安定法を改悪することで大型派遣業者を認め、派遣業 種の拡大を進めている。韓国社会が進むのは労働者搾取、抑圧を強化する方向 で、そんな現実の中に最高裁判決がある」と主張した。

続いて「今後、最高裁の判決を持って現代車非正規職がどう闘うかによって、 その闘争の結論によって資本の柔軟化攻勢に突破口を開き、民主労組運動が前 進するか、あるいは民主労組が崩壊するかの岐路にある」とし「派遣法改悪と 連動して不法派遣闘争に積極的に連帯し援護するストライキ闘争が要求されて いる」と強調した。

チェ局長は「不法派遣撤廃闘争は現代車の単位事業場の問題ではない。この問 題を他の製造業に拡大するために、民主労総蔚山本部は現代車不法派遣撤廃闘 争を支持・援護して、社内下請を廃止する計画をたてなければならない。蔚山 には化繊、造船事業場もある。全体の問題に拡大し、社内下請廃止のための幹 部の決意を高め、不法派遣闘争に連帯しなければならない」とし「今、現代車 支部、支会、民主労総蔚山本部がどんな計画を提出するかによって、不法派遣 闘争が現代車の塀を越えるのか、身分上昇運動にへたり込むかの岐路に立って いる」と指摘した。

また「非正規職がテントを張るだろう。不法派遣対策委と現代車支部現場組織 も一緒にテントを打たなければならない。さらに地域での全面ストライキも不 可能ではない。全北地域は全面スト集会を進めている。蔚山もプラント・スト の時、ストライキ宣言のための代議員大会が開かれ、尾浦闘争の時も地連委の 仲間たちが代議員懇談会を要請した。どう作っていって組織するかにより、で きない問題ではない。また金属労組にも圧力をかけなければならない。責任を 持つよう要求しなければならない。不法派遣撤廃闘争が派遣法改悪に対して死 活をかけて全面ストライキで対抗しなければならない」と注文した。

カン・ジョンヒョン「交渉窓口を通じ、何かを作らなければならない」

現代車支部のカン・ジョンヒョン組織強化室長は「支部への視線は理解してい る。実際に執行部が一度間違った判断をすると余波が大きくなる。色々な悩み がある。仕事を始めれば結果を出すべきだというのが基本的な考えだ。始めた だけで、宣言するだけで、主張して結果を出せなかったため、運動陣営が退歩 した」とし「支部も不法派遣問題に取り組んでいる。まず組織化事業だ。次は 交渉窓口をどう開くか、そして3つ目が訴訟問題だ。この3つの領域で共同事業 にしていくという趣旨で元下請が議論してきた」と明らかにした。

続いて「支会が1次組織化事業をしていた時、支部は最大限組織化事業に集中し た。2次、3次の気勢を作れる力量を内部で作りつつある」とし「1社1組織問題 は代議員大会で3回否決された。現場組合員を無視して接近することはできない。 まず今回の金属労組代議員大会で決意して、支部で方案を探す契機が必要だ」 と強調した。

カン室長は「支部が銃を担いでいてうんざりする状況だ。支部の立場は何なの かと現場の中から出てくる。交渉窓口を通じて何かを作り出さなければならな い。それに努力している。だが国政監査でカン・ホドン副社長はこれを認めな かった」とし「支部は魔法の棒ではない。支部がやればできるだろうという考 えは捨てるべきだ。組合員の力を集めなければ貫徹できない。スト権でやらな ければいけない。だが今は元下請の間に内部的な差がある」と話した。

また「支部は不法派遣の問題を軽く見ずに解決する意志がある。あちこち努力 している。しかしどの時点でどう率いて議論し、整理するのかというイメージ がない。こうした場で内容を満たしてほしい」と吐露した。

イ・サンス「現代車非正規職3支会スト、15万が連帯するストに」

現代車非正規職支会のイ・サンス支会長は「7月22日の大法院判決以後、600人 の生き残った組合員が主導的な役割を果たした。会社による各種の労組脱退工 作が失敗している。支会組合員自身の団結と力を感じている」とし「2次組織化、 3次組織化を言うが、会社の攻撃から守り抜いて、今の組合員をさらに安定して 力強い姿になれば、2次組織化事業ができると考える」と明らかにした。

続いて「金属労組不法派遣対策チームは何をしているのかわからない。牙山、 蔚山、全州の案を整理して上げても何も降りてこない。核心事業場だと言うが、 とても内容がない。20日の代議員大会スト宣言もしてほしいと要求している。 ストに突入すれば、3支会の戦いが金属労組15万組合員と連帯する闘争だと思え ば、この闘争は勝てる」と強調した。

また「支会は金属労組直轄なので、支部は連帯の水準で接近する。上級団体の 責任性から一歩踏み出している。昨年、一時的に蔚山支部で編成すると決めて、 蔚山支部に要請した。だが蔚山支部は選挙の状況だったし、意見を調整する途 中でやめた。不法派遣対策委にも蔚山支部は入っておらず、これから蔚山支部 との関係を作り、共同闘争会議体制に入り、議論の枠組みを作る」と述べた。

イ・サンス支会長は「3支会は待ってばかりいられない。スケジュールを進める。 交渉に出てこなければ調整手続き、争議手続きを踏んでいく」とし「最も重要 なことは、非正規職労働者が弾圧に一番弱いということだ。一発で吹き飛ばさ れる非正規職が集まっている労組だ。内部の組織力を守ることが現代車支部と 蔚山支部の役割」と強調した。

続いて「不法派遣対策委の仲間たちは、会社の不当労働行為を支会自らの力で 防ぐのが難しい。地域宣伝戦と世論戦を強化してほしい。支会の組合員たちが 自信と勝利の確信を持てるように、昨日のように工場の外に出た時のように、 連帯してほしい」と訴えた。

アン・テホ「元下請連帯1社1組織で、非正規職組合員は優先的に支部に加入させて拡大しよう」

現代車現場組織現場闘のアン・テホ中央委員は「集団訴訟は問題がある。訴訟 費用について個別負担の問題が集団訴訟の趣旨を歪めている」とし「組合員の うち半分が訴訟費用を払えずにいる。過半数を越える組合員が排除され、2年以 下も疎外されるケースが発生している」と批判した。

続いて「元趣旨のとおりの集団訴訟に戻さなければならない。すべての組合員 が基本的に判決の対象だ。金属労組の集団訴訟にすべきだ」と強調した。

アン中央委員は、元下請連帯方案について「まず金属労組が役割を果たすべき だ。正しい方向で訴訟を提起しなければならない。2年以下が共に参加しなけれ ばならない。訴訟で差別が発生し、2年以上と以下が分離すれば、この闘争に勝 つのは難しい。二つ目に支部の役割も重要だ。元下請連帯方案はすでに決めた 1社1労組に加入することだ。支部執行部にその気があるのなら、非正規職組合 員を優先して加入させ、拡大してほしい。また無記名秘密投票でなく挙手投票 にしたら良い。また製造職が実践的に連帯したら良い」と明らかにした。

キム・デファン「沈黙のカルテル、禁止を破れ」

社会主義政党建設共同実践委員会のキム・デファン蔚山代表は「今、私たちの 間には沈黙のカルテルが流れている。禁止を破らなければならない。それは、 現代車支部との関係の問題だ。支部は問題を解決するために努力しているとい うが、確認できない」とし「不法派遣対策委が記者会見して出勤闘争をしよう としても、支部からの圧力があるといって地域で現代車蔚山工場前に行けなかっ た。現代車から部品社、造船事業場、鉄鋼へと不法派遣闘争を拡大するべきな のに、現代車の前で詰まっている」と批判した。

続いて「現代車の不当労働行為に対して非正規職の仲間たちをどう援護するの か。実践的、模範的な支援・連帯方案を見つけなければならない。こうしたこ とが見えない。民主労組運動の伝統を守れずにいる」とし「現代車非正規職支 会が11月にストライキを準備している。支部との協議と協力で、積極的に早く 整理すべきだ。支部が非正規職組合員を積極的に援護する前向きな態度を示せ」 と強調した。

[出処:蔚山労働ニュース]

「今は打ち込む時ではない」

基調発表と補助問題提起が終わり、発表者と討論者は質疑応答をした。

金属労組のチェ・ビョンスン未組織非正規職局長は、アン・テホ現場闘中央委 員の問題提起は事実ではない問題提起だと正し、法律的ガイドラインの限界を 指摘した。また法が引いた2年以下の者の問題は、訴訟ではなく交渉と闘争で解 決するしかないという点を明確にした。

社労委のキム・デファン蔚山代表の批判について、現代車支部カン・ジョンヒョ ン組織強化室長は「適切な牽制と批判は受け入れる。支部は不法派遣問題を解 決するために悩んでいる。訴訟にはどれくらいかかるかわからない。しかし今 は打ち込む時ではない。公式的な議決機構で何が決定できるか悩んでいる」と し「できる状況になれば、不法派遣対策委も参加でき、支部が解決しなければ ならないということははっきり知っている」と答えた。

「金属組合員が金属組合員を弾圧する道具に使われるのは絶対に防ごう」

問題提起に対する参加者の質疑応答の時間が続いた。質疑応答は、現代車支部 カン・ジョンヒョン室長に集中した。参席者が一度に多くの質問をして、この 質問に答える方式で進めた。だが会議室の利用時間に追われ、十分な討論はで きなかった。

現代車支部のチョン・ドンソク組合員は「30日、会社は代替労働の投入を発表 した。組合員は支部がどう考えているのか関心を持っている。また1社1労組は イ・ギョンフン支部長の公約事項でもあり、実行する時期だ。そして非正規職 支会が11月末にストに入るが、どうするのか支部の立場を出す必要がある」と 質問した。

これにカン・ジョンヒョン室長は「30日の代替労働投入に関して25日の運営委 懇談会で決定した。『非正規職組合員が闘争に行くのに、正規職組合員が埋め ていいのか』と事業部の代表と共有した。事業部委員会で伝えられるだろう」 と明らかにした。

続いて「現実的な条件を見ると、焦りもあり、慎重に接近しようとする所もあ る。不法派遣闘争に関しては11月4日の支部TFT修練会で議論して解いていこう としている」と話した。

現代車非正規職支会のソ・サンヨン解雇組合員は「破棄差し戻し、われわれは そんな単語は使わない。この用語でカン室長の考えがわかり苦々しい。チェ・ ビョンスン同志はすでに判決により工場に入れなければならず、金属労組未非 局長として入れなければならない。ところが現場の出入が保障されない。カン 室長は打ち込むというが、出入の問題はストライキで解決する問題ではない。 カン室長は警備と戦えると思う。これを通じ、支部の意志が読めるのだ。チェ・ ビョンスン同志の出入問題を解決すべきだ」と要求した。カン室長は「チェ・ ビョンスン局長の出入の件は最善を尽くして解決する」と答えた。

蔚山労働者勉強会のカン・ジングァン会員は、不法派遣闘争の性格と展望につ いての見解を提出した。カン会員は「今現在進められている不法派遣撤廃闘争 は、派遣法改悪に対する闘争に行くしかない。李明博政権は派遣業種の拡大を 表明した。保守勢力は派遣法の改悪で最高裁判決を根本的に解決する方針を明 確にしている。現代車は違憲訴訟をした。これは大工場不法派遣問題を根本的 に解決するために、派遣業種を拡大するということ」とし「不法派遣撤廃闘争、 派遣法撤廃闘争は、根本的に全面ストライキ闘争でしか解決しない。非正規職 と正規職が団結闘争しない限り、勝利の道はない。この闘争に敗北すれば、派 遣法改悪に帰結し、民主労組事業場が潰れる」と主張した。

続いて「非正規職運動の効果的な弾圧のために動員される武器が、まさに正規 職組班長を救社隊に組織することだ。双龍車ストライキの時、組班長が組合員 を救社隊に組織した。すでに現代車牙山では、正規職の組班長が非正規職支会 集会の時にすでに動員されている。また現代車支部のエンジン事業部でも組班 長が非正規職組合員に30日の特別勤務拒否指針を遂行するなと推奨した。これ はかなり重要な兆候だ」とし「すべての金属組合員が金属組合員を弾圧する道 具に使われることは絶対に防がなければならない。これをこの場で確認しよう」 と訴えた。(記事提携=蔚山労働ニュース)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-10-31 17:26:11 / Last modified on 2010-11-02 20:21:47 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について