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双竜車討論会、対政府・拠点闘争論争

拠点闘争、整理解雇問題しか残さなかった VS 社会的争点を作った

キム・ヨンウク記者 batblue@jinbo.net / 2009年08月21日10時53分

77日間の工場玉砕ストライキ。双竜車労働者の死活をかけた闘争は労働運動と 進歩陣営に多くの課題を残した。77日間の闘争で、争点も議論も多かった。生 死の岐路で戦略と戦術をめぐる立場の違いも多かった。当時、判断と実行の中 で静まっていた立場の違いは、評価の時にまた生き返った。救社隊の常時的な 暴力と特殊部隊まで出した史上初の物理力の前に、77日間の戦いの交渉結果は 良くなかったので、保守言論は白旗投降と評価した。では結果をめぐって労働、 進歩陣営はどんな評価をしたのだろうか?

ストライキが終わって半月がたった時点、双竜車闘争に対する評価討論会が民 主労働党付設新しい世の中研究所の主催で8月20日に開かれた。この日の討論会 は、戦術に対する評価が争点になった。基調発表をしたイ・ジョンタク産業労 働政策研究所副所長は、闘争戦術に対して全般的に批判的だった。だが討論者 たちは成果については共有しながらも、イ・ジョンタク副所長の戦術評価には 鋭い反論を投げた。イ・ジョンタク副所長は双竜車汎国民対策委で政策を担当 していたが、この日の討論会での立場は研究所と自分の立場だと話した。

イ・ジョンタク、「拠点闘争は整理解雇問題しか残さなかった」

イ・ジョンタク副所長は限界の前に、双竜車闘争の過程で現れた争点から紹介 した。イ副所長は「双竜車を回復させられるか、回復しなければならないかと いう争点があった」とし「整理解雇などのその他の問題には、進歩陣営が世論 の呼応を引き出したが、回復の問題は公的資金投入に対する留保的な態度であ まり世論の反応を得られず、最初から最後までこの問題が残った。この問題は 争点になり続ける」と主張した。彼はこの問題が運動主体の内部にも常に残る 争点だったと話した。

また、今回の闘争が総労働と総資本の代理戦だったのか、構造調整の前哨戦だっ たのかという評価には慎重でなければならないと指摘した。イ・ジョンタク副 所長は「対立と経済危機転嫁の意図は表現されたと思うが、冷静に社会的次元 から見れば、すでに構造調整は銀行、建設、造船、大企業、グループ、中小企 業に至るまで、政府によりこの問題とは別に進められ、双竜車問題はその問題 と若干軌道が異なる様相」と話した。

続いて彼は「金属や双竜車支部で『一緒に暮らそう』という提起に議論があっ た。今もこの問題がすっきり同意されていないと思う」と評価した。イ副所長 は「一緒の主体と対象の範囲が問題になり続ける」と展望した。イ副所長は平 沢工場を中心にしたストライキの様態や連帯組織を形成する過程でも争点があっ たと紹介した。

「単位事業場闘争で総労働の対資本戦線形成は素朴な発想」

こうした争点の中でイ副所長は今回の闘争の限界を批判した。イ副所長は「支 部は平沢拠点を選択したが、金属や民主労総の連帯単位の対応は工場ストライ キ占拠突入から対政府社会闘争という面で、独自の主導力や主体的な対応で弱 かった」とし「工場を取り囲み、すべてがそこに集中する状況になり、自動車 産業のきちんとした回復の問題は水面下に沈み、整理解雇対象者処理だけが残 された」と指摘した。

彼は「双竜車支部が自分の闘争を展開しながら、一定の社会的役割を遂行する よう要求したこと、双竜車支部の闘争自体を今、総労働と総資本が激突する縮 小版と規定して、双竜車支部で強力な闘争を展開して李明博政権の構造調整政 策を破綻させ、資本の危機を労働者に転嫁する方式を挫折させられると話すこ とは本末転倒」と評価した。

イ副所長は提案発表文で「ある事業場に対する闘争と、それに対する連帯によ り資本と政権に対抗する総労働の対資本戦線を形成しようと言う発想は非常に 素朴だ」と表現した。特定事業場の闘争を媒介として形成される戦線が対資本、 対政府戦線に広がるためには、その事案を規定する普遍的・一般的な問題を社 会的に提起する別途の過程がなければならず、それがない個別事業場の連帯は 当該の闘争の支援水準に留まるほかはないということだ。

イ副所長はこうした側面で、雇用維持を越える「一緒に暮らす」ことへの悩み が不足していると指摘した。この問題は新しい代案を提示できなかったという 評価につながった。

イ副所長は「双竜車支部を中心とする闘争隊伍は強固な姿勢を見せたが新しい 代案を提起した初期の姿は消え、整理解雇の処理問題に狭まっていった」と主 張した。彼は「新しい代案を提示して資本の苦痛転嫁を無力化することに、も う少し重心をかけていれば、無給休職を電撃的に要求して雇用関係を維持する 一方、社会安全網を再構築する闘争に取り組めただろう」と評価した。

続いてイ副所長は「一緒に暮らそう」というスローガンで提示されたが労組を 越えられなかったと評価した。イ副所長は「正規職労働者が解雇で受ける生活 の苦しみと奈落で、雇用維持は最も重要な問題だが、他の側面から見ればその 瞬間、双龍車正規職雇用を維持する闘争と読める」と主張した。彼は「私たち の運動が単に解雇者の雇用を維持する問題だけでなく、社会の非正規職などの 階層的な部分をどう労働運動と進歩陣営が引き込んで行くかという悩みに進ま なければならない」と述べた。

もう一つの限界としてイ・ジョンタク副所長が指摘したのは拠点闘争だった。 イ副所長は提案発表文で「双竜車支部が闘争の拠点を平沢に限定して玉砕スト ライキを選択したことで、対政府社会闘争の動力が急激に下がった」とし「企 業の垣根を越え、イデオロギー闘争と政策提示、社会的世論化が必要な状況で、 玉砕より街頭と地域をもっと重視する戦術を選択するべきだった」と評価した。 拠点を作るのは必要だが、少なくとも平沢とソウルを行き来することができな ければならなかったし、社会的な象徴空間を拠点化することも十分に考慮しな ければならないということだ。

討論者、対資本・拠点闘争評価と反論

こうしたイ・ジョンタク副所長の評価をについて闘争戦術をめぐる争点が形成 された。

コン・ゲジン金属労組政策研究院長は「一緒に暮らすことには色々な側面があっ たが、そのような概念を理解した状態で指導できなかった」とし「金属労組が 双竜車を主導的に指揮できず、完成車メーカーをこの闘争に付けることができ ないという問題が発生した」と話した。

コン・ゲジン院長は「双竜の問題を国民の問題にできず、きちんとスローガン を企画して執行できなかった」とし「双龍車問題が国民全体の問題でなく双龍 車労働者の雇用問題だけに限られた。終盤に何が切られるかの問題になり、そ れで国民の介入が難しく、経済全体問題や自動車産業全体問題にできなかった」 と評価した。

玉砕ストライキは、「仕方ない選択だったが、金属労組が一緒に暮らすという 観点で、この部分をよく運営すべきだった」とし「金属労組はこの闘争が双竜 に閉じ込められるのを防ぐために、ソウル市内を騒がせて政府が公的資金など の部分を積極的に考させるべきだったが、そうではない部分があった」と付け加えた。

コン院長はまた「96-97年のゼネストは、相当の期間予想して準備したので可能 だったが、今回の双竜車整理解雇構造調整は十分に予想されたのに十分に準備 し、完成車の教育などができなかった。大工場の経済主義、実利主義問題を深 刻に考えなければならない。助け合い闘争さえできなかった」と評価した。

彼は「ストライキは終わったが闘争は終わっていない」とし「売却について、 もっと積極的に提起しなければならない」と話した。コン・ゲジン院長は産別 労組の方向も指摘した。彼は「以前の大宇自動車売却問題の時は自動車4社共対 委が共に闘った。その時は企業単位の連盟で、今は15万産別なのに、連帯がで きなかったという点を深刻に考えなければならない。賃金や雇用にだけ介入す る産別労組では、色々な問題に対応するのは難しい。産別労組の指向点を世の 中を変える産別として明確にし、単なる雇用と賃金問題の介入でなく、社会に 介入していくような運動に進まなければならない」と提案した。

イ・ウイヨプ民主労働党政策委員会副議長は「『解雇は殺人だ』と『一緒に暮 らそう』というスローガンは効果的だった。無給休職まで受け入れて、整理解 雇ではなく一緒に暮らすことを叫ぶ要求を全社会的に作り、根源的な新しい社 会秩序を作る契機になった」と評価した。彼は「労働組合が産別労組らしく強 化されなければならない。今回の闘争の限界で産別を否定してはならない」と 述べた。彼はド「工場占拠は恐慌時期に不可避で唯一の選択だと思う」と述べた。

チョン・イルブ韓国労働運動研究所副所長はイ・ジョンタク副所長の評価を強 く批判した。チョンイルブ副所長は「産業政策に対応する闘いと単社の整理解 雇阻止闘争を分離して運動方式を変えようとか玉砕ストライキ拠点評価をした が、そのような評価の方向では問題が深刻化する」と火ぶたを切った。

彼は「金属労組も民主労総も、産業政策的な介入と整理解雇問題を分けて考え ない」と反論した。チョン副所長はまた「単社の問題を全体の対政府闘争に進 めるのは純粋だというが、対政府闘争戦線を作ってもどんな動力で作るのか。 結局、双竜車組合員の動力がなければならないように全体の戦線は現場の動力 から出発するほかはない。それができなかったのは、それだけ力が弱かったた め」と話した。

イ・ジョンタク副所長の闘争拠点評価にもチョン副所長は『違う』と反論した。 チョン副所長は「恐慌でなくても現場に自分の根拠を決めず、ソウルのどこか 違うところだったら、どれだけ双竜車が頑張れたか」と反問し、「そうすれば 政権に攻撃の名分を与えることになり、もっと苦しかっただろう。根拠地は自 分の現場がいい。国民も自分の工場占拠に対する常識的判断があった。現場か ら始めるのが正しい。ここからさらに踏み出さなければならなかったが、踏み 出せなかったのが問題だ」と反論した。彼は「現代自動車でもどこでも大きな 工場で残業拒否でもしていれば、政権が『共に動いてるな』と思い、戦線拡大 の兆しが見えれば微動もしないという態度ではなかっただろう」とし「反省す る点は戦術的な残業拒否もできなかったところにある」と主張した。

チョン副所長は、産別懐疑論を警戒しようと要求した。彼は「金属労組がこう なったのは大工場が互いに産別的な行動をしたことがない状況で、物理力の攻 撃に対応できなかった。産別がきちんとできなかったから問題だと評価するよ り、戦略的に反省する点を探さなければならない」と主張した。

チョン・ジョンナム タハムケ(All Together)労働組合チーム長もイ・ジョンタ ク副所長の評価に細かく反論した。チョン・ジョンナム チーム長は「単社の工 場占拠ストライキと、ここに投影された構造調整闘争を分離して単社占拠スト ライキをおとしめる評価には説得力がない」と主張した。彼は「単社闘争とし て始まったが、特定の条件でこうした闘争になり、構造調整自体が政策批判の まないたに上がった」とし「保守であれ進歩であれ、単に双竜車特定工場の労 働者の解雇問題と考えなかったから争点に浮上した」と反論した。チョン・ジョ ンナム チーム長はまた「この点で、単社の闘争から社会的なものに争点を拡大 させるには、別途の努力が必要だと提起した点も理解できない」とし「発電や イーランドの闘争を見ても、単社の闘いが全社会的な闘いになった。雇用安定 の闘いと社会安全網強化の闘いは別問題ではなく、同じ問題」と話した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-08-30 00:55:48 / Last modified on 2009-08-30 00:55:50 Copyright: Default

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