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双竜車労働者たちは『強硬』なのか

柔軟な労組を要求するマスコミ...強硬なのは政府と使用者側

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2009年08月05日11時35分

労働組合が強硬だという改革言論

双竜自動車労働者の整理解雇反対占拠座り込み76日目。政府は事態の平和的解 決のために介入するどころか、使用者側と共に公権力で座り込み労働者の鎮圧 だけに熱を上げている。ほとんどのマスコミは警察がいつ座り込み労働者を引 き出すのかだけに集中し、まるでスポーツ中継のように報道に熱を上げている。

事態が平和に解決されるべきだと、ハンギョレ、京郷などの進歩的なマスコミ が持ち出したのが、労組が「強硬な」態度を捨てるべきだということだ。政府 の無策傍観と使用者側の一方的な交渉決裂宣言も問題だが、労組が整理解雇そ のものを受け入れないのも問題だという指摘だ。

ハンギョレは5日付の社説で「特に労働者が警察により強制解散すれば、労組は 特に利益も得られず、双竜車事態の責任をかぶる可能性が高い」と指摘して 「整理解雇そのものが受け入れられないという主張は、社会的共感を得にくい」 とし「まず会社を離れても再就職の約束が守られれば、一定水準の整理解雇は 受け入れるような柔軟性を見せるべきだ」と助言した。

京郷もこの日、論説で「労組側も『総雇用保障、整理解雇撤回』という当初の 要求に過度にしばられ、一歩も退けなくなった」とし「使用者側の圧迫に追い 込まれ、身動きの幅が狭まった労組の事情は理解できるが、柔軟性を発揮する 余地が少しもないのかという疑問を払い除けられない」とした。

「約束を守ることができなかった」

双竜車支部は、ストライキにあたり組合員たちと約束した『総雇用保障』の約 束を守れなかった。

双竜車支部は8月2日に交渉状況の報告で「労組はすでに2646人の構造調整で、 正規職だけでなく非正規職を含み2千人が失職し、生存の崖に追いられれた状況 で、総雇用を守れなかったことを骨身にしみる傷と感じている」と述べた。続 いて「使用者側は70%以上の構造調整目標を達成し、労組は賃金凍結、福祉恩 恵中断、分社一部受け入れまでしたのに、今最後に残った700人の闘う組合員に 降伏と屈従を強要している」と伝えた。

自ら評価するように「骨身にしみる傷」を甘受してまで、双竜車支部は破局を 避けるために『柔軟な』態度を取った。警察が空から毎日のように催涙液を落 とし、使用者側は鉄パイプを持つ用役職員を投入して険悪な雰囲気を造成し、 債権団は破産申請で圧迫するなど、誰もが組合員が座込み場を離脱することを 待つだけの状況で、双竜車支部の選択は強硬ではなかったのだ。

誰が『強硬』なのか

問題は、使用者側と政府の態度だ。使用者側は、交渉で整理解雇以外の答はな いという『強硬な』態度に固執し、強固路線労組が企業の回復を遅らせるとい う論理まで持ち出した。交渉で労組は座り込み労働者全員の『6か月無給休職』 という譲歩案まで出したのに、使用者側は50%だけ無給休職、あとは整理解雇 しなければならないといった。たった一歩も退かなかったのだ。使用者側は、 『死んだ者』と呼ばれる整理解雇者2646人中、390人だけを無給休職で救い、 2256人は整理解雇することに固執したのだ。

使用者側は整理解雇に固執し、労組の譲歩案を受け入れずに一方的に交渉決裂 を宣言した。双竜車法定管理人が言及した『清算型回復計画』は破産手続きと 同じで、整理解雇されない『生きている者』の雇用も不安にしている。破産す れば労働者は3か月の賃金、3年分の退職金と、災害補償金だけで会社を離れな ければならない。破産が宣告されると会社清算ないし破産による雇用関係終了 で、解雇の要請を争う余地もない。

双竜車回復には無関心な李明博政権

政府の態度は『計画破産説』まで呼んでいる。労働者は危険物質で埋め尽くさ れた塗装工場の占拠という極端な選択をしてでも『共に暮らそう』として回復 方案を悩んだが、政府は双竜車を使い道のない企業扱いした。政府は最近公然 と双竜車破産以後の計画を明らかにしている。

イム・チェミン知識経済部1次官は先月「市場占有率が2〜3%しかなく、双竜車 の生産車種である高級車、SUV分野で競争圧力が少し下がる程度」とし双竜車の 破産による悪影響を小さくみせることに汲々とした。イ・ユノ知識経済部長官 は「すぐ生産に入っても生存の可能性は低いだろう」とまで言った。

民主労総と自動車産業回復氾国民対策委は、「政府は構造調整に必要な資金を 不動産担保の貸し出しで自ら調達しようとする会社の動きまで封鎖した」と説 明した。3月に明らかになった知識経済部による『国内自動車5社を3社に構造調 整する』という計画により、李明博政権は当初から双竜車回復には関心がなかっ たのだ。サムスン経済研究所も3月の報告書『世界自動車産業の構造再編展望と 示唆点』で、米国のGM、フランスのプジョーなどと共に双竜車に言及し、競争 から脱落すると述べた。

民主労総などは「すでに官界から『双竜車企画破産説』が流れて久しい」とし 「下半期に本格化する不良企業整理を前に、双竜車への公的資金投入が先例に なってはいけないという点が公然と言及され、大統領府でも労組に押されて整 理解雇を撤回すると企業の構造調整原則が揺れるという点を何度も強調したと いう」と述べた。こうした政府の立場がなければ、法定管理人と担保債権長の 産業銀行が破産に言及できないということだ。

事態の責任は、破産を公式化して責任を回避する李明博政権と、交渉決裂直後 に清算型回復計画案を発表し、人を失脚させる構造調整でなければ『破産』と いう法定管理人側の『極端な思考』にある。龍山と双竜車が見せた競争のため に弱車の死は不可避だというMB式の思考ではなく、苦しくても『共に暮らそう』 という労働者の悲鳴に耳を傾ける時だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-08-05 13:27:17 / Last modified on 2009-08-05 13:27:19 Copyright: Default

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