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昼間連続2交代、労働者の寿命、大資本の利益

[記者の目]昼間連続2交代制をめぐる現代車労使の死闘

チョン・ムンギョ記者 moon1917@jinbo.net / 2008年09月10日13時34分

9月9日、金属労組現代自動車支部の賃金交渉が決裂した。現代車支部は10、11 日に部分ストに突入すると宣言した。事実上、秋夕前の妥結は難しくなった。

現代車支部は9月2日暫定合意をしたが、賛否投票で組合員37%しか賛成せず、 暫定合意案が否決された。9日の交渉は否決以後の追加交渉だった。交渉が決裂 し、結局秋夕以後に現代車労使間できっ抗した綱引きが行われると予想される。

朝鮮・中央・東亜をはじめとする日刊紙と経済紙は今回の暫定合意案否決を 『腹いっぱいな正規職労働者の不平』と書き立てている。いつも繰り返される レパートリーだ。だが現代車現場の雰囲気は以前とは違う。その理由は『昼間 連続2交代』のためだ。現代車組合員はなぜこれほど昼間連続2交代に固執する のか。

労働者の『生命』と資本の『利益』がかかった昼間連続2交代

現代車労働者の平均賃金が、別の生産職労働者の賃金より高いのは、保守言論 により広く知られている。だが保守言論は、現代車労働者が長時間労働と夜間 労働に苦しんでいる事実は無視している。07年、現代車労働者の平均労働時間 は2528時間だった。2500時間以上働く労働者は1万人を越える。現代車支部の組 合員が4万人ほどであることを考慮すると、4人に1人の割合だ。現代車労働者は ドイツの労働者の平均労働時間の1480時間(05年基準)と較べれば2倍の時間を工 場で送っているのだ。

また徹夜で働く夜間労働を隔週ごとにすべきだ。ドイツの睡眠学会の「夜間交 代勤務をする労働者は昼間勤務だけの労働者より13年平均寿命が短い」という 研究結果だけを見ても、『命を捧げて働く』という表現は誇張ではないことが わかる。結局、現代車労働者の長時間労働、夜間労働に戻るのは『貴族労働者』 という社会的非難と寝るために帰る家でしかない。

だが長時間労働は資本の問題でもある。資本の代表ブレーンのサムスン経済研 究所は、『長時間労働実態と改善方向』という報告書で「長時間労働は組織の 疲労度を高め、企業の費用負担に帰結する」とし、そのために「生産性向上と 弾力的な勤労時間制の適用期間延長などの制度改善が必要だ」と結論付けた。

労働強度強化と現場権力弱化につながった暫定合意

こうした理解に基づいて、05年現代車団体交渉で現代車労使は『昼間連続2交代 09年1月施行』に合意した。昼間連続2交代は、深夜労働をなくして労働時間を 短縮することを骨子としている。だが昼間連続2交代制の施行を控えて現代車労 使には解決できない問題があった。労働時間の短縮で減る賃金と生産性維持の 問題だった。電子は現代車労働者に、後者は現代車資本にとって死活がかかっ た問題であった。

そして交渉中断という紆余曲折の末、暫定合意案が出てきた。結果は労働強度 を強化して生産量を維持する方式だった。賃金も、生産量が保全されれば現行 を維持する内容だった。現代車資本は昼間連続2交代で何も失っていない。だが 現代車労働者には『労働強度強化』という贈り物が帰ってきて、おまけに現場 の権力も奪われる危機に直面した。

現代車支部がまだ『強盛』労組として残っていられるのは、代議員の役割が大 きかった。代議員の力はM/H協議(時間当りの完成車生産台数と投入人員に対す る労使交渉)に起因するところが大きい。組合員の生活と密接に関係のある延長 勤労と労働強度、配置転換などを担当しているためだ。また代議員は該当組合 員から即刻審判を受けるので、組合員の表情を常に見なければならなかった。 だが今回の暫定合意は、M/H協議権限を昼間連続2交代協議機構に渡すことにし た。今、ごく少数の労組幹部と使用者側関係者が全てを決めることになった。 こうなると、現代車組合員の多数は直接的な力を行使できなくなる。

実力対決で誰が勝つか

現代車支部建設以後、歴代最大の反対で否決された暫定合意案だ。構造調整の 狂風が襲い掛かった98年も、こんな結果は出なかった。現代車支部が秋夕前の 妥結を考えられない理由がここにある。

保守言論と経済紙はいっせいに、経済のためにはやく妥結しろと現代車支部を 圧迫している。昼間連続2交代が現代車だけの問題でないからだ。現代車労使の 結論が金属製造業の多数を占める起亜車、自動車部品メーカーの勤務形態に影 響するためだ。

現代車労働者と現代車資本は死闘を繰り広げている。この死闘は現代車労働者 には『寿命』がかかった問題で、現代車資本には『利益』がかかった問題だ。 そして多くの製造業労働者はこの死闘に目と耳を傾けている。結論は、誰がさ らに力を発揮するかにかかっている。ボールは現代車労働者のものだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-09-12 08:50:47 / Last modified on 2008-09-12 08:50:47 Copyright: Default

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