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韓国:浦項・労働者大会
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[浦項18:30] 「なぜ抜けろと言うのか」家族が鬱憤

5時20分頃、指導部は突然決意大会終了を決定

イコンマム、チェイニ記者/ 2006年07月19日10時49分

放水を受けながら、警察と対峙した午後5時20分頃、急に指導部の決意大会の 終了を知らせる放送があった。司会者は「今日、結局浦項製鉄を占拠した同志と 会えずに帰ることになった。いろいろと予想できない状況により、今日は解散 するものの占拠している同志は民主労総が何かの決定をするまで解散しないだ ろう」とし「22日の全国労働者大会までもう少し組織しよう」と話した。

家族対策委会員は「私たちがいつ民主労総の話をきいたのか」「浦項製鉄本社に行こう」と前に出て行った。

パクテギュ建設運送労組委員長は「今日の闘争で一勝負みごとに戦おうと思っ ていた同志には申し訳ない。建設連盟の準備がとても不十分だった」とし 「8000人の参加を予想していたがそうならなかったし準備ができない戦いで 同志が血を流す姿を見たくなかった」と話した。

決意大会参加者たちは鉄パイプを激しく地面に下ろし、不満を示している間、 家族対策委会員は連座して「なぜ抜けろと言うのか」と鬱憤をぶちまけた。 結局午後5時50分頃、家族対策委会員50人ほどが撤収を準備していた警官の前 に走って行き、座込み場への食物搬入許容などを要求して30分あまりデモを続 けた。

警察は家族対策委が接近すると、暴力的にピケを奪い、家族対策委を道路に押し出した。

抗議をしたある家族対策委会員は警察の暴力に抗議してその場に座り込んだ。妊娠中だったこの家族は、警察の暴力で腹痛を訴えて倒れ、病院に運ばれた。

この渦中で警察に押し倒されたある妊産婦が浦項基督病院に緊急移送される事 態まで起きた。警察は午後6時頃、解散しようとする隊伍の間に奇襲的に入っ てきて、労働者が集めた鉄パイプなどのデモ用品をすべて回収していった。

すべての参加者が解散した中で家族対策委会員だけがヒョンサン・ロータリー に残って今後の対策を議論している。

警察は集会隊伍が浦項製鉄に接近できないように放水銃を撃った。

警察の放水銃にも屈しない労働者

警察は労働者たちが近寄ると歓声をあげて盾を振り回した。

[浦項17:10]建設労働者、ヒョンサン・ロータリーで警察と対峙
警察は放水銃と消火器を発射、労働者は鉄パイプと古タイヤで対抗

嶺南圏労働者決意大会を終えた参加者が浦項製鉄本社にデモ行進する途中、ヒョ ンサン・ロータリーを防いで立っている警察兵力と衝突した。鉄パイプを持っ た300人ほどの先鋒隊が先に立っていったが、すぐに警察の放水銃と消火器が 発射され、現在この一帯は修羅場状態だ。警官はこん棒を高く掲げて振り回し、 盾のゴムを取って地面でこするなどで労働者を威嚇している。警察は「直ちに 不法行動を止めて解散しなさい」と放送を繰り返しており、またデモ隊に放水 銃を発射する準備をしている。浦項製鉄本社に通じるヒョンサン江橋前以外でも 50メートル前の左右の路地の内には警察兵力が相当数潜伏していて、また衝突 すると危険な状況が予想される。労働者は古タイヤを転がして道路に配置する など、警戒を解いていない。

[15:20]「ノガダ(土方)ではない、労働者だ!」
5号広場全車線を占拠し2千人が決意大会進行

午後3時20分頃5号広場前の車線を占領して嶺南圏決意大会が始まった。参加者 は「私たちも労働者だ、ノガダ(土方)ではない」と叫び、高い決意を見せてい る。

民主労総の宣伝カーで舞台を設置した浦項5号広場はあちこちに雨水が溜って いるが、幸い前夜まで降り続けた雨脚は止み、組合員は比較的自由に活動でき る。決意大会に集まった組合員たちは帽子とマスク、安全帽、鉢巻きなど服装 をそろえて緊張した表情で席を守っている。

慶北、慶南、釜山、蔚山、大邱本部など、民主労総嶺南圏の5つの地域本部が 共同で主催したこの日の集会には、蔚山、麗水等の労働者は警察の再封鎖で出 席できなかったが、蔚山プラント労組などが再封鎖に抗議して、あちこちで街 頭闘争を繰り広げているという知らせが伝えられ、参加者から拍手が沸き上がった。

決意大会に参加したチョジュノ委員長は「本当に怒りが込み上げ、くやしい」 とし「何も言わず、休みもせず一年に800人の死者を出しながら働いてこの国 を建設したが、返ってきたのは休みもなく死ぬまで働けという資本家政権の答 だった」と憤慨した。

チョジュノ委員長は「本当に法を守ることを望むわれわれを暴力集団と罵倒す る報道機関と政府の姿勢には我慢できない」とし、「正当な闘争と実質交渉当 事者である浦項製鉄の交渉参加を要求しながら、屈することなく闘争し、この闘 争を80万民主労総組合員の闘争に広げよう」と話した。

浦項製鉄本社の中で座り込みをしながら、電話で闘争演説に乗り出した浦項地域 建設労組のイジギョン委員長は、「多くの同志たちが私たちを支援して支持し てくれている中で、少しも揺らがず闘争している」とし、「必ず元請会社であ る浦項製鉄の交渉を引き出し、建設労働者の暮しが良くなるように最後まで闘争 する」という決意を明らかにした。

決意大会の途中、次第に全身が冷たくなり生死の境をさまよっているハジュン グン組合員の状況が伝えられ、多くの組合員が鬱憤をこらえながら、最後まで 闘争することを確認した。

浦項都心の車線をすべて占拠して集会をしているが、まだ近くに警察の姿は見 えない。しかし、浦項製鉄本社の周辺には1万6千人あまりの警察兵力が配置され ていると伝えられ、決意大会の後には参加者が浦項製鉄本社方向にデモ行進を試 みる計画であり、警察との衝突が避けられないものと予想される。

[浦項14:30]警察、浦項に通じるすべての道路を封鎖
3時の決意大会場も封鎖され、労働者たちは緊急移動

3時に嶺南圏決意大会が予定されているが、嶺南圏の労働者たちが続々と浦項 に集結している。

しかし警察は浦項に通じる国道と高速道路を封鎖して労働者の進入を封鎖して いる。大邱から出発した労働者たちは浦項に入るICで止められ、国道もまた警 察車両で止められ、集会参加者はもちろんすべての市民の通行が封鎖されてい る状況だ。

麗水から出発した労働者隊伍も、警察が8中隊を動員して麗水市栗村面サンボ ン3通り地方道への路地を遮断して、移動が遮断されている状況だ。

一方、3時に浦項公設運動場で開く予定だった嶺南圏決意大会は、警察の封鎖 方針により場所を移動した。変更された場所は浦項5号広場だ。

5号広場には建設労働者約2000人が集まっている。彼らは2時50分頃車道を塞い で決意大会場所を確保している。ここに集まっている労働者は車道を塞ぎ、 「建設労働者も労働者だ労働三権保証しろ」、「建設労働者を殺す警察暴力糾 弾する」と叫び、隊伍を整備している。

[浦項12:30]「末っ子がはやく目覚めてくれることだけを望む」
ハジュングン組合員相変らず重態

重態に陥ったハジュングン組合員が入院している浦項東国大病院を訪ねた。 2階の集中治療室前の廊下には、浦項建設労組組合員20人ほどが席を守り、 集中治療室の出入を統制している状態だ。

ハジュングン組合員のお母さんの涙は周囲をさらにつらくした。

組合員たちは、今回のストライキ事態と占拠座り込みを報道するマスコミの態 度に怒りが大きいもようで、取材陣に対し敏感な反応を見せて空中波放送局の カメラマンを追い出したりもした。

家族控室にいるハジュングン組合員の家族は茫然自失の表情だった。ハジュン グン組合員の八十になる老母は、末っ子の突然の重傷に何も言えないままずっ と涙を流し続けている。

ハジュングン組合員の兄は「私たちの家族もその日暮らしの境遇」とし、母親 を差して「八十の老人が食べることもできずにああしているのに...」と残念 がった。ハジュングン組合員の兄は「自分の村で暮して怪我をしたならともか く、警察はどうしてくれるのかはわからない」として「別の犠牲者がでないよ う、円満に解決してほしい。末っ子が一日も早く目覚めることだけを望む」と 話し、周囲を残念がらせた。

[浦項11:30]浦項市長、「私たちも困惑している」

民主労働党のムンソンヒョン代表と段炳浩議員などの民主労働党人々が19日に 記者会見を終えた後、パクスンホ浦項市長と面談を持った。

段炳浩議員はパクスンホ市長に「ハジュングン組合員は、集会で対峙する途中 ではなく、後で警察の奇襲で負傷した深刻なケース」とし「警察がどんな場合 でも過敏に対応しないように助けてくれ」と話した。

また「初めから建設業に関する浦項市の行政が問題」と指摘して「多段階下請 などを厳格に管理していれば、労働者の被害はなかっただろう。それをほう助 してきたことが累積した結果だ」と話した。

パクスンホ浦項市長は「私たちの市は今、水害が重なって気が動転しており、 浦項建設労組事態については労使が平行線を辿っていて切迫した心情」とし、 「浦項市のイメージに途方もない損傷があり、経済にも危機が訪れるので毎日 困惑している。今回の危機を機会にするように最大限努力する」と答えた。

段炳浩議員は「浦項製鉄座込み場の断電・断水措置を解除し、食事を搬入できる ように助けてくれ」とし「組合員を刺激せず、最大限合理的な解決方案への期 待感を持てるように人道的措置を取れ」と要求した。

[浦項10:30]民主労働党議員団、真相調査のため浦項訪問
「使用者と政府の責任、警察力に依存すれば大きな災いを呼ぶ」

民主労働党のムンソンヒョン代表をはじめ段炳浩、イヨンスン議員、イヘサム 最高委員などがハジュングン浦項地域建設労組組合員を重態にした警察暴力の 真相を調査し、ストライキ事態を仲裁するために19日浦項を訪問した。

イヘサム最高委員は「事態がさらに深刻化する前に、民主労働党が始めるべき だと考えた」と浦項訪問の背景を明らかにした。ムンソンヒョン党代表は「民 主労働党はこの事態を解決する責任感と意志を持っており、最善を尽くす」と 話した。

民主労働党は19日の午前10時30分、浦項市庁で開かれた記者会見で「浦項建設 プラント労組の闘争は、非正規職問題の深刻性をありのままに見せる象徴的な 事件であり、今回の事態の根本的原因は使用者と政府にある」と明言した。

また「政府と検警は、不法ストライキを言うのでなく、建設現場の構造的矛盾 を放置し、ここまで事態をこじらせた責任が政府にあることを認めて自己反省 から始めなければならない」と指摘し「警察の投入で事態を暴力的に解決すれ ばさらに強力な抵抗にあう」と警告した。

元請の浦項製鉄に対しても「専門建設業者に責任を転嫁せず、現事態を解決する ために責任ある姿勢で積極的に対話に出ろ」と要求した。

ムンソンヒョン党代表は「今日の決意大会が平和に行われるように関係部署と 協議する」とし「決意大会で衝突事態が起きれば事態の解決は難しい。平和的 な集会にするように最善の努力をつくす」という立場を表明した。

民主労働党は前日、イサンス労働部長官と面談したが、明確な答弁は得られな かった。今日浦項製鉄座込み場を訪問して座り込みをしている組合員と浦項製鉄側 双方の意見を聴取する計画だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-07-20 05:40:55 / Last modified on 2006-07-20 05:40:55 Copyright: Default

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