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女性職種の非正規職化を撤回して女性の労働権を勝ち取ろう!

・KTX乗務員ストライキ闘争に 連帯しよう

社会進歩連帯

ストライキから一月になるKTX乗務員の闘争が、一層急迫している。 5月15日 付で鉄道公社が鉄道流通の乗務事業を終えるという方針を明らかにしたことで、 鉄道流通はストライキ乗務員全員への解雇協議通知をした。新しい委託業者の KTX観光レジャーは、3月23日、新規採用公告を予定していた4月1日から一週間 も操り上げて新規採用願書の受け付けを始めるなど、ストライキ隊伍に対する 分裂策動に没頭している。鉄道公社はKTX乗務員の正当な闘争を不法ストライ キと罵倒し、あらゆる手段で弾圧している。だがKTX乗務員たちはこれに屈す ることなく、連日威力的な闘いをしている。ストライキをさらに1、2か月に続 けるとしても、委託会社の非正規職としては働かないという強い決意でKTX乗 務員は闘争している。KTX乗務員ストライキ闘争が1ヶ月以上続いている今、 KTX委託撤回、正規職化争奪闘争の意義を調べ、KTX乗務員ストライキ闘争の行 方を探ってみよう。

終わらない鉄道ストライキ闘争、鉄道の構造調整を防ごう

3月1日の鉄道商業化撤回および公共性強化、非正規職差別撤廃、構造調整中断、 解雇者復職などを掲げた鉄道スト闘争は3月4日の現場復帰の時点で中断された とはいえ、指導部の復帰方針以後、鉄道現場で労組の闘争が続いている。首都 圏電車車両支部を中心として作業拒否闘争が進められ、鉄道公社の交渉拒否と 大量懲戒の脅迫を撤回させるための鉄道労働者の1次規定守り闘争(別名順法闘 争)も進められる予定だ。現在再ストライキに準ずる作業拒否が全国に広がっ ていて、KTX乗務員支部のストライキ隊伍も硬く維持されている。鉄道構造調 整を防ぐための鉄道労働者の再ストライキ組織化に、鉄道内の正規職、非正規 職労働者と男性、女性労働者が連帯し、鉄道労働者の団結力を高めて公社側の 弾圧に抵抗している。

特に、今回のストライキ闘争の争点だった解雇者復職、KTX乗務員正規職化の 要求は、公社とマスコミが騒ぎ立てた労使交渉の『障害』ではなく、むしろ鉄 道構造調整の最も核心的な部分だという事実を認識しなければならない。鉄道 労働者の正当な闘争を解雇措置で弾圧し、非正規職労働者の労働の現実をさら に悪化させる措置は、いつか正規職労働者の労働権を抑圧するブーメランになっ て戻ってくる。鉄道公社は、機関士、施設、電気などの核心業務を除く多様な 業務を外注化しており、現在、鉄道公社が雇用している直接外注労働者は3千 人、間接外注労働者は2万人に達すると推定される。鉄道部門の外注化は非正 規労働者の権利を悪化させ、鉄道内部の協業体系を弱め、鉄道の安全を大きく 脅かす。KTX乗務員への外注化、非正規職撤廃闘争は、鉄道構造調整を阻止し て鉄道労働権を擁護する闘争の一環だ。KTX乗務員たちも、こうした事実を直 視して、鉄道労働組合との共同闘争に積極的に結合している。鉄道労働者も KTX乗務員ストライキ闘争を支持・援護して、威力的な闘争隊伍を形成するこ とで鉄道構造調整阻止に立ち上がるべきだ。

女性職制の非正規職化を撤廃しよう

鉄道公社は、公社の非正規職として採用されたセマウル号の乗務員も、KTX乗 務員と共に委託会社に非正規職として採用されるという計画を公然と発表した。 列車を問わず、乗務業務を担当する人材のうち女性乗務員はすべて非正規職化 するということだ。同じ列車の中で機関士、列車チーム長、旅客専務などが共 に安全とサービス業務を遂行しているのに、女性だけで構成された『女性乗務 員』の職制を別に作り、この職制をすべて外注化するという鉄道公社の方針は、 明白な女性労働者に対する労働権侵害であり、差別だ。これは、性別で区分さ れた職種および職制のうち、女性の職種をまず簡単に非正規職化するという根 が深い性差別的な慣行に始まる。

KTX乗務員は、列車の中で、他の労働者と同様安全業務とともにサービス業務 を担当する。しかし、鉄道公社の関係者は乗務員の最も重要な任務である安全 教育もきちんと施行せず、女性乗務員に対して『微笑を浮かべて飲み物のサー ビスでもしていればいい』というばかりで、乗務員が遂行するサービス労働の 価値を切り下げた。そうした鉄道公社が『同じ列車で安全業務を総括する』熟 練した労働者と『単純な顧客サービス業務を遂行する乗務員は、当然待遇が違 わなければならない』と話してKTX乗務員の闘争を正規職さえうらやましがる 厚かましい要求だと片付けているのだ。しかし、鉄道公社側の言う通りなら、 KTX乗務員こそ乗務業務を遂行してきたし、公社側が安全業務を任すべき経歴 職労働者だ。きちんと安全教育も施行せず、一方ではサービスをしていろと言 いながら、彼らが言う『単純業務』だという理由で正規職化要求を握りつぶす のは、業務や職種とは無関係に労働者が基本的に享受すべき雇用の安定と適切 な賃金の権利を剥奪しようとする支配勢力の攻撃でしかない。

韓国の非正規職は、全賃金労働者の60%に達し、女性はその70%を占める。女性 労働者の10人中7人が非正規職であるわけだ。なぜ非正規職のほとんどが女性 で、女性に不安定な雇用が集中するのだろうか。女性の労働は特別な技術が必 要ではないとか、女性の収入がいわゆる『男性家長』の副次的収入だなどとい う家父長制イデオロギーは、女性の労働力を低く評価し、女性の低賃金を合理 化する。このような性差別イデオロギーを基礎とする機制が、性別に区分され る職種分離と職務分離だ。実際、非正規職女性労働者たちのほとんどが、女性 が多いとか、女性に適していると見なされる販売職やサービス職、単純労務職 に従事している。このような職種は、低賃金、不安定、未組織雇用という特性 を持つ。女性は自分の能力よりも、社会構造的に女性に割り当てられた職種や 職務により、雇用条件が決定されるのだ。女性をいつも安価に、消耗品のよう に使い捨てようとする資本の要求と性差別イデオロギーが結合し、女性は低賃 金で不安定な雇用に追いやられている。これに対して女性労働者たちは不安定 な雇用を拡大し、労働権を剥奪する新自由主義構造調整に対抗する一方、女性 を取り巻く性差別的認識と構造を変える闘争を進行しなければならない。

女性の権利を勝ち取ろう

鉄道公社の関係者たちは『女性乗務員がおばさんなっても働いているのは見苦 しい』という暴言を吐いた。サービス業務は若くてかわいい女性が遂行した方 が良いという(誰のために?)観念を表す発言でもあるが、初めから女性乗務員 を委託業者の一年単位契約職として雇用した意図は、年齢や結婚、出産を理由 に簡単に解雇することだったということが理解できる項目だ。実際に何人かの 乗務員が出産を前にして休暇を取るが、関連規定がないという理由で、人材が 必要ならまた連絡するという言葉だけを信じて、戻る約束のない道を行くこと もした。

低出産と高齢化に備えると言いながら、政府が打ち出している政策は、まさに 女性にとって切実な、劣悪な労働条件と構造には全く触れていない。ほとんど 実効性もない恩着せがましい政策たちは、非正規職女性労働者にとって絵に書 いた餅でしかない。不安定な雇用にある女性が出産を理由に解雇の威嚇に露出 する状況は全く変わらず、女性保護措置はむしろ減少している。女性労働者の 2人に1人は初めての子供を出産して会社を止める。また労働市場に進入した時、 女性の雇用は低賃金の不安定な非正規職だけだ。こうした現実があるのに、政 府と社会は結婚と出産を選択しない女性を利己的な女性だと言い募る。女性だ という理由で、母としての義務と責任が強化され、また出産と育児を担当する 母だという理由で解雇の威嚇に苦しんでいるのが、まさに今日の女性が直面し ている現実だ。女性労働者の70%が低賃金の不安定な雇用にさまよう今の状況 が変わらなければ、出産育児に対する社会的責任が拡大しなければ、女性の完 全な労働権は実現されない。

女性労働者闘争の拡張のための取り組みが必要だ

KTX乗務員のストライキ闘争は、その開始からマスコミや周辺組織の大きな関 心を集めた。高速鉄道開通当時から『高速鉄道の花』と大々的に広報され、若 くきれいな乗務員への関心を示してきたマスコミの姿勢は、あるいはその裏に ある搾取と抑圧を隠すための鉄道公社の意図だったのかもしれない。しかし今、 非正規職撤廃闘争に立ち上がったKTX乗務員の闘争もまた、『非正規職闘争の 花』と比喩されたり、闘争の正当性を訴える方式ではない、断片的な『女性』 事件を扇情的に報道する方式と視点から脱せずにいる。

このような認識は、KTX乗務員闘争に連帯する組織や鉄道労働者にも見られる。 KTX乗務支部の先導的な闘争を若くて弱々しい女性たちの『感心な』闘争だと 認識したり、KTXストライキ闘争に連帯することをKTX乗務員を『保護』するも のと考えていないかを反省しなければならない。女性労働者たちも男性労働者 と同じように、自分自身の安定した雇用と生存権を勝ち取るために闘う労働者 だ。KTX乗務員に必要なことは、『地上のスチュワーデス』という賛辞で区分 された搾取と抑圧を認識し、労働者の権利を勝ち取るための集団的闘争に乗り 出したKTX乗務員たちを闘争の主体として認め、尊重することだ。すべての連 帯組織は、彼女らがストライキ闘争という大切な経験を経て、主体的で激しい 『女性労働者』になるために努力を惜しんではならない。

『女性』労働者闘争を『女性』事件として浮上させる方式ではなく、『性別の 差』を認めても、この差を抑圧したり画一化する方式ではない『女性労働者主 体』を形成することに労働運動の関心が集められなければならない。劣悪な労 働環境に置かれた女性労働者の闘争を支持支援し、女性労働者の完全な権利を 認識する努力と共に、女性の生涯周期と生活条件を考慮した組織化方案を模索 するなどの多様な実験が必要だ。

さらに

以前のセマウル女性乗務員集団契約解約阻止闘争の時、国家人権委員会は女性 乗務員職制非正規職化の方針が性差別だとして陳情をした。これに対して鉄道 公社は差別を是正するどころか、『男性非正規職乗務員』を採用する方式で 『男女平等』を実現した。乗務業務に男性乗務員を選び、共に非正規職化する ことが彼らの言う男女平等だったのだ。新自由主義構造調整は、性別と人種、 世代をはじめとする多様な差を媒介として労働力を階層化し、そのために女性 は一次的な構造調整の対象になる。だが、こうした女性労働の不安定化、低賃 金システムは、次第に労働市場全体、社会一般へと拡大する。したがって女性 選別的な非正規職化に反対する闘争は、労働者一般の労働権争奪のための闘争 になる。KTX乗務員の『委託撤回、正規職化争奪』闘争は、決してKTX乗務員だ けの正規職雇用獲得闘争ではない。これは鉄道部門の構造調整を阻止する闘争、 女性選別非正規職化を撤廃する闘争、女性の権利を勝ち取る闘争であり、そう ならなければならない。KTX乗務員闘争がストライキ闘争の中でこのような目 標を認識して闘い、真の闘争勝利を導けるように努力しよう。

2006年03月29日13:28:10

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2006-03-29 18:53:49 / Last modified on 2006-05-20 05:08:29 Copyright: Default

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